神様のパズル

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758410038

感想・レビュー・書評

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  • いまひとつ理由は分からないが、この本を読んでいると宇宙を作れそうな気がしてくる。物理や数学をもう一度勉強しなおしたくもなる。できの良いSFです。

  • 馴染みの薄い物理学研究室が舞台の小説でしたが、宇宙論の理解度は別にして、刺激の多い本でした。普段当たり前のように受け入れている事象の意味、そこに至るまでの理屈など想像が膨らみました。

  • 物理は高校止まりです,正直なに言ってるかいまいちわかりませんでした.
    天才少女が宇宙創造のシミュレーションをするわけですが,もはやファンタジー並にぶっ飛んだ事をやってる気がします.宇宙は作れるのかどうか,ドキドキしながら最後まで読みました.

  • 物理モノですが、そこまで難解ではありません。しかし、かといって軽く読める感じかといえばそれも違うので、どうにも中途半端です。
    壮大なテーマには惹きつけられるものはあるので、残念。文系の人がちょっと物理をかじってみたい、というのには良いと思いますが、純粋にストーリーを楽しみたいならオススメは出来ない。

  • ≪内容覚書≫
    人工授精で生まれた天才少女穂瑞沙羅華。
    高校をスキップし、大学に進学したものの滅多に顔を出さない彼女を
    ゼミに参加させて欲しいと、お願いされてしまった綿貫基一。

    綿貫が記した日記形式で物語は進む。

    果たして、宇宙は人間に作れるのか?


    ≪感想≫
    物理に関わる部分は理解しきれず、少々挫折。
    とりあえず、細かいところは飛ばしても問題なし。
    むしろ、小説の流れを楽しむという点から見ればいらない。
    宇宙作成に興味がある人は、じっくり読んだら、
    参考になるんじゃないだろうか。
    多少、読む人を選ぶ、本かな、と思う。

    小説としては、どうなるんだろう、どうするんだろう、と、
    最後までワクワクしながら読めた。
    ただ、結末が、ちょっと物足りなかった。
    ハッピーエンドと言えば、ハッピーエンドだけれど、
    現実はそんなに甘くないんじゃない?と思わざるを得なかった。

    また、作品全体の雰囲気づくりのためか、
    登場人物の描かれ方が、好意的ではなかったように思う。
    そのせいか、登場人物への共感がしにくかった。

    理系が好きな人が書いた小説だなー、と思いつつ読んだ。
    文系女子が求めるものではないのかも。

  •  機本伸司氏のデビュー作である。
     第3回小松左京賞受賞作らしく、スケールがでかくて冒険心あふれる作品である。

     本書は大学のゼミで「宇宙を作る」というとんでもない課題に取り組むことになった、落ちこぼれ男子学生・綿貫と天才女子学生・穂瑞のコンビが巻き起こす騒動を描く青春SF。

    「宇宙は“無”から生まれた」と、彼は言った。「すると人間にも作れるんですか? 無ならそこら中にある―」

     そんな一文から始まる物語。
     宇宙を作る話、というとすぐにエドモンド・ハミルトンの古典的名作『フェッセンデンの宇宙』を思い出すが、こちらは現代物理学の知識が盛り込まれた今どきの宇宙の作り方。主人公の綿貫と穂瑞が(主に穂瑞なんだけど)次々と提示するその手法は、読んでいてうーんすごいなと感心してしまう。 作者の機本伸司氏は理学部出身の理系作家なので、実はカラフルでキレイな表紙からは想像できないほど本格的なSFなのだ。
     果たして主人公の凸凹コンビは本当に宇宙を作り上げる事ができるのか。その過程が物語の縦軸として科学の知識ふんだんに語られる。

     そして横軸として語られるのが登場人物たちの賑やかな学生生活だ。ゼミの仲間たちとの交流や衝突、研究現場の人々の様々な生身の思い。
     主人公の一人・綿貫は自分のダメさ加減に劣等感を持っているのだが、憧れの女性がいるという理由でゼミを選択してしまうなど実に人間味あふれている。
     大学生活が瑞々しく描写されており、理系の学生だった人はきっと感情移入してしまうのではないだろうか。
     また田んぼの老婆のエピソードなど、科学とは対照的なところにある人間の生活もしっかり描かれており、そうやって人間描写がいきいきとなされているので、専門用語飛び交う科学的な部分も堅くならず読む事が出来る。

     宇宙を作ることは神様を語ること。神様を語ることは人間を語ること。人間ってなんて儚くて愛おしいのだろう。読後にそんな気分になった。「科学」と「人間」を描き「神」の領分にまで踏み込んだ、青春小説でありSF小説だと思うのである。面白いです。

     あと実はこの小説、全体がある誰でも知っている有名な小説のパロディになっている(わかる人は登場人物の名前を見ただけですぐに判ると思う)。それを考えながら読むとまた違った楽しみ方ができる。

  • 留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった。天才さゆえに大学側も持て余し気味という穂瑞。だが、究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、なんと彼女は、ゼミに現れたのだ。僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが……。

    第三回小松左京賞受賞作

  • “宇宙は人間に作れるか”
    落ちこぼれ大学生と天才少女が、たった二人で人類史上最大の疑問に挑む。

    こう一言で言い表せない、何とも不思議なSFストーリー。

    綿貫基一は卒業単位に悩む大学生。不純な動機で“素粒子物理研究”のゼミを選択し、ある事情から16歳で飛び入学の穂瑞沙羅華と出会う。
    穂瑞は国レベルで進めている研究プロジェクト、ハイブリッド核融合炉“むげん”の基礎理論を若干9歳にして発案した素粒子物理の天才児。
    綿貫は卒業を賭け、穂瑞は知的好奇心から宇宙創造の疑問究明に動き出すのだが・・・。

    主人公である綿貫の日記という形式。
    疑問究明に動き出すと書いたものの、基本的にメイン二人による室内の会話劇で動きはあまりない。
    相対性理論、量子力学、クォーク、レプトン、TOE、IKBH、、、
    全体的に物理学専門用語の激しい応酬。挫けそうになる。
    しかも、どこか冷め、刺々しく接する天才少女の穂瑞から繰り出される用語に、圧倒的知識の差があるはずのへタレ青年、綿貫が大筋理解を示しているから面倒くさい。なんだかんだ物理専攻の学生なのだ。
    全く知識のない人に対する用語の説明は皆無に等しい。

    それでもエネルギーとは何か、場とは、質量とは、といった初歩的概念がそもそもの問題であるらしく、それなりに読んでいける。
    緩やかな勉強会が中盤まで続き、クライマックスには世界を巻き込み兼ねない大事件へと突入していく。

    目的なく生きてきた青年と、孤独な天才少女。
    全く異なる人生を歩んで来た二人に芽生えていく友情とも違う何か。
    物理というフィルターを通したこの物語は、論議というアクションシーンを経て巨大な“魔王”立ち向かっていくSFでもあり、見方によれば恋愛ものでもあり、架空の宇宙論でもある。

    膨大な情報量だったためか、全てが収束していくラストは少し寂しく感じるが、決して戻ってこない季節を過ごした二人の青春ファンタジーとも取れる傑作。
    農業に目覚める人もいるかもしれない。

    とにかく満載。

    機本伸司 その他の著書
    ・僕たちの終末
    ・スペースプローブ
    ・メシアの処方箋

    などなど

  • 図書館で何気に目があったので借りた本。物理は全然理解できません。でも、SFは好きです。

  • 読むのが辛くて223頁にして放棄。

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