アホウドリの糞でできた国 (アスペクト文庫 D 14-1)

著者 :
  • アスペクト
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757223325

作品紹介・あらすじ

だれも働かない夢のような国がありました……
 税金ゼロ。学校・病院はタダ。食事はすべて外食。国民は誰も働かない……。そんな夢のような国が、本当に存在します。太平洋の赤道付近にぼんやり浮かぶ島、その名はナウル共和国。さんご礁にアホウドリが大量の糞をして、その糞が堆積してできた島です。この糞は長い年月を経て燐鉱石(肥料の原料になる)となり、国民は何もしなくても生きることができたのです。
 しかし、この世界史上サイテーのなまけもの国家を襲った(ある意味しょうがない)危機! 政府が立案したまぬけな打開策の数々! などの顛末が描かれて、はや9年。その後のナウルはどうなったのか? ぼんやりしたままなのか? そこで、このたびの文庫版では「その後のナウル」を知る人々を招き、大座談会を開催。やはりというかさすがというか、アホウドリの糞でできた国だけのことはあるなあという衝撃の結末があきらかに(ただし、やわらかめ)。

感想・レビュー・書評

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  • この太平洋の赤道付近に浮かぶ「サンゴ礁にアホウドリが大量の糞をして、その糞が堆積してできた島」は「その糞だけでお金持ちになった国」という素敵なお伽噺めいた縁起から展開される「ナウル共和国」の絵物語は、柔らかなタッチで語られながらも、実に含蓄の深いものがあり、結局は化石燃料依存の現代社会で胡坐をかく僕らの優しくて悲しいカリカチュアにも見えるし、文庫本加筆増補された旅行者との対談で語られる「ナウル」の今の姿も、ポジティブとも諦めともつかない国民たちのリラックス感は、ちょうど駄目になっていく会社の「明るく淀んだ空気」とも何となく似ていていろいろ考えさせられますが、作者はそんな穿ったことを声高に主張したいわけではなく、シンプルにこんな南の島の国家があることに「すごいなー」と驚いて、キラキラとした目で眺め、深い「ナウル」愛溢れているため、一度行ってみたいな!という気分になります。

    子供にも読ませたい絵本です。

  • ナウル共和国は世界で三番目に小さい独立国で、太平洋の赤道付近に浮かぶ小さな島国である。島の全周は約19kmなので車で30分もあれば一周できる大きさである。

    ナウルはサンゴ礁に集まってきたアホウドリの糞が堆積してできた島であり、糞とサンゴ礁は長い時間をかけてリン鉱石となる。これは、質の良い化学肥料となる。この資源を海外に採掘、輸出するための会社を設立し、儲けたお金の半分は国民に対して教育費や医療費として還元し、1980年代にはGNPが20000ドルを超えるようになった。これは当時の日本のGNPの約2倍に相当した。
    しかし、次第にリン鉱石が枯渇し始め産業は低迷し、国家財政が悪化する。資金繰りのためにナウル銀行を設立し、一時的に財政は回復するものの(ナウルには税金がないため税金対策をしたい資産家の租税回避先として)、9.11テロによりアメリカから「テロリストのマネーロンダリングの温床」としてナウル銀行は解体させられる。難民受け入れによるオーストラリアからの援助により財政を回復させるものの長くは続かず…

    リン鉱石産業枯渇後の立ち回りの難しさが読み取れる。

  • 文を書きました。自分ではすごく気に入っている一冊で、文庫化に際して2005年以降のナウルのことも加筆しています。楽しんでいただけましたらうれしいです。

  • 2004年に出た書籍の、ただの文庫化ではなく大幅加筆増補版。「その後のナウル」を訪ねた日本人たちの対談つきなのです。おおまたリン鉱石掘ってるのかーとか、そもそも入国の手続きからしてよくわかんないのね、とか、本編とは違った角度からまたナウルを知ることができる。本編でナウルのことがよくわかり、対談読むと今のうち行っといた方がよいのではというか行きたい気持ちになる

  • 如何ともし難い問題を抱えているナウル。悲観的でもないんでしょうね。南の島のよさかな。

  • 簡単でわかりやすい文書と素朴なイラストで、とても読みやすい本です。読んでいる最中から、ナウルに行ってみたくなりました。
    実際にナウルを訪れた人達の座談会も面白いです。

  • 本当に実在して、かつて日本の統治下にもあったという、アホな国のお話でした。

    (2014/8/10)

  • 世界で3番目に小さいナウル共和国の話。

  • マジ?って思える話。字数を少なくイラストを入れて、読み易くしてあり楽しめた。国の名前をすぐに忘れちゃうから、ここに記す。ナウル共和国

  • 面白い本でした。

    ナウル行ってみたい…。

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著者プロフィール

1969年愛知県生まれ。名古屋大学工学部中退。ライター。電子雑誌トルタル編集長。1995年ライターとして活動開始。「大相撲」から「噂の真相」「大人の科学」までジャンル不問の30以上の雑誌、100冊前後の書籍・新書・電書・ムックに原稿を執筆。その他ウェブ、広告、チラシ、パンフ、占いアプリ、博物館の説明文など、文字あるあらゆる場所に出没している。著書は『アホウドリの糞でできた国』(アスペクト文庫)など。
◆独立作家同盟講演録:『文章生活20年。現役ライターが初めて教える文章のコツ講座』

「2016年 『ライター志望者が知っておくべきおカネのはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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