ヤマケイ文庫 「身体」を忘れた日本人 JAPANESE,AND THE LOSS OF PHYSICAL SENSES
- 山と渓谷社 (2023年11月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635049849
作品紹介・あらすじ
豊かな自然と付き合う中で、身体を使って暮らしてきたはずの日本人。解剖学者・養老孟司とナチュラリストのC・W ニコルが、現代人の自然欠乏による「身体感覚の衰え」を語る。解剖学者・養老孟司氏と作家・冒険家のC・W ニコル氏が、都市生活によって衰えた日本人の身体をテーマに、子どもたちのこと、食べるということ、極地での気づきなどさまざまな問題に切り込んだ対談集。アレルギーになる子ども、災害時に火をおこすことが出来ない大人たち。便利になりすぎた都市生活によって、あまりに身体を使わない世の中になっていないだろうか。そして自然と触れる機会もなくなった現代人は、嗅覚、免疫といった身体機能も衰えている―。そんな問題意識から、話は広がっていきます。文庫版には、著者のお二人と交流がある甲野善紀先生による解説を追加しています。
感想・レビュー・書評
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旅先の有隣堂にて本棚で見かけて手に取った本。
出会えて良かった。
裏山を駆けたり木に登ったりして育ったミレニアル世代として、日頃モヤモヤしていた気持ちが何なのか、何故そう思っていたのかを代弁してくれたかのような一冊。
故ニコルさんと養老先生の対談形式なので、とても読みやすい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「なんでも食べれるのは貴族だけ」という話が、自分が以前から感じていたことが言語されていて驚いた。前々から、身の回りで日本食以外の食べ物が食べられないという人に共通する「何か」を感じていた。そういう人は食べるものを限定されているのだという話だった。確かに、毎日スーパーのお惣菜や、割引された揚げ物、ポテトチップスを食べていれば、異国の料理を受け付けなくなるのも分かる。自分は基本何でも食べられる。異国の料理も抵抗なくトライできる。それが食において特権的であることに気が付いた。