- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758446037
作品紹介・あらすじ
邑楽風子は、ジーンズしか穿かない。彼女は親を知らず、天涯孤独の身。東京は谷中銀座の路地裏で、先祖を専門に調査する探偵事務所を開いている。「曽祖父を探して」「先祖の祟りかもしれないので調べてください」……とさまざまな調査依頼が舞い込む──。宮崎、沖縄、岩手などで美味しい料理を楽しみながら、マイペースで仕事をする孤高のニューヒロイン。単行本時、続々重版した新たなハードボイルド小説の傑作。(巻末特別対談 辻堂ゆめ×新川帆立)
感想・レビュー・書評
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『元彼の遺言状』『競争の番人』に続き、またまたドラマ化されそうな本です。
ファミリーヒストリー、旅、食レポ、怪談、謎解き…。AIがテーマ設定したのかしら?と、思わせるほど、万人受けしそうなエンタメ作品でした。
意地の悪い言い方をしてしまいましたが、面白い作品でした‼️詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
先祖を探す、つまり家系をさかのぼる探偵のお話。戸籍を取得したり、郷土資料に当たったり、ともすれば地味なお話になりがちなテーマだと思いますが、主人公自身の親探しを軸に、依頼人毎の様々な事情も絡めながら作品を彩ってますね。
情に流されず、それでいてクールすぎない。いい塩梅の主人公だと思います。 -
家系を探ってくれる生涯孤独の女性探偵の話。
あらためて実家があること、両親がいること、妻、娘、仲良く生活できていることに有難く感じた。家族がいる当たり前のことが嬉しい。 -
戸籍などにより依頼者のルーツを探る探偵✖️地方グルメという組み合わせで、新川帆立の新機軸を打ち出した作品。デビュー作以降、リーガル要素(本件では戸籍)が弱まるに連れて、風景描写や心情描写での描写が充実してきている。このリーガル描写と背景描写の反比例の関係は、元々理系だった作者の作家としての力量が増していることを表している気がする。次回作にも期待している。
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先祖を調査する探偵事務所を開く邑楽風子を主人公に据えたオムニバス。
キャッチーなタイトルだが、内情は各地に向かい、戸籍を調べ、聞き込みをし…と地道な調査作業。
自分のルーツを辿るというストーリーの中に旅要素や社会問題も織り込まれていて、興味深い物語だった。
調べてみたら、実際に祖先を辿る調査事務所があるんですね。 -
先祖探しをするという探偵という設定から、図らずも自身のルーツ探しに行く。戸籍法の知識を駆使しながら、戦中戦後の戸籍の空白を通して棄民問題にも触れる。一気に読めた。
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既読の新川作品と少し趣が違うが、とても好きな物語だった。