(4)山村暮鳥 (日本語を味わう名詩入門)

制作 : 萩原 昌好 
  • あすなろ書房
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本棚登録 : 55
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (95ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751526446

作品紹介・あらすじ

名詩入門シリーズ第4巻は、日本の民衆詩を代表する詩人、山村暮鳥。その初期の前衛的な詩から、晩年の人道主義的な詩まで、わかりやすく紹介します。27編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • あの「いちめんのなのはな」でおなじみの山村暮鳥。このシンプルさが昔から好きだったが、山村暮鳥の他の作品というとあまり知らなかったので、本書を読むことで彼のプロフィールも知ることが出来たのもよかった。
    敬虔なキリスト教信者で、伝道師の職に就いていたということもあったとは知らなかった。そのためか、作品には人道主義的なものも多いが、個人的には、自然をテーマにした素朴でのびやかな作風の方が好みかな。
    一方で、彼の生涯には興味がある。「信仰者」と「詩人」という二つの顔。両方を行き来しながら心の中に抱えていた葛藤が詩作にも滲み出ているようで。作品解説を読みながら、詩の背景にはいったい何があったのだろうと、色々思いを巡らせてしまった。一作品毎に解説があるので、毎度このシリーズを読むたび「授業みたい」と思っちゃうが、その都度作品の理解を深めることができる点ではよい。
    何度も言うが、この「日本語を味わう名詩入門」シリーズ、本当にいいですね。今回も装丁が素敵でした。図書館では児童書のコーナーにあることが多いが、是非大人にも手に取ってもらいたい。国語の時間に何となく学んでいた詩の世界がこんなに深いものだとはと、大人になって改めて気付かされる。


  • なんとなく名前を知ってたくらいだった。
    ちゃんと読んだのは多分初めて?

    「先駆者の詩」「道」「自分はいまこそ言おう」
    がすごく好き。

  • 浅学で「いちめんのなのはな」のイメージしかなかったので、本書を読んでびっくり。こういう詩を書く人だったのか、と思った。
    平易で無邪気、そして真面目だな、という印象。山村暮鳥は、明るいものを愛しているが、義務感も強かったようだ。自分で自分を縛っている、言い聞かせている、けれどもそれらから自由になって、自然のようにのびのびしたい、という気持ちが言葉から伝わって来た気がした。

    知らない詩人を読むのが不安だったので、子供用の本から入る。入門としてちょうどよかった。

  • はじまりのページで著者が、詩は「言葉の音楽」「言葉の絵画」だといっているようにこの本では、作品ひとつひとつをまるで絵画の鑑賞のように丁寧に大切に紹介している。子供たちに向けてとしてはとてもわかりやすく、心に響く一冊になるのではないだろうか。また大人にとっては、山村暮鳥をもっと深く知る本になり入門書としても素晴らしい本だった。味わい方は、やはり絵画と一緒できっと人それぞれでいいのだと思う。私は中でも「歩行」という詩がよかった。暮鳥も愛の中にいるようで私も嬉しかった。

  • すごく曖昧な感想で申し訳ないけど、なんだか大地に立ってる感じがします。
    広い大地に立って、周りを見渡したり、空を眺めたり。
    そんな情景が浮かんできます。
    たくさんの詩が紹介されているのに、そんな十把一絡げに言えるものかとも思うのですが、家の中にいるなあって印象を受ける詩はあまりないように思います。

  • 図書館の特集本コーナーでやわらかい色づかいの装丁が目に留まり 、借りてきた一冊。
    いちばん最初におさめられていた「風景 純銀もざいく」は、知っていたけれど、あとははじめて目にする作品ばかり。
    一編ずつに解説文がついているけれど敢えてそれは読み込まずに、作品とじっくり向き合いました。(子どもむけの名詩入門シリーズだったようです。だから、手に取りやすいような装丁だったのだと納得。でも、子どもむけとは思えないほど作者の背景解説などが丁寧なので、大人にとっても入門書となりそうです。)
    さっぱりとした、まっすぐな言葉遣いながら、行間から繊細な心境がにじみ出てくるような、そんな趣のある作品ばかりでした。こども(赤ちゃん)にむける暖かなまなざしが印象的。
    お気に入りの作品は「或る日の詩」「友におくる詩」「手」。
    さびしさの表現が、透き通るような美しさです。

  • 「風景 純銀もざいく」の解説が
    個人的には一番興味のあるところだった。

    けど,今まで知らなかった他の作品にも
    自分の心をうつものがいっぱいあった。

    特に,「道」「こども」「ある時」は,短い中でも
    胸にくるものがある。

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