- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758410038
感想・レビュー・書評
-
いまひとつ理由は分からないが、この本を読んでいると宇宙を作れそうな気がしてくる。物理や数学をもう一度勉強しなおしたくもなる。できの良いSFです。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
馴染みの薄い物理学研究室が舞台の小説でしたが、宇宙論の理解度は別にして、刺激の多い本でした。普段当たり前のように受け入れている事象の意味、そこに至るまでの理屈など想像が膨らみました。
-
物理モノですが、そこまで難解ではありません。しかし、かといって軽く読める感じかといえばそれも違うので、どうにも中途半端です。
壮大なテーマには惹きつけられるものはあるので、残念。文系の人がちょっと物理をかじってみたい、というのには良いと思いますが、純粋にストーリーを楽しみたいならオススメは出来ない。 -
機本伸司氏のデビュー作である。
第3回小松左京賞受賞作らしく、スケールがでかくて冒険心あふれる作品である。
本書は大学のゼミで「宇宙を作る」というとんでもない課題に取り組むことになった、落ちこぼれ男子学生・綿貫と天才女子学生・穂瑞のコンビが巻き起こす騒動を描く青春SF。
「宇宙は“無”から生まれた」と、彼は言った。「すると人間にも作れるんですか? 無ならそこら中にある―」
そんな一文から始まる物語。
宇宙を作る話、というとすぐにエドモンド・ハミルトンの古典的名作『フェッセンデンの宇宙』を思い出すが、こちらは現代物理学の知識が盛り込まれた今どきの宇宙の作り方。主人公の綿貫と穂瑞が(主に穂瑞なんだけど)次々と提示するその手法は、読んでいてうーんすごいなと感心してしまう。 作者の機本伸司氏は理学部出身の理系作家なので、実はカラフルでキレイな表紙からは想像できないほど本格的なSFなのだ。
果たして主人公の凸凹コンビは本当に宇宙を作り上げる事ができるのか。その過程が物語の縦軸として科学の知識ふんだんに語られる。
そして横軸として語られるのが登場人物たちの賑やかな学生生活だ。ゼミの仲間たちとの交流や衝突、研究現場の人々の様々な生身の思い。
主人公の一人・綿貫は自分のダメさ加減に劣等感を持っているのだが、憧れの女性がいるという理由でゼミを選択してしまうなど実に人間味あふれている。
大学生活が瑞々しく描写されており、理系の学生だった人はきっと感情移入してしまうのではないだろうか。
また田んぼの老婆のエピソードなど、科学とは対照的なところにある人間の生活もしっかり描かれており、そうやって人間描写がいきいきとなされているので、専門用語飛び交う科学的な部分も堅くならず読む事が出来る。
宇宙を作ることは神様を語ること。神様を語ることは人間を語ること。人間ってなんて儚くて愛おしいのだろう。読後にそんな気分になった。「科学」と「人間」を描き「神」の領分にまで踏み込んだ、青春小説でありSF小説だと思うのである。面白いです。
あと実はこの小説、全体がある誰でも知っている有名な小説のパロディになっている(わかる人は登場人物の名前を見ただけですぐに判ると思う)。それを考えながら読むとまた違った楽しみ方ができる。 -
留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった。天才さゆえに大学側も持て余し気味という穂瑞。だが、究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、なんと彼女は、ゼミに現れたのだ。僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが……。
第三回小松左京賞受賞作 -
図書館で何気に目があったので借りた本。物理は全然理解できません。でも、SFは好きです。
-
読むのが辛くて223頁にして放棄。