源氏物語 紫の結び(一)

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  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652200339

作品紹介・あらすじ

紫の上を中心に帖(章)を再構築しているスピード感のある新しい「源氏物語」

藤壺の宮の面影を持つ少女との出会いを最初に据えて、光源氏の一生を、藤壺の宮、紫の上との関係性を軸に追っていきます。源氏物語の根幹にある流れを先にまとめたことにより、光源氏とそれを取り巻く人々が新しく鮮烈によみがえってきます。

感想・レビュー・書評

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  • 萩原規子による「源氏物語」の新訳。
    読みやすくするための工夫がなされています。

    光源氏の生い立ちの章の次に、幼い紫の上との出会いを持ってきて、印象を強くしてあります。
    順番を入れ替え、脇筋は省き、敬語もなく、和歌は意訳のみ、注釈などもつけずに、どんどん話が進む。
    停滞は確かに少ないですね。
    これなら読める、という方もいらっしゃるのでは。
    この後に、もう少し詳しいものを読んでみるという手もありますよね。

    紫の上は、確かに重要人物。
    ただ、藤壺を想ってもんもんとした年月、決められた結婚相手は冷たく、うまくいかない‥
    といった光源氏の気持ちはあまり実感として迫ってこないから、いきなり父親にも知らせずに、幼女誘拐?!という感じがしないでもありません。
    当時の同居しない父子の縁のはかなさや、男性が望めば事実婚になることなどを、示しているともいえますが。

    その後で、六条御息所という高貴な年上の女人とまで付き合っていたことや、許されない恋の藤壺とは密会しちゃったし~朧月夜の君にも手を出すし、明石の君にももう会うの?!
    って、ほんとテンポ早い、手も早い‥

    あの時代の結婚制度や源氏物語の成立についての説明が何もないと、初めて読む人はどうなのか‥
    いつ疫病で死んじゃうかわからない寿命の短い時代。
    結婚にも離婚にも制約は少なく、多くの女性を相手にしていた男性は珍しくなかった。
    貴族の男にとって恋愛も仕事みたいなもの、結婚は身分制社会を生き抜く命がけの政治なのよ~ただのサイテー男じゃないのよ!とか、何だか弁明してあげたくなります。
    でも飛ぶ鳥を落とすような勢いのプレイボーイ・光源氏の内心は、あんなこんなで、めめしいの‥ということを描いた作品でもあると思いますが(笑)

    一体どうなるの?と宮廷の人々の興味をさぞ集めたことでしょう!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      荻原規子なら大いに食指が、、、でも文庫になるのは先でしょうね。。。
      荻原規子なら大いに食指が、、、でも文庫になるのは先でしょうね。。。
      2014/04/15
    • sanaさん
      nyancomaruさん、
      荻原さんですから、読みやすいし面白いですよ!
      ある意味、ダイジェストと言ってもいいかも知れない内容です。
      ...
      nyancomaruさん、
      荻原さんですから、読みやすいし面白いですよ!
      ある意味、ダイジェストと言ってもいいかも知れない内容です。
      文庫になるのは‥1年以上後になるでしょうかねえ‥?^^;
      2014/04/15
  • これまで何度も読みたいと思いつつ読み進められなかった『源氏物語』
    母が揃えている瀬戸内寂聴訳の箱入り『源氏物語』全10巻があるのですが、数年前に最初の巻を読んでからずっと中断・・・

    もう読む機会はないかなと諦めかけていましたが、荻原さんの訳で全3巻と短いので今度こそ大丈夫かもと挑戦してみました。
    そしたら案外すらすらと読めたし、面白いではありませんか!
    はじめにによれば「帚木」「空蝉」「夕顔」「末摘花」を飛ばし、地の文から敬語を取り払い、和歌は意訳ですませているとのこと。


    >文章は訳文を基本として、短く切ったり語句を前後に入れ替えたりしましたが、解釈する以上に加えた創作はありません。~

    とあるように、ダイジェスト版とはいえ、挫折の繰り返しだった私にはうれしい達成感(笑)


    なぜか主役の光源氏よりも女性達に注目してしまいました。
    紫の上、藤壺の宮、桐壺の更衣、葵の上、六条の御息所、源典侍など、それぞれタイプが違って魅力的。
    今回は藤壺の宮、六条の御息所、明石の君が印象に残りましたが、読む年齢によって惹かれる女性が変わりそうで楽しみになりました。


    これから先は内容をほとんど知らないので、残り2巻もぜひ読まねば。
    光源氏の晩年を知り、読了後さらに大きな達成感を得られるといいなと思います。

  • 源氏物語、現代訳。

    まずはなんといっても挿し絵を含む絵がすてき。
    表紙には愛らしい紫の上(おそらく)と、周りの花々が
    やさしく鮮やかに描かれていて。。
    お話は和だけど、絵は少し洋風な感じも新しい。
    今後、ニ、三と出版されるようなので、
    手に取るのが楽しみです。

    源氏物語自体、知ってはいても読もうと思うとっかかりもなくて。
    なので、こうして読みやすい現代訳はうれしいです。

    光源氏。
    容姿はすばらしいけれど、
    中身はけっこう普通の、悩める男子なんだなぁ。
    とっかえひっかえというイメージがありましたが、
    一度関わりを持った女性にはわりかし手厚く、
    それほど不誠実な印象がなくなりました。

  • 源氏物語の大まかなあらすじや登場人物をちゃんと知っておきたい、でも、古典に正面から挑戦するのはハードルが高い、という人にはオススメ。私がまさにそう。現代語訳といっても、官位役職の用語は古典そのままなので、「この位ってどんなものだったっけ?」と気になりつつも、読み進める感じ。いちいち調べたり戻ったりしながら読むと面白くなくなるので、細かいことは気にしすぎず、どんどん読んでいくのがちょうどよいかと。

  • 荻原規子の源氏、ちょっと期待しすぎたか。
    意外なほどに、古文に忠実なのではないだろうか。
    読みやすいとは思うけれど、彼女らしい物語性は感じられなかった。

    淡々と綴られていく物語は、多くを説明せず、語らない。
    そこは読者側の読解力、想像力にかかっている。
    試されている気がして、ちょっと息苦しい。
    まさに古典の世界。
    真摯に向き合うのも悪くはない。続きも読もうと思う。

    しかし、女性が作り出した人物なのに、
    光源氏の心理、行動は不可解だ。
    式部は理解していたのだろうか。

    なんで紫の上を思いながら、明石の君に会いに行けるのか。
    そして、様々な女性にかけ続ける情け。
    それは、優しさなんかじゃなく未練だ。

    一度に多くを愛せる男と一人しか愛せない女。
    全てはそこに起因するのではないだろうか。
    理解は出来ても、永遠に納得は出来ない気がする。

  • 源氏の君…どうしようもないやつだな…!大和和紀さんの「あさきゆめみし」を読んでいた高校生の頃よりも、源氏の君のダメ男っぷりが際だって感じられたのは、年を重ねたせいでしょうか。「あさきゆめみし」を読んでいたときから、源氏の君より、友達の頭中将とかの方が好きだったけど。
    宮中で行われいていた風習や四季折々の描写が細やかで、ほんとうに美しい。原作に出来る限り忠実に読み下しているらしいのですが、美しさや人物描写が充分現代にも通じるというのが、不思議でもあり、人間である限り本質は変わらないのかなと思わされたり。
    折々に詠まれる歌もすてきだなぁと思った。歌を詠むことで、四季や花鳥風月をより敏感に感じられるようになるんだろうなという気がする。

  • 「源氏物語」の、荻原さん抄訳版。
    原作のなかでも特に光源氏と紫の上の物語を軸にして、細かいエピソードをそぎ落として、編んでいくという試み。
    子供が読んでもある程度わかるようにと、和歌の部分は、そのままをのせるのではなく、意味をざっくり書いている。とはいえいちいち現代語訳しているわけでもなく、「このわらわ病みってなに・・・?」とか疑問になる部分はそのままです。

    源氏物語は、学校の古典で原文を読んだくらいで、もちろんあらすじだけはざっとあたまのなかに入っている。・・・受験対策。

    だから、こういうふうにあらためて読み直すと、光源氏ってしょーもない男・・・という感想がすっごい湧き上がってくるんですが(笑)

  • 荻原規子さんが、徹底的に読みやすさにこだわった(最初に読む人のための導入編)を作ってくれた、と、感じる源氏物語。

    すらすら読める。
    でも、すらすら読めるからこその「光源氏」の身勝手さが、ぐぐっと心に刺さる。
    いや、その時代の文化の中では、それが尊いってことだったんでしょうが、やはりそうは言っても、身勝手だよね……と、思ってしまう。
    それだけ、余分なことに気を回さずに、登場人物たちの行動がまっすぐ入ってきたのだと思う。

    今まで読んできた「源氏物語」は、そのきらびやかな世界に惑わされ、和歌をなんとか解釈しようと努力しているうちに、なんとなく世界を楽しんでいただけだったんだなあ……。と。

    まったくの異世界のように見えて、そこは、私たちの祖先たちが生きていた時代のごく一部のエリート集団生きた世界。実は、自分たちとも地続きなのだ、と、今更ながら思ってしまった。

    そして、思った。なんて、男の人にとって都合のよい文化が作られていたのだ……って。
    そんな視点は持ったことがなかったので、荻原さんの文章力から喚起されたもの。
    感謝、感謝なのである。

  • 源氏物語の主要な話をピックアップした現代語訳本です。
    テンポよく進むので読みやすいです。
    こんなに面白いストーリーだと思わず、外で声を出して笑ってしまいました……。

    源氏物語の和歌を楽しみたい人は物足りないかもしれません(現代語訳がさらっと乗っているだけ)が、それもストーリーをさくさく読むための工夫なので、私のようにとりあえず読みたい人には有難いです。

  • 光源氏と紫の上を中心に源氏物語を再構築したもの(全3冊)。
    1巻は明石の都落ちまで。
    大筋から外れそうなところは大胆にそぎ落として、文体も親しみやすくとても読みやすいです。
    和歌も意訳なので、気にせずさらっと読み進んで、後でしっかり調べてもいいかもしれません。

  • 読みやすい。
    けど、源氏はひどい!!
    どうしてあっちこっちで女の人を作るのかな?
    登場人物が多すぎてごちゃごちゃになる。
    関係図みたいなものがあると嬉しい!

  • 2014.10.7市立図書館
    光君が亡き母の面影をもとめて藤壺を、そして紫の上を慕い、また幼いみぎりに受けた占いのとおりに子に恵まれ政の要となる人生を中心にすっきり読ませる。丸谷才一や大野晋のいう傍系の「雨夜の品定め」や「夕顔」「空蝉」「末摘花」などは割愛して、敬語抜き、和歌も意訳のみで、注釈なしでもわかるように配慮した訳文で前へ前へ読み進められる。この巻は明石まで。
    それにしても光源氏はいくら見目麗しい優男であるとはいえ、勝手な男であるよ…藤壺も紫の上もとんだマザコン男の犠牲者にしか見えない。

  • 「源氏物語」のメインストーリーだけを抜き出した物語で、ものすごく読みやすいです。
    ある意味、今まで1番読みやすかった「あさきゆめみし」よりも、読みやすいかも。

    源氏物語には、作者複数説があって、特に、前半部と後半の宇治十帖の物語のことをいわれることが多いのですが、実は、前半部だけでも、「藤壺」-「葵の君」-「紫の上」-「朧月夜」-「明石の君」-「女三の宮」の貴種流離譚ラインと「空蝉」-「夕顔」-「玉鬘」の中の品の女ラインのお話で、作者が違うのではないかといわれたりしているようです。

    まぁ、作者が違うかどうかはわからないのですが、多分、書かれた順番は、メインの貴種流離譚ラインが書かれてから、サブの中の品の女ラインの話が書かれたのは、確かなような気がします。

    サブの話は、

    「もっともっと源氏の話を聞きたい」

    という声に応えて書かれた外伝みたいなものではないかと思っています。

    で、これは、そのメインのラインだけを書いていて、物語としてものすごく読みやすく、ストーリーの一貫性もあるのです。
    紫の上と源氏が出会うあのものすごく印象的なシーンは、たしかに、物語のこれぐらい前半部にあるべきだと思います。
    というか、今回、読んでて、「若紫」が物語のはじまりだったんじゃなかろうかとすら思ったりしました。

    まあでも、誰に向けて書かれているのだろうというのは、謎ではありますね。
    この本を読んでもらいたいと思っている年齢層って、いくつぐらいなんだろう。
    中学生以上出ないとつらいし、ほのめかしとか考えると、高校以上かなぁという気がします。

    この書き方で、メインラインを書いた後、サブのラインや、宇治十帖も、荻原 規子に書いて欲しいとちょっと思った。

    俵万智の「愛する源氏物語」以来、宇治十帖が好きなのです。

  • 源氏物語は原典を読みました!と言えたら、どんなにカッコイイか(^^;)原典はほんの少し古典の授業でしか読んでいないし、新訳も途中で挫折(T.T)全てを読んだのは大和和紀さんの「あさきゆめみし」のみ(--;)荻原さんの源氏物語は紫に縁のある主要な帖を組み換えて訳されているので完全版ではないけれど、古典の雰囲気を壊さず満足できる内容(^^)一巻は光源氏の誕生~明石滞在

  • 源氏物語を一度は読んでおきたい、と長らく思っていたものの何度も挫折していた。荻原さんが現代訳を出してくれるということだったので、この機会にと読んでみた。
    想像していたよりも原典に忠実で、古典の授業のノートのようだ。和歌は原文も残してくれてても良かったかな…
    ともあれ、読んでみて。源氏物語に何度も挫折していた理由をありありと思い出しました。そうだった。主人公(光源氏)がどうしても好きになれないんだった。現代とは文化が違うとはいえ、…とはいえ…!どうしてもいらいらしてしまう。
    亡き母親への執着とかは別にかまわないけども、それならそうでもっと一途に突き進めばいいのに。変にいろんなところに手をだしたり悲劇ぶってみせる辺りがもやもやもやもや。そしてやたらスペックが高いところもむかつくポイントである。
    なんだか妙に覚えのあるイライラだ、と思ったら、いわゆるエ…ごほん、ギャルゲのだめなアニメ化を見てる気分と似てるのだ。どいつもこいつもに手を出しやがって誠〇ね。
    悲恋といえば聞こえはいいけど関わって幸せになった女性が皆無じゃないか。特に若紫…紫の上を強引に浚ったくだりとか最低すぎて、早く誰かこいつをやっつけて、と思わざるを得ないのですがうぬぬ。

  • 古典としては読みやすいですが、いつもの荻原さんの文章のような読みやすさを期待するとちょっと読みづらいかと思います。 もう少し意訳して、荻原さんの文章にしてしまってもよかったのではないかと思いました。

  • 作家の荻原規子が新しい試みで現代訳した源氏物語。
    最初の著者の言葉にもあるとおり、大幅に順序が入れ替えられている。
    源氏物語というと大昔に田辺聖子訳のものを読んだ記憶があるけれど、なるほど、確かにそれに比べると姻戚関係やら話の道筋がすっきりしていてわかりやすい。
    それにしても・・・前読んだときも思ったけど、光源氏、やりすぎだろ。「身に覚えがない」理由で官位を失ったってあるけれど、身に覚えあるだろう!しかも、それで自粛して流れた先で女性を妊娠させてどうすんの!もう、もちろん現代の感覚で照らし合わせたらいけないのはわかっているんだけれどあきれ果てるやりたい放題で、現代でも思わず突っ込みながら読んでしまう「物語」の強さを感じる。
    あと、今回はじめて思ったけれど、舞の練習で自宅にこもってる貴族とか・・・平安時代の立身出世は随分悠長だったんだなぁ。作者が女性だから、当時の男性視点からするとまた違うのかもしれないけれど。そういった当時の感覚を想像するのもけっこう楽しい。

  • ★★★★★
    源氏物語、荻原規子さん訳。
    荻原さんの名前さえ忘れて、真っ白な状態で読みたい。
    すっきりと物語に入り込めました。


    冒頭に「はじめに」と、ご自身がこの作品に取り組む理由、心意気、簡単にではありますがエピソードにふれているので、初めて源氏物語を手にする人は本編から読んだほうがよいかも。

    (まっきー)

  • 54帖すべてではなく、テーマに沿った帖だけを、ピックアップする構成。
    原典に近い少ない文字数と、敬語の省略で、テンポよく楽しめる現代語訳。
    言葉選びが素敵で、自然や調度、人柄など、原典にこまやかに描かれた美しさを、楽しめる。
    今後の刊行も楽しみ。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-f25d.html

  • 源氏物語の冒頭の重要エピソードだけを現代語訳してまとめてある。

    与謝野晶子訳を読んであらすじは知っているけど、ちゃんと現代語で読むとわかりやすい。
    和歌も訳だけが載っていて、現代人のわかりやすさを重視してくれている

  • 2023年12月24日 夫からのプレゼント。

  • 来年の大河ドラマ「光る君へ」を恙無く迎え撃ちたい。ようやく重い腰を上げて、とにかく現代語訳を読み通そうと手に取りました。
    光源氏の、困難な色恋が絡むと自分をもどんどん困難に追い込んでしまう様が見ていてしんどい。そしてちょっとだけ笑える。
    でもこの時代の女の人たちは大変だな……。こんなクズでも光源氏は類稀な男でもあることはまあわかるだけに。
    光源氏の色好みぶりって10代の頃から読んでいて腹立たしくてならなかったけど、アラフォー間近にして改めて読んでみると、藤壺がまじ大変そうで気の毒でならない。

  • 読みやすい。
    現代の言葉!
    しかも、原文と違ってダラダラ(ゴメンナサイ!)していない。
    さらに、スパンと玉鬘系の本を切り落としているのがわかりやすい。
    私もあれは短編として読むと面白いけど、本筋の中に入れ込むとややこしくなると常々考えていたのです!
    この辺り、歴代の源氏物語現代語訳者の方たちにどう思うか聞いてみたい!

  • 萩原規子による源氏物語。内容は手に取りやすいように、末摘花などの枝葉の話を切り取り、各話を配置している。文章は読みやすいながらも、原典に忠実に訳そうと試みているのがわかるような文体になっている。また、和歌については意訳のみが記載されている。
     

  • 源氏物語の全訳っぽいけど、紫の上に焦点を絞って割愛している巻もあり、物語を追いやすくなってる。文も短文になってるから、そっけなさもあるけれど読みやすい。私なんか的な明石の君のこじらせも、思い切りたいのに思い切れない六条御息所の恋する乙女感も、それぞれに全然違うキャラでありつつ現代にもあるあるなキャラでおもしろい。

  • しばらく積読になっていたのだが、読み始めると本当にするすると読み進められる。
    男性がいろんな女性のもとに通うのが通例の時代でも、女性としてはやはり自分だけを見てほしいと思うもののようで、人間ってかわらないんだな。

  • さくさくと読める話になっていて読みやすかったが光源氏に感情移入ができないところがありどうしても楽しめなかった。

  • さる女性が、光源氏を理想の男性と仰った。え?あの手のつけられないほど女にだらしない男が、理想の男?どういうこと?…そういえば私、マトモに源氏物語読んだことないな。もしかして、私の知らない光源氏がいるのかな?
    というわけでとりあえず読みやすそうなこちらを手に取った。本書については、物語として楽しんでほしいという訳者のエピソード選択に大胆さを感じた。個人的に末摘花が好きなので読みたかったなあ。
    光源氏はなあ…。父親の後添いに手を出して子を産ませる。自分を大事にしてくれないことを悩んだ正妻は出産で命を落とす。父親の後添いに似た少女を引き取って自分好みに調教する。女絡みで仕事を干され飛ばされた先で懲りもせず子を産ませる…ってもう不快感のフルコンボでしょうこれ。とはいえなぜかの女性がそこまで光源氏を理想とするのかを知りたくて、2巻以降も読んでみちゃうのであった。

  • RDGシリーズなどを書かれた荻原さんが、内容はおもしろそうでも読みにくい古典文学を新訳しています。宇治の結び、つる花の結びと続きます。
    (一般担当/1号と2号)令和2年4月の特集「日本の古典を楽しもう!」

  • 非常に読みやすい。要約本のように省略しまくった現代語訳本ではなく、結構丁寧。省かれている箇所もあるが、大変分かりやすい表現でスピーディに読むことができる。続きの巻もまた時間を見つけて読んでいこうと思う。

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著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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