パワーと相互依存

著者 : ロバート・O・コヘイン ジョセフ・S・ナイ 滝田賢治

• ミネルヴァ書房 (2012年11月15日発売)

作品紹介・あらすじ

相互依存関係における敏感性と脆弱性を豊富な事例により多角的に検証。複合的相互依存というキー概念により、国際政治への新たな視点を切り開いた相互依存論の古典的名著を初邦訳。

感想・レビュー・書評

[fudaidsecさんの感想 · 2022年11月15日]

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[袋 トメ男さんの感想 · 2019年4月8日]

レジームは米国にとっても4つの利点がある(p442)
1、レジームは責任分担を促進する
2、レジームは諸政府に情報を提供する
3, レジームは各国それぞれの外交手法に寄って増進されるのを防ごうとする大国を助ける。(巧みに策定されたレジームこそがルールのセットの下に諸イシューを束ねることで、こうした状況にいくらかの秩序をもたらす、p443)
4, レジームはアメリカ外交政策に規律をもたらす

米国が国際レジームに対し効果的かつ戦略的なアプローチを取るために (p444)
1、過去を取り戻そうとするな
2,世界が本当にレジームを欲しているか問え
3,共通の利益の上に創設せよ
4,破滅を防ぐための保険としてレジームを用いよ
5,自己強制こそが最高の実施である
6,正しい自機をみつけよ
7,アメリカの関心を将来に向かわすためにレジームを用いよ

[ddjさんの感想 · 2013年9月29日]

Keohane&Nye,Power and Interdependenceの比較的新しく出た邦訳。しかしながら、訳がしばしば変だったので、結局原本を読んだ方が速かった。

[survoyageさんの感想 · 2013年9月6日]

非常に難解。教養課程で読む本ではなく、明確な目的を持ってつまみ喰いすべし。

[lacuoさんの感想 · 2013年5月15日]

1977年に書かれた文章とか、古すぎて、少し理解しにくい部分があるんだけど、第9章、第10章は分かりやすかった。
9章には、地球村（グローバル・ヴィレッジ）の話題が出てくる。
多国籍企業、トランスナショナルな社会運動、国際組織といった、国家をこえた主体が、領域主権国家の力を弱めるだろうという予測。
事実、これが書かれた1970年代から1995年までの間に、NGOやグローバルな金融市場は、国際政治においていっそう重要になった。
だが、一方で、主権国家は、いまだに強固に存在し続けている。
（といってもEUのような地域主義の主体も生まれている）

そして情報革命。
情報革命は、国際政治において、一部の官僚的エリートだけでなく、ネットワークのなかの一般市民を取り込むことで、複合的相互依存関係のパターンを変化させた。

ここから、ジョゼフ・S・ナイの、「情報と権力」論が始まる。

[H.Satoさんの感想 · 2012年12月9日]

外交政策のリーダーは国際交渉のリンケージ、報復の脅威、国際フォーラムという選択肢がトランスナショナルな同盟の創出ばかりではなく、国内政治に影響を与えるという点にも注意を払う必要がある。

[minervashoboさんの感想 · 2012年11月29日]

１９７７年に原著の初版が出版された、国際関係論の古典的名著。今もなお国際政治における重要な概念である相互依存論と多国間協調主義を丁寧に説明しています。国際政治を学ぶ人、必読です。