1冊でわかるポケット教養シリーズ 吉松 隆の 調性で読み解くクラシック

著者 :
  • ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784636909302

感想・レビュー・書評

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  • 昔から何となく気になっていた調性の話。何となく分かった気になった。各調性ごとに具体的な有名な曲が紹介してあって、イメージが沸いた。

  • 曲に使われている調と楽器との関係性が面白いと思いました。考えると音楽って本当に奥が深いなぁと思いました。

  • 建築学を専攻した吉松さんだけあって、自然倍音から音階が生まれていく音楽史の説明も、科学的だ。
    音楽史が科学的な観点でまとめ上げられているというか。
    これまで読んだ本の中で、一番納得できた。

    楽器の構造からくる弦楽器が鳴りやすい調性、管楽器が鳴りやすい調整の使い分けの話など、納得させられる。
    でも、「鳴らない」はずの調性で演奏することで、普通ではないエネルギーが生まれたりする、なんて話は、作曲家ならではだと思う。

    音楽史のとらえ方も、現代音楽からロックの誕生までをハーモニーの観点でまとめ直すところも、新鮮だった。

    日本旋法、インドのチャクラも、ちょっと軽めの扱いだが、視野に入っていて楽しい。
    それぞれの人の体のサイズに応じ、共鳴する音が違うチャクラ思想は好奇心をそそられる。
    吉松さんの未完の「音量子仮説」、やはりこのまま完成はしないのだろうか?

  • 電車の中で読もうととっておいた本でしたが、2年越しでようやく読み終わりました。ページ数は多くないものの、単なる楽典的な解説だけでなく幅広の内容で、とても分かりやすく楽しく読むことができました。

  • 非常に分かりやすい内容。取り扱っている内容は、和音、和声、調性と頗る複雑で難しいが、さすがです。クラシックに限らずいろんなジャンルの方に読んでもらいたいと思いました。

  • 長年楽器演奏を趣味としながらも、

    (1)長調・短調が明るい、暗い以外の、法則的違いがあると初めて知った(恥ずかしい〜っ!)

    (2)嬰へ長調と変ホ短調とかの嬰と変の違いも読み方も知らなかった。

    (3)コードの意味が初めて理解出来た。

    勉強になりました。

  • タワーレコードのクラシックコーナーで見付けた本。
    著者は現代音楽の作曲家。個人的には「プレアディス舞曲集」は好きな作品。

    音楽理論とが楽典の本って中々良いのがないんだよね。最初はバカバカしいほど簡単なのに、何処かで躓くともう訳わかんなくなる。実用に即して教えようとするから、大事なことだけ、これぐらい判るだろうと思って書くからだろうけれど。

    調性の性格、調性が生まれてきた歴史、物理的な裏づけ等、へ~と思うことが多かった。♭、♯、♮は元々同じ記号だったとか、ドイツではハ長調のシをh(ハー)と呼ぶが、元々印刷ミスが原因とか、無駄話なんだろうけれど、こういうトリビアをたっぷり楽しんで読み終えた。一番面白かったのは、調性と楽器の関係かな。楽器によって得意不得意な調性があるとか、意外だった。楽器が出来る人はシャープやフラットが幾つあろうか関係ないと思ってた。特に金管楽器は大変なんだね~。

    文章も読みやすいし、吉松先生自筆の可愛らしい力の抜けたイラストもいい味です。

  • 科学的な話とかも入っていてとても興味深く読んだ。
    とても読みやすい本だと思う。

  • あとがきで著者自身が触れているように、クラシック初心者には難易度の高い(クラシック関係者にとっては面白い)内容と、クラシック関連者には既出の(クラシック初心者には面白い、かもしれない)内容が混在していて、それがこの本の魅力なのだろうけれど、それを不満に思うひともいるかもしれない。
    音楽をやっているひとにとっては、いかにクラシック音楽のベーシックが実はややこしいかということを認識できるので、それはそれで面白いと思いますが。そして、こういう「ややこしい」ことを非クラシック音楽家にいかに分かりやすく伝えていけるかが、命題かもしれません。
    楽器として弾きやすい調性がある、というのは伴奏をしたときに聞いたし、間近でそれを見たのだけれど(例えば、チェリストはハ長調を弾きにくそうにしていたし、フォーレのトリオをしたときは、全楽器が調性に苦しめられた)、作曲家ならではのインプットが見られたのは、この本のメリットですね。
    この本だけに書かれたことではないけれど、面白いのは、現在の人間が思う協和音が決して昔からそうではなかったということ。長3度を「きれい」と認識するためには、数学の知識が必要だったとか。
    1冊でわかる、と銘打ったシリーズではありますが、もちろんこの1冊ですべてを理解できるはずもなく。どちらかというと、これをとっかかりに、他の興味が湧いたエリアを読んでいくための起爆剤としての使い方が良いのかもしれません。起爆剤が良質でないと、良い爆発は望めませんものね。そういう意味で、参考文献が少し載っていると良かったかなと感じました。

著者プロフィール

1953年(昭和28年)東京生まれ。作曲家。慶應義塾大学工学部を中退後、一時松村禎三に師事したほかはロックやジャズのグループに参加しながら独学で作曲を学ぶ。1981年に「朱鷺によせる哀歌」でデビュー。以後いわゆる「現代音楽」の非音楽的な傾向に異を唱え、調性やメロディを復活させた「新(世紀末)抒情主義」および「現代音楽撲滅運動」を主唱、交響曲5曲や協奏曲10曲を始めとするオーケストラ作品を中心に、〈鳥のシリーズ〉などの室内楽作品、〈プレイアデス舞曲集〉などのピアノ作品のほか、ギター作品、邦楽作品、舞台作品など数多くの作品を発表する。その作品は国内および海外で数多くCD化され、1998年からはイギリスのシャンドス(Chandos)とレジデント・コンポーザーの契約を結び全オーケストラ作品が録音されるなど、クラシックというジャンルを越えた幅広いファンの支持を得ている。

「2015年 『虹色プリズムII 2台ピアノのための』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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