明治の政治家と信仰: クリスチャン民権家の肖像 (歴史文化ライブラリー 363)

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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642057639

作品紹介・あらすじ

政治家にとって信仰とは何か。片岡健吉・島田三郎ら五人のクリスチャン政治家は、内政・外交の現実に対してどう行動したのか。葛藤し、迷い、生きる道を模索した姿から、キリスト教と政治思想との関わりを考える。

感想・レビュー・書評

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  • 信仰と民権運動と政治活動における自身の振る舞い方。時代がそうさせている面も。このような明治の人物、他にもいそう。

  • 明治の民権家にクリスチャンがいた!衆議院議長・片岡健吉、本田庸一、言論人からやはり衆議院議長になった島田三郎。、武士道とキリスト教が自然に両立、いやむしろ積極的に武士道を補完していたともいうべき人々。実は内村、新渡戸もそうだった。そして無名に近い加藤勝弥、村松愛蔵、日本にも素晴らしい男性的な信仰の巨人が多くいたことは驚き。彼らが帝国主義日本にどう立ち向かったという前に、その前段階で、純粋な神信仰に生きたことが新鮮だった。キリスト教信仰と政治家の選択を迫られたとき、彼らが葛藤し、迷い、祈り、模索し、選択していった生き様が著者によって鮮明に記されている。1899年に日本で初めてキリスト教が公認された!あまりにも遅いが、この背景にも彼らの努力があったことは感謝である。政治制度、貧民救済、廃娼運動などに果たした役割は大きい。

  • 小川原正道『明治の政治家と信仰 クリスチャン民権家の肖像』吉川弘文館、読了。明治の民権家・政治家にはキリスト者が多く存在する(が知られていない)。本書は、片岡健吉、本多庸一、加藤勝弥、村松愛蔵、島田三郎を取りあげその生涯を辿りながら、政治と信仰という外と内の関係を論じる一冊。

    5人の評伝としてもコンパクトに要点をおさえ、それぞれの格闘を紹介する力量に驚く。近代日本の「良心」はキリスト教が担ったと言っても過言ではないが、彼ら自身は教会主流派とは言い難い。政治と信仰の相剋の苦悩、葛藤し、迷いは示唆に富む。

    http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b107579.html

    「自由や平等の実現、娼婦廃止や貧民救済を目指した彼らは、議会運営や外交・戦争などに対してどう行動したのか。葛藤し、迷い、祈り、そして自身の生きる道を模索した姿から、キリスト教と政治思想との関わりを考える」。お勧めです。

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著者プロフィール

小川原 正道(おがわら・まさみち):1976年生まれ。慶應義塾大学法学部教授、東京大学大学院法学政治学研究科客員研究員。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。専門は日本政治思想史。著書に『福沢諭吉――「官」との闘い』(文藝春秋)、『福沢諭吉の政治思想』(慶應義塾大学出版会)、『小泉信三――天皇の師として、自由主義者として』(中公新書)、『日本政教関係史――宗教と政治の一五〇年』(筑摩選書)、編著に『独立のすすめ 福沢諭吉演説集』(講談社学術文庫)などがある。

「2023年 『福沢諭吉 変貌する肖像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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