思いはいのり、言葉はつばさ

著者 :
  • アリス館
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本棚登録 : 277
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784752008965

作品紹介・あらすじ

友達のジュアヌが見せてくれたハンカチに刺繍されていた、女書(ニュウシュ)。女の人だけが読み書きできる、秘密の言葉だという。その美しい文字に、チャオミンは夢中になってしまう。中国・湖南省に実際に伝わる「女書」をテーマにした児童文学。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙がとってもかわいくて手にとる
    よかったーーー
    チャオミンの素直な一生懸命な心が伝わってきて
    心があったかくなる
    ニュウシュとは??
    挿絵とかにもなかったので結局どんな文字なんだろうと思っていたら裏表紙のとこに何か細長い模様が
    え?これが文字なの?が正直な感想
    縦に読むのか横にして読むのか?ぜんっぜんわからんーー
    でも逆にわからない方が良かったのかも
    知らない人には文字と思われない方が危険がない
    心を自由にするために書く
    その文字を必要とした人々がいたということ
    民族間のこととか貧富の差とか男尊女卑とか
    諸々多分描こうとすればもっと重い話にもなるんだろうけど
    児童書ってことでその辺はマイルドになってるし
    メインはチャオミンの成長物語なのでさらっと読めば辛くない
    多分深読みしようとすると辛いとこわんさかありそう
    願わくばシューインが嫁ぎ先で幸せに生きてくれることを
    生きるのに必要以上の財は人の命を救うために
    うわーーーお父さんいいこと言うねー
    ここはおばあちゃんちょいとイヤミだけど
    お父さんとお母さんがちゃんと娘を大事にしてるのですき

  • まめふくさんの絵が好きで、それをきっかけに読みました。

    女書という字があることを初めて知ったけれど、植物の絵のような美しい字体に惚れ惚れ…ただ、女書の持つ背景は美しく恵まれたものではなく、でもそれを知って見るとより美しく凛として見えるのでした。

  • チャオミンは、友達のジュアヌに見せてもらったハンカチの美しい刺繍に一瞬にして心を奪われた。それは、女性だけが読み書きできる「女書(ニュウシュ)」という文字だった。チャオミンの村では、男たちが野山で仕事をする間、女たちは誰かの家に集まって一緒に織物や刺繍などの手仕事をする。そこで、「女書」も秘密に教わることができるのだ。待ちに待った10歳の誕生日。心弾ませ、初めて女たちの集まりに足を踏み入れたチャオミンだが・・、中国・湖南省に実際に古くから伝承されてきた「女書」を題材に、まだ男性優位の時代、手仕事と共同体に支えられてきた女性のたくましさ、文字をもつこと、そして気持ちを言葉にして伝えることの尊さに改めて気付かされ、心打たれる物語。小学校高学年から。
    (第八小学校図書館だよりにて紹介)

  • 女性だけが読み書きできる秘密の文字ニュウシュについてかかれた物語。舞台は中国。装丁が綺麗。城所潤さんによるもの。装画はまめふくさん。

  • 分類としては児童書にあたると思われますが、大人が読んでもハッとさせられる描写があり、とても興味深く読みました。
    昔、中国の女性達の間で使われてたニュウシュという文字を習っている女の子が主人公という、やや特殊な設定を上手に使い、現代にも通じる女性の生涯について考えさせられる文章でした。
    未成年か成人後か、既婚か未婚か、男性か女性か、など、読み手の立場や属性で大きく感想の変わる、大変面白い物語だと思います。

  • 様々な民族や、考え方が違う女の人たちが、刺繍や女書を通して理解しあっていて心が温まりました。
    また、チャオミンの姉であった人が結婚するときに、チャオミンの気持ちをチャオミンが習っていた女書で表していて、僕も言葉を大切にするとともに、祈って自分の想いを伝えたいなぁと思った

  • 朝日小学生新聞「中学入試で取り上げられた本」より。(ちなみに、桜蔭中ほか)

    少し前に読んだ『彼岸花の咲く島』で、女性だけが学べる「女語」という言葉が登場した。
    こちらは「女書」(ニュウシュ)という女性だけに伝わる文字の話。

    理不尽な風習や、古くからのしきたりの中で、自由を奪われてきた女性たち。
    「文字があなたの(纏足をした)足の代わりだよ」「思いをつづることで、心がきっと自由になる」p82

    誰もが文字を学べ、読み書くことができる今、
    指先でつぶやくだけで世界中とつながれる今、
    自らの思いを託せる「文字」の持つ不思議な力を、改めて感じた。
    文字は、人を生かしもすれば殺しもする。

    「言葉を大事にするんだよ」p153
    「辛いときは、書きましょう
    苦しいときは、歌いましょう」p205

    「人は初めて書く文字では、思いやりや優しい気持ちを言葉にする」p251あとがきより



    「女書」と検索してみた。
    装丁に描かれた刺繍のような美しい右上がりの文字。この文字が、女性たちの悲しみや喜びに寄り添ってきたんだな。

  • 読後、タイトルがじんわりと沁みてくる作品でした。また読み返したい本です。

  • 中国に伝わる女書。その美しさに魅せられ学び始める少女チャオミン。少女たちの日常を通して、民族や女性、家族、友情が浮かび上がる。なんて繊細で切なく美しい物語を書くんだろう。思いは祈りになり言葉は翼になる。タイトル通りの素敵な物語。

  • チャオミンはニュウシユ(女書)を習いはじめます。
    花帯に刺繍されたニュウシユに心惹かれて。

    文字を知って、チャオミンは伝えたいことがあふれます。歌にのせて、文字にのせて、気持ちが自由になるのです。

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著者プロフィール

福岡県生まれ。講談社児童文学新人賞佳作『カラフルな闇』でデビュー。作品に、『青(ハル)がやってきた』、『鉄のしぶきがはねる』(坪田譲治文学賞、JBBY賞)、『たまごを持つように』 、『伝説のエンドーくん』、『思いはいのり、言葉はつばさ』『日向丘中学校カウンセラー室1・2』『零から0へ』『かがやき子ども病院トレジャーハンター』など。

「2023年 『つる子さんからの奨学金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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