ローワンと伝説の水晶 (リンの谷のローワン 3)

  • あすなろ書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751521137

感想・レビュー・書評

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  • 3つの氏族が対立する水辺の民マリス。長らく友好を保ってきたマリスとリンの間には、ひそかに伝えられてきた、大切な約束があった。使者の、突然の到来により、その驚くべき事実を明かされたローワンは…。水晶の守り手を選ぶため、水辺の民マリスの村へ向かったローワン。だが、そこに待ち受けていたのは…。
    意外な結末に向けて、物語は一気にすすんでいく。スリルあふれるミステリアス・ファンタジー。

  • 人を信じることと疑うこと。どちらも大切で、難しいことなのだと教えてくれます。

  • リンの谷のローワンシリーズ第三弾。英雄然としてないローワンが頑張る姿が健気です。

  • ローワンシリーズ第三弾!今回も面白かったが同時に恐ろしく不可思議な部分もある作品だった。
     今回も前回と同じく異なる価値観を持つ別の民族が関わってくる。しかし前回よりもさらに深刻な断絶、すなわち主人公の疑いと怒りが今回の同行者マリスの民に向けられているのである。そしてある程度打ち解けても、理解できない部分はある、という部分がとても興味深い。
     彼らのやり方が良いのか悪いのかなんて理解は判断できない。そういう部分が異文化交流?を描く本作の真摯さと言えるだろう。特にマリスの民の狡猾さや残酷さ、個人の犠牲に躊躇のない部分に関しては特にフォローも乏しめもない。そして最後に明かされる水晶の謎も見ようによっては生贄のようなもので良い感触を受けるものではない。しかしこれらは必要なものでもあるし尊重すべき文化でもある。これに対し何を考えるかは人それぞれだが、私はそれでも読者それぞれがどう受け止めるか考えるべきであること、どのような文化でも否定的になってはならないこと、をメッセージとして受け取った。
     創作の異民族が描かれる時、主人公側の民族が悪く書かれ、相手が良く書かれる傾向がある気がするが、ローワンシリーズでは両方の民族の悪いところ、良いところがえがかれる点が独特だ。さらに最後にわかりあうのではなくわからない部分もありながら終わるのも特徴的である。別の文化圏と触れ合い共生するというテーマに対する作者の真摯さがよく伝わってくる作品だと言えるだろう。こうしたタイプの作風はともすれば説教臭くなってしまうが、ローワンシリーズは単純な面白さも素晴らしく、この二つが両立している点で素晴らしいシリーズであると感じた。

     さて今回の読んでいて面白かったのは2巻分の冒険と経験を経て、今回は儀式の審判役という重要なポジションについていることもあって、ローワンの口調や態度に威厳が伴っているように感じた。前回までとは違い異なる民族の領域におり緊迫感があったことも関係しているかもしれない。しかしこれまでの成長を感じて嬉しかった。

     だが一番印象深いのは水晶の力の描写だろう。今までの自分がなくなり水晶と一体化していく感覚、それまで大切だったものが一気に無価値になっていく様は寒気すら感じた。しかも水晶の司となった人物がはっきりと以前の自分がなくなったと発言している。とても恐ろしい描写だ。なによりも恐ろしいのがこの一体化の一部をローワンも行ったということだ。果たして我々が3巻分見守ったローワンは、このローワンなのか?こうしたモヤモヤが残るのも、先ほど示された異文化との交流に対して自分達で考える機会を与えてくれるものだと言えるだろう。

  • 【あらすじ】
    3つの氏族が対立する水辺の民マリス。長らく友好を保ってきたマリスとリンの間には、ひそかに伝えられてきた、大切な約束があった。使者の、突然の到来により、その驚くべき事実を明かされたローワンは…。水晶の守り手を選ぶため、水辺の民マリスの村へ向かったローワン。だが、そこに待ち受けていたのは…。意外な結末に向けて、物語は一気にすすんでいく。スリルあふれるミステリアス・ファンタジー。

    【感想】

  • リンの谷のローワンシリーズ3冊目、祖先のゆかりから大役を任された母とともに水辺の民マリスの村へ向かうことになったローワン、そんな彼を待ち受けていたのは国家の陰謀が渦巻く恐ろしい事態だった。
    故郷を遠く離れた地でも成長しながらの活躍を見せてくれるローワン、どんどんひろがってゆく世界観と続きが楽しみ。

  • 2003

著者プロフィール

オーストラリア在住のファンタジー作家。『リンの谷のローワン』シリーズや『デルトラ・クエスト』シリーズ、『ティーン・パワーをよろしく』『フェアリー・レルム』『ロンド国物語』など多数の人気児童書シリーズを執筆。とくに『デルトラ・クエスト』シリーズは、日本をふくめ全世界で大ヒットし、累計1500万部を突破している。2014~2015年に日本でも出版された『勇者ライと3つの扉』は、デルトラ世界とつながっていたことが判明し、話題を呼んだ。

「2016年 『スター・オブ・デルトラ 1 〈影の大王〉が待つ海へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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