おたがいさま れんげ荘物語

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758413701

感想・レビュー・書評

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  • れんげ荘物語第5弾。冒頭いきなり不仲だった認知症の母が亡くなった。施設に入っていたのだが倒れて亡くなった。う〜ん、そこから始まったかと思いつつ、最後まで読んでしまった。れんげ荘の人々の日常が面白い。次が待ち遠しい。

  • 前作「散歩する猫」から久しぶりの新刊。
    れんげ荘シリーズ。

    次の本が出るまでまた間があくだろうから、自分の備忘録として今作の内容を書いておこう。

    冒頭、キョウコの母が亡くなる。
    それはもうあっさりと。キョウコがれんげ荘で暮らすことになった一番の原因だった母が。
    それから、兄夫婦から同居を持ちかけられる。母の遺産から、いくらかの預金を相続する。
    キョウコ、今作ではだいぶ穏やかな気持ちになったように思う。
    猫のぶっちゃん(本名アンディ)に会えて幸せになったり、少女のように明るくなっているような…。

    チユキさんは事実婚をした。
    相手は、山で自給自足生活をしながらひたすら仏像を掘り続ける無職男性。
    山とれんげ荘を行き来する生活をするチユキさん。
    この男性、いつかキョウコと会うことあるのかなー?文字にすると強烈すぎる!笑。
    でも、チユキさんが選んだ人なら素敵な人なんだろうなと思ってしまう。
    チユキさん、好きです。

    コナツさんはれんげ荘を出てからも、キョウコとの交流は薄く続いている。
    恋人の息子を育てながら、一緒に暮らしてスーパーで働いている。

    それにしても今作は、キョウコの元勤務先ディスが激しくなってきてる気がするんだけど…。
    キョウコの元勤務先は、誰もが知ってる有名企業で高給取りだったはず。
    でも、キョウコが今作で仕事を振り返ると、「自分の仕事内容は、おじさん達に若い女の子を斡旋する仕事だった」、と…。
    そういう接待も時にはあったのかもしれないけど、そればかりではないだろう。。嫌だったこと、悪いことばかり覚えててしまうというのは、キョウコにとって元勤務先は良い思い出のない場所なんだろうなぁ。
    仕事やめたあとも、嫌だったことをじわじわと思い出す気持ち、分かるよ。

    過去、消費社会の最先端を行ってたキョウコ。
    そんな自分の過去を恥ずかしく思う気持ち、分かるなぁ。
    過去の自分と現在の自分が大きく違っていると、ふと我に返って、自分の過去を恥ずかしく、自己嫌悪に思うんだよね。
    私もそういうこと、よくあります。

    今作では比較的出番の少なかったクマガイさんですが、私はクマガイさんをますます好きになりました。
    キョウコがクマガイさんに、将来が不安にならないか?と尋ねた時、
    クマガイさんがキョウコに「将来なんて考えたことがない。余計なことを考えるから不安になる。毎日を生き続けるだけ。」と言って笑ったシーンが、すごく良かったの。
    クマガイさんが言うから、単なる無責任には聞こえないんだよねぇ。
    キョウコは勇気づけられただろうな。私も、勇気づけられました。
    ありがとうクマガイさん。

  • 大好きなシリーズなので、必ず読むけど、良くも悪くも、あっさり読めちゃいました。
    この淡々さがこの作品の良さとも言うかな。

  • バリバリのキャリアウーマンが、仕事を辞めて毎月10万円で生活するシリーズの5作目。
    大きな事件の起こらない、日常生活の中のちょっとした出来事を綴った、穏やかなストーリー。

    今回は、いわゆる「独親」だった母親が亡くなったり、れんげ荘の若い住人(元住人を含む)の人生に変化があったり。
    ご近所さんと、干渉はせず適度な距離を保ちつつも、思いやり、助け合う関係が、羨ましい。
    そして、干渉とまではいかないけど、あれこれと心配してくれる親族がいることも羨ましい。

    キョウコさん自身、一人で気楽にやりたい気持ちや、心配してくれる人たちに対する気遣いや、将来への不安に、まだまだ心が揺れている。キョウコさんより少し年下の私は、キョウコさんの日常を覗きながら、数年後の自分の生活に照らし合わせて、いろいろ考えながら読んでいます。

  •  群ようこ「おたがいさま れんげ荘物語」、2021.1発行。れんげ荘に住むササガワキョウコを中心にした物語。同じ荘に住んでるコナツさん、クマガイさん、チユキさん、そして実家に住んでる義姉さんが登場。キョウコは時々飼い主さんのカートに乗って散歩してる、ぶっちゃんと名付けた猫が大好き。れんげ荘に住む人々の人間模様を描いていくシリーズもの。義姉さんがとてもいい人です。

  • 『れんげ荘』シリーズ第5弾。
    大きな事件が起こることなく凪いだ生活を続けるキョウコ。が、ここへ来て母親が倒れたと連絡が…。大きな波が起こるかとドキドキしたけど、特にそんなこともなくキョウコは変わらず淡々としていた(笑)。
    程よい距離感のご近所さんと、ぶっちゃんとの逢瀬に満たされているキョウコのこのお話は、最終的にどのような形で終わるのだろうか?
    そろそろその辺りが気になってきた。

  • れんげ荘シリーズ、第一5弾。

    大手企業を辞めて持たない生活に入ったキョウコさんの、レンゲ荘での日々はあいも変わらず淡々と。

    同じ店子のクマガイさんに、チユキさん。前回アパートを出たコナツさん。みな、色々それぞれ日々を送りつつ新たな事に向き合っているのに…キョウコさんは本当に何も変わらずです。

    確執のあった母との別れだけが変化だけれど。。。


    事件が起こるわけでもない物語なのですが、やっぱり読んでしまいます。

    今作で印象に残ったのは、クマガイさんの辞めたいとか離婚したいとか相談に来た人がそうした事はない、と言うくだりです。
    おっしゃる通り、大半の人はイヤだと思っていても切り離せないのです。

  • 2021年53冊目。
    キョウコの母親が亡くなり同居しないかと言ってくれる兄夫婦。甥っ子のケイもキョウコの先の事を「心配ないから」と言ってくれる。なんて優しい家族なんだろう。
    れんげ荘での暮らしでも温かい人達に恵まれてキョウコは幸せだなぁ。
    ラストのぶっちゃんとのやり取りはもうニヤニヤが止まらなかった!次回作、どんな風になるんだろう。楽しみだ!

  • 何かが起きるわけでもなく
    ひたすらつらつらと書かれた文章。
    それなのに一気読みしてしまう。
    このシリーズ、だんだん行く先不安な展開になってきたが、
    どう結末を迎えるのか?同世代は気になってしょうがない。

  • こんなアパート、壊さないでいつまでもあればいいのに。程よい距離感が心地よい。

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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