- Amazon.co.jp ・本 (550ページ)
- / ISBN・EAN: 9784634413405
作品紹介・あらすじ
本書は、モンゴル、チベット、東西トルキスタンを中心とする中央ユーラシアの通史である。
感想・レビュー・書評
-
書き方もやさしく、網羅している内容も広く、年表も載っていて、教科書の内容を補充するにはもってこいだと思う。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
KH5a
-
広大な中央ユーラシアについて先史時代から現代まで、その歴史を扱う。扱う範囲が広いだけに自然と個々の時代や地域についてその内容が簡略にならざるを得ないのは仕方のないところだろう。遊牧勢力とオアシス勢力の相互に補完しあう関係、またこれら中央ユーラシアの勢力とそれに隣り合う農耕国家との関係が解説されており興味深い。 騎兵という軍事力の持つアドバンテージを活かして先進地域として繁栄し栄華を誇ってきた中央ユーラシア、しかし、騎兵がアドバンテージを失うと同時にその繁栄は失われ、辺境地域になっていく。
-
2015/9/26
紀元前から現在までの通史。広大な草原を結ぶ陸上交通の要所である中央ユーラシアは安定することはなく、ずっと色々な国や民族に支配され続けている。チンギス・ハーンだけではないんだね。民族の交雑も進む中、個々人のアイデンティティーはどのように確立されているのだろう。モンゴルとチベット仏教の関係はとても面白かった。 -
地域史
-
本書は山川出版社が出している新版各国史シリーズの一つです。「中央ユーラシア」という概念は戦後に出た地理的概念というよりも文化的な概念が強く、東ヨーロッパから東北アジアあたりまでのウラル・アルタイ系の諸言語を話す人々が居住したすべての領域を含んでいるもととされています。その領域は「内陸アジア」や「中央アジア」よりも広いと考えていいようです。この地域は近年急速に日本とつながりが強化されています。しかし私たち日本人は中央ユーラシアに対してあまりにも知識が少ない、「シルクロード」や「チンギス・ハン」などしか頭に思い浮かべないのではないでしょうか。本書はロシアや中国など大国に翻弄されながらも主体的に活動したこれら中央ユーラシアに居住する諸民族を詳細に取り上げ、今後私たち日本人がどのように彼らと良好な関係を築いていかなければならないのかという示唆を大いに与えてくれる良書です。ただ、高校世界史以上の知識がないとちょっと内容が難しいのかもしれません。範囲が広い上、諸民族が入り乱れている地域を地理概念もふまえながら読むのは結構苦労しました。