大田南畝:詩は詩佛書は米庵に狂歌おれ (ミネルヴァ日本評伝選)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623048656

作品紹介・あらすじ

大田南畝(一七四九〜一八二三)狂歌師・狂詩人、江戸の文化人。幕臣でありながら、狂歌・狂詩界の中心で活躍し続けた、蜀山人大田南畝。笑いの文学を追究したその生涯を、粋人の元横文字文学者が軽快な語り口で小気味よく描く。

感想・レビュー・書評

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  • 小禄の幕臣太田直次郎→寝ぼけ先生→大田南畝→蜀山人と75歳になるまで狂歌・狂詩を綴った文化人の生涯を綴っている1冊。狂歌はその時代の文化を知らないとわからないので、面白さを理解するのは難しい。
    なかには「昨日まで ひとが死ぬると思いしが 俺が死ぬとは こいつはたまらん」「山里は 冬ぞさびしさ まさりける 矢張り市中が にぎやかでよい」「世の中に 絶えて女のなかりせば おとこの心 のどけからまし」なんていうのは時代を超えてます。

  • 紹介:「京味」の十二か月 P.123 大田蜀山人の名が記載

  • ミネルヴァ日本評伝選です。副題の「詩は詩佛 書は米庵に狂歌おれ」がなんとも良い。
    著者は何故か西洋文学の専門家です。それがいい方向にでたのか平易な文章で充分詳しい、良くできた評伝。
    南畝が記した文章がたくさん引用してあるのも嬉しいです。
    あと二つめの肖像画のポーズがめちゃくちゃかわいい!方膝抱えて突っ伏してるんです!!小動物みたいでかわっ!あんた武士だろ直次郎さん!!

    冒頭は現代人が南畝を忘れ去っていることに対するお怒りが溢れていますね。私も頑張って布教しますのでまぁ落ち着いてください。
    でも現代の笑いも捨てたもんじゃないと思うよ…?

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著者プロフィール

1941年長野県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。東京外国語大学名誉教授。専門は西洋古典文学。
主な著訳書
『サッフォー—詩と生涯』(平凡社、後に水声社)、『讃酒詩話』、『和泉式部幻想』(以上、岩波書店)、『陶淵明私記—詩酒の世界逍遥』(大修館書店)、『西行弾奏』(中央公論新社)、『エラスムス—人文主義の王者』(岩波現代全書)、『式子内親王私抄—清冽・ほのかな美の歌』、『人間とは何ぞ—酔翁東西古典詩話』(以上、ミネルヴァ書房)、『古代西洋万華鏡—ギリシア・エピグラムにみる人々の生』(法政大学出版局)、『ギリシアの抒惰詩人たち』(京都大学学術出版会)、『ピエリアの薔薇—ギリシア詞華集選』(水声社、後に平凡社ライブラリー)、『ホメーロスの諸神讃歌』(ちくま学芸文庫)、エラスムス『痴愚神礼讃—ラテン語原典訳』 (中公文庫)、オウィデイウス『恋愛指南—アルス・アマトリア』(岩波文庫)、『黄金の竪琴—沓掛良彦訳詩選』 (思潮社、読売文学賞受賞)、『ギリシア詞華集』全4冊(西洋古典叢書、京都大学学術出版会)、など

「2021年 『オルフェウス変幻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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