ロベスピエール: 世論を支配した革命家 (世界史リブレット人 61)
- 山川出版社 (2018年3月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (103ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634350618
作品紹介・あらすじ
何をどのように語り、それは革命期の人びとにどう受け止められたのか。革命以来つねに賛否両論を巻き起こし、恐怖政治と結びつけられてきたロベスピエールの生涯をたどる。
感想・レビュー・書評
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フランス革命の主役の一人ロベスピエールの伝記。本書の特徴は、フュレ以降の政治文化に着目するアプローチで検出されてきた革命の言説の枠組みを踏まえながら、ロベスピエールの言動を社会主義・共産主義のプロトタイプあるいは不徹底として解釈するのではなく、「徳の共和国」をいかに作り出すか、自らを「有徳の士」として演出することにロベスピエールがいかに腐心していたかを、豊富な引用に基づきながらも簡にして要を得た分析を加えているところである。このような作業によって、「人民」(国民の総体を指すこともあれば、庶民・民衆を指すこともある多義的な言葉)の意志の代表者・代弁者として振る舞いながらも、外国勢力や自らと方向性の異なるグループの「陰謀」を苛烈に糾弾するロベスピエールの言動が、見事な整合性をもって描き出されている。
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丁度よい。ヨーロッパでは有名人でも日本ではそうでもなさげ。おおよそ今までのロベスピエールの扱いと、彼がどんなことをしたのかとか。理解するにはその前提がかなりあると思わせる。また、革命政府のありようなど日本史だけではわからない人の歴史がそこにあると思わせる。
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この人の評価が分かれる理由がわかります。要はこの人自身の思想の変遷というか首尾一貫していなかったということなのかもしれないです。でも、それはそうかもしれないけれど、こうやっていとも簡単に死んだり殺したりするのはやっぱり良くない。さまざまな人生があっという間に断ち切られてしまうのはひどい。結局革命とか戦争とか、キチガイでしかない。
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東2法経図・6F開架 280.8A/Se22s/61/K