アフリカ文学講義――植民地文学から世界‐文学へ

  • みすず書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622090670

作品紹介・あらすじ

2016年、フランスのコレージュ・ド・フランス芸術創造講座で行われた「アフリカにかんする8つの講義」。ヨーロッパ人の見たアフリカ史から説き起こし、植民地期、ポストコロニアル期、パリ郊外に住む移民が生んだ文学まで、1920年以後のブラック・アフリカ文学の全体像をわかりやすく、かつ「内戦と子ども兵」「ルワンダ・ジェノサイド以後に書くこと」など、文学を超え、現代史や思想、社会問題にも広がる視野をもつ類ない文学史である。
フランス語圏ブラック・アフリカの作家は、カリブ海やアメリカの黒人文学作家とパリでどのように出会い、みずからの文学を築き上げていったか。フランス文学という「国民文学」からも、アフリカ諸言語で執筆する正統的「国民文学」からも除外されてきた「フランス語圏文学」は、いかにしてグローバルな認識に立つフランス語表現文学として、「世界‐文学」に連なることができるのか。本書に盛り込まれた著者のメッセージは、1530年の創設以来、名だたる哲学者や文学者を迎えてきたフランスの知の殿堂で「アフリカ人」として初めて講義したこと自体の意味も併せ、今後の文学と世界を考えるひとつの指針となるだろう。
著者アラン・マバンクは1966年コンゴ共和国生まれ。『割れたグラス』『ヤマアラシの回想』はじめ、作家としてフランス語で多くの作品を発表し数々の賞も受賞、2006年以来カリフォルニア大学ロサンゼルス校で教えている。
日本ではほとんど知られていないアフリカ文学の歴史を知るために、世界文学の今後を考えるために、ここにおくる。

感想・レビュー・書評

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  • 2016年,フランスのコレージュ・ド・フランス芸術創造講座で行われた「アフリカにかんする8つの講義」の記録であり,フランス語圏のアフリカ文学についての幅広い論考が含まれる。

  • [出典]
    https://twitter.com/i/web/status/1483613215020175360
    ---
    中村隆之 研究室
    @n_a_k_a_m_u_u
    アラン・マバンク『アフリカ文学講義』発売です! この本を訳しながらフランス語圏ブラック・アフリカの文学の展開を新鮮な驚きをもって知りました。カリブ海のクレオール文学史もネグリチュードを起点としますが、その展開は異なる。両著を通じてフランス語圏のアフロ系文学の見取り図が得られます。
    画像
    午前10:32 · 2022年1月19日·Twitter Web App
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  • 【書誌情報】
    『アフリカ文学講義――植民地文学から世界‐文学へ』
    原題:HUIT LEÇONS SUR L’AFRIQUE
    著者:Alain Mabanckou(1966-)
    訳者:中村隆之
    訳者:福島亮
    判型:四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
    頁数:280頁
    定価:4,950円 (本体:4,500円)
    ISBN:978-4-622-09067-0
    Cコード:C1098
    発行日:2022年1月17日

    016年、フランスのコレージュ・ド・フランス芸術創造講座で行われた「アフリカにかんする8つの講義」。ヨーロッパ人の見たアフリカ史から説き起こし、植民地期、ポストコロニアル期、パリ郊外に住む移民が生んだ文学まで、1920年以後のブラック・アフリカ文学の全体像をわかりやすく、かつ「内戦と子ども兵」「ルワンダ・ジェノサイド以後に書くこと」など、文学を超え、現代史や思想、社会問題にも広がる視野をもつ類ない文学史である。
    フランス語圏ブラック・アフリカの作家は、カリブ海やアメリカの黒人文学作家とパリでどのように出会い、みずからの文学を築き上げていったか。フランス文学という「国民文学」からも、アフリカ諸言語で執筆する正統的「国民文学」からも除外されてきた「フランス語圏文学」は、いかにしてグローバルな認識に立つフランス語表現文学として、「世界‐文学」に連なることができるのか。本書に盛り込まれた著者のメッセージは、1530年の創設以来、名だたる哲学者や文学者を迎えてきたフランスの知の殿堂で「アフリカ人」として初めて講義したこと自体の意味も併せ、今後の文学と世界を考えるひとつの指針となるだろう。
    著者アラン・マバンクは1966年コンゴ共和国生まれ。『割れたグラス』『ヤマアラシの回想』はじめ、作家としてフランス語で多くの作品を発表し数々の賞も受賞、2006年以来カリフォルニア大学ロサンゼルス校で教えている。
    日本ではほとんど知られていないアフリカ文学の歴史を知るために、世界文学の今後を考えるために、ここにおくる。
    https://www.msz.co.jp/book/detail/09067/

    【目次】
    まえがき

    第一講 黒人文芸――闇から光へ 2016年3月17日
    第二講 ネグリチュードとは何か 2016年3月29日
    第三講 アフリカ文学のいくつかのテーマ系について 2016年4月5日
    第四講 フランスにおけるアフリカ文学の出版について 2016年4月12日
    第五講 国民文学と政治的デマゴギー 2016年4月19日
    第六講 アフリカと「黒いフランス」が歴史に直面する時 2016年5月10日
    第七講 ブラック・アフリカにおける内戦と子ども兵 2016年5月17日
    第八講 ルワンダ・ジェノサイド以後に書くこと 2016年5月24日

    後日譚
    フランス共和国大統領への公開書簡 2018年1月15日
    黒人部隊慰霊碑に捧げる演説 ランス、2018年11月6日

    原注
    訳者あとがき
    アフリカ文学読書案内
    人名索引

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著者プロフィール

1966年、コンゴ共和国ポワント=ノワール生まれの小説家、詩人、評論家、大学教授。首都ブラザヴィルの大学で法律を学び、22歳のとき奨学金を得てフランス留学。ナント大学、パリ第七大学(総合)、パリ・ドーフィン大学(経済・経営)で学ぶ。最初の小説 Bleu-Blanc-Rouge(1998年)でブラック・アフリカ文学大賞を受賞し一躍注目を集めた。小説Verre cassé(2005年)でフランコフォニー五大陸賞、Mémoires de porc-épic(2006年)でルノド賞受賞。2015年マン・ブッカー国際賞ファイナリスト。フランスでは「アフリカのサミュエル・ベケット」として知られる。2002年から米ミシガン大学で、2006年からカリフォルニア大学ロサンゼルス校で正教授としてフランス語圏文学を教える。最もクールな教授とみなされ「マバンクール」というニックネームがある。作品は20の言語に翻訳。

「2023年 『もうすぐ二〇歳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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