「第二の不可能」を追え! ――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ

  • みすず書房
4.36
  • (11)
  • (8)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 111
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622089346

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『「第二の不可能」を追え!――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ』
    THE SECOND KIND OF IMPOSSIBLE: The Extraordinary Quest for a New Form of Matter
    著者:Paul J. Steinhardt
    訳者:斉藤隆央
    四六変型判 タテ188mm×ヨコ131mm/384頁
    定価 3,740円(本体3,400円)
    ISBN 978-4-622-08934-6 C0040
    2020年9月1日発行

    「いまや、物質のとりうる形態の数は、無限になった。」凄腕の理論物理学者とその仲間たちが、物質科学の新たな可能性を追う。「ペンローズ・タイル」のこのうえなく魅惑的な幾何学に触発されて著者たちが考案したのは、禁じられているはずの対称性をもつ、新しい形態の物質──名付けて、「準結晶」──の理論だった。
    準結晶のコンセプトは単純で美しく、その意義はいまだに計り知れない。ゆえに著者たちの探究はとんでもない熱量のプロジェクトへと発展していく。幾何学、物性物理学、鉱物学、etc. etc. を渡り歩いてカムチャツカに至り、その旅路の先は宇宙へも通じていて……まさに「ありえない」ような知的アドベンチャー。
    30年がかりの研究全体を貫いているのは、リチャード・ファインマンの薫陶を受けた著者が指針とする、「第二の不可能」への挑戦である。本書では不可能を可能にするような優れた科学者たちが、プロフェッショナルならではの離れ業を連発する。不可能に挑む研究は、最高に面白いのだ。上質な研究のスリルと興奮を凝縮した胸躍る科学ノンフィクション。
    https://www.msz.co.jp/book/detail/08934.html

    【目次】
    はじめに

    第I部 不可能を可能にする
    1 ありえない!
    2 ペンローズのパズル
    3 抜け道を見つける
    4 ふたつの研究室の物語
    5 面白いものを見せよう
    6 まったく不可能

    第II部 探索が始まる
    7 自然はわれわれの鼻をあかしているのか?
    8 ルカ
    9 準年おめでとう
    10 あなたが不可能と言う場合
    11 青チーム対赤チーム
    12 神はあからさまに意地悪ではないにしても気まぐれ
    13 「秘密の」秘密の日記
    14 ヴァレリー・クリャチュコ
    15 ありえないものを希少なものが囲む
    16 アイコサヘドライト

    第III部 なにがなんでもカムチャツカへ!
    17 見失う
    18 見つかる
    19 九九パーセント
    20 形勢逆転
    21 L’Uomo dei Miracoli
    22 自然の秘密

    謝辞
    訳者あとがき
    図版出典一覧
    索引

全14件中 11 - 14件を表示

著者プロフィール

1952年生まれ。現在はプリンストン大学アルベルト・アインシュタイン記念教授として物理学部門と天体物理学部門の両方に所属。おもな専門は宇宙論、物性論。プリンストン理論科学センターの創設者であり、そのディレクターも長年務めた(2007-2019)。1980年代に宇宙のインフレーション理論を最初期に開拓したことで著名であり、その功績により、アラン・グース、アンドレイ・リンデとともに2002年のICTPディラック賞を受賞している。インフレーションのほかにも、サイクリック宇宙をはじめとする宇宙モデル、宇宙背景放射、重力波、ダークエネルギーなどをめぐる先駆的理論研究を次々に手掛けた。凝縮系物理学においてはThe Second Kind of Impossible: The Extraordinary Quest for a New Form of Matter (Simon & Schuster, 2019)〔『「第二の不可能」を追え!』(斉藤隆央訳、みすず書房、2020)〕で語られている準結晶の研究で大きな功績があるほか、種々のフォトニック材料の理論研究も進めている。

「2020年 『「第二の不可能」を追え!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ポール・J・スタインハートの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×