おたがいさま れんげ荘物語

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 753
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758413701

感想・レビュー・書評

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  • 「れんげ荘」シリーズ、第5弾
    ササガワ キョウコは、有名広告代理店での仕事に疑問を感じ、貯金を崩して月10万で生活する「持たない」無職生活に入った。
    年金を受け取るまでには、ちょっと間がある。

    キョウコの母は、娘を思い通りに支配しようとする母親だった。
    長じて、自分の思い通りにならなくなった娘を疎ましく思い、大企業を辞めて無職になったことで激怒、断絶状態となった。

    その母が亡くなった事で、頭の上の蓋が取れたように感じるキョウコ。
    いがみあうことも無くなってお互いのために良かったのではないか。

    世代が違えば価値観も違う。
    キョウコの周りには、驚くような生き方をする若い人たちがいて、自分の経験に照らして、ついアドバイスという名の口出しをしたくなるが、母と自分の関係を考えるにつけても、「若い人の生き方に口を出してはいけない。ああした方がいい、こうした方がいい、と考えることからしてお節介」と、自分を戒める。

    昔の自分たちの「常識」は今の時代には通じない。
    そもそも、常識の「常」とか、「普通」とは、簡単に定義ができないほど世の中は多様化してきた。

    若い人たちの、キョウコから見たら危うい生き方が、この先も続けて行けるのか失敗に終わるのか、先のことは分からない。
    ただ、周りからどのように経験談を聞かされたり諭されたりしようとも、自分で経験してみる、或いは失敗してみない限り、人は「分かる」ことはできないのだ。

    キョウコは、今の(たおれ荘な)れんげ荘の暮らしが快適だと思う。
    住人たちとの付かず離れずの距離感は心地良いし、クマガイさんは、なんとも頼れるお姉様。
    しかし、ここに住めなくなったら・・・
    例えば、れんげ荘が倒れるとか、キョウコが倒れるとか。
    キョウコを心配して同居しませんかと親切に何度も勧めてくる兄嫁に、遠回しに断りながらも、散々勝手していても、結局は世話になるのではないか、それは虫が良すぎるのではないか・・・
    迷うキョウコであった。

    あれ?「おたがいさま」は、何を指しているのだろうか?
    何かあった時は遠慮なく頼りあいましょう・・・ってこと?

    とりあえず、猫のぶっちゃんと会うことだけで幸せになれるキョウコであった。
    そんな暮らし。

  • ずっと好きなシリーズで読み続けていたけれど、さすがにあまり変わり映えのない話に飽きてきてしまった。第一弾から年数もたち、自分も変化していく中で、何か共感できたり、親近感を感じられたり、心惹かれる要素が少なくなってしまったのかな。のんびりした生活の中にもあった、主人公の活き活きとした感じが今回は伝わってこなかった。群ようこさんのほのぼのした小説は大好きだが、今回は3分の2程で読み進めるのがしんどくなってしまい、このシリーズは離脱。

  • 2021 5/22

  • れんげ荘シリーズの最新刊。
    主人公のキョウコに憧れて読み続けてるんだけど、
    今回も相変わらず丁寧な暮らしが描かれてて、安心して読了。

  • ほのぼのとした気持ちになる

  • 同じ世代なんだから身近な内容になっちゃうのは、いたしたかなし。迫ってくるなあ.....金銭の心配なしというのは相違点w

  • れんげ荘物語、シリーズ第5段ともなるとマンネリ化が免れないかな。主人公の生き方のスタンスは理解できるけれど本人が変化を求めていないため背景に変化はあっても基本的には同じことを繰り返し強調していたような。
    このまま続いていくのだろうけど読むのが少々辛くなってきつつある。

  • 2021.03.31

  • ずっとこのシリーズを読んでいるので、その続きが読めるだけで嬉しいなぁ、と。登場人物達の日常の変化があったり、主人公の母親が死去したり、と。多少の変化がある。変わらないようで変わりゆく物語のゆるやかな感じが妙に心地よい。のんびりと次回作を待ちたいと思います。

  • シリーズ第5弾。
    清貧で、ほどよく気にかけてくれる人も頼ってくれる人もいて、大好きな猫も飼う責任はなく時々触れあえて、よろず関わりたくない事柄は避けられる。
    筆者の理想像なんだろうし確かに憧れはある。
    普通なら人生でも大きな出来事を、なんてことないことのように描いていて
    これも理想なのかなーとちとモヤモヤ。
    [図書館·初読·2月23日読了]

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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