だまし絵のトリック―不可能立体を可能にする (DOJIN選書34)
- 化学同人 (2010年9月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784759813340
感想・レビュー・書評
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めちゃくちゃ引き込まれます。
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だまし絵のトリック―不可能立体を可能にする (DOJIN選書34)
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「なんでも吸引四方向すべり台」などを作成した氏の本。
著者が作成した不可能立体の解説である。
だまし絵全般について描かれているわけではないので注意。(老婆にみえたり美女に見えたりする絵 とかは範囲外) -
様々なパターンの立体トリックが解説されている。また最後の方にはその図形の作り方まで掲載されなかなかおもしろかった。
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だまし絵だと思ってた図形が作れちゃう!というのにはちょっと感動。
展開図までついて、親切です。 -
アンチ理系にも分かり易い。本という二次元の平面でありながら、三次元の立体を分からせようとする解説が続く中、イラストも多用して、可能な立体、不可能な立体をふるい分けていく。知恵の輪のように、解けた時は大きくうなずくことしきり。頭の体操になる。
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なんでも吸引四方向すべり台
http://www.youtube.com/watch?v=hAXm0dIuyug
上の動画を作った人の本。
数学的というか、コンピュータ的な視点で錯視画像・錯視立体を解説する本。だいぶ目が滑ったけどそれでも面白い。
上記の動画からリンクをたどっていったほうが、多分面白い。 -
資料番号:011174356
請求記号:414.6/ス -
錯覚が起こっているのがわかっていても、見るととても不思議な気分になる。錯覚がまったくなくなると、それはそれで大変だけど、おかしいと思いつつ楽しめるのもまたいい。
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不可能立体を可能にする~ペンローズ三角形が発表されて,研究テーマに設定し,どれが不可能で,可能性があるものはどれかを直感でなく,コンピュータで解析するプログラムを書いた~数式は使わず,コンピュータも使わず,判断し,展開図を描き,オリジナルを作る方法を書いているのだろうが,東大で教授をつとめ,明治で数理工学を教えている先生には難しく書く方が簡単なんだろうと思う。Best Illusion of the year Contest 2010 で一位を獲得したのが凄く嬉しかったらしい
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Youtubeで見た"なんでも吸引四方向すべり台"の作者の本で、だまし絵を立体に構成する過程を詳細に解説。すべり台の図面も付録に付いていて、実際に製作する事も可能。素晴らしい!個人的には"錯覚コンテスト参戦記"に心を打たれた。初めてのコンテストに参加した作者の心境が生き生きと描かれており、そう言えば、自分も同じ様な心境だったなぁ、と共感することしきり。肝心のコンテストの結果は、読んでのお楽しみ。
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充分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」はClarkeの第三法則として知られるが、充分に解説された科学技術は、魔法(wonder)よりワンダフルなのである。
本書「だまし絵のトリック」は、世界一のだまし絵師によるだまし絵の理論と実践。
目次 だまし絵のトリック - 株式会社 化学同人より
まえがき
第1章 “だまし絵”の不思議
一 だまし絵を観察してみよう
二 だまし絵の疑問
第2章 あり得る絵とあり得ない絵
一 ペンローズ三角形の不可能性
二 作れない証拠の基本パターン
第3章 絵を解釈するための頂点辞書
一 まず議論のための土俵固めから
二 ラベルづけによる絵の解釈
第4章 だまし絵の描き方
一 立体感をもたせるために
二 正しい部品をでたらめに組合せる
三 だまし絵の美しさ
第5章 立体認識の原理
一 両眼立体視
二 運動立体視
三 単眼立体視
第6章 投影の幾何学と遠近法
一 投影法の種類
二 遠近法の性質
三 奥行きの不確定性
第7章 正しい絵の見分け方
一 描かれた立体の再構成
二 コンピュータの振舞い
第8章 だまし絵の立体化と新しい立体錯視
一 不連続のトリック
二 曲面のトリック
三 非直角のトリック
第9章 不可能モーションの錯視
一 基本的アイデア
二 不可能モーションのバリエーション
第10章 人の視覚と非直角のトリック
一 直角の思い込み
二 直角の思い込みにはわけがある
三 錯覚は足りない情報を補うことに失敗したとき生じる
錯覚コンテスト参戦記――あとがきにかえて
二次元上に描かれた不可能な立体図が可能に見え、三次元上に作られた可能な立体が不可能に見える。なんとも不思議な現象であるが、それを解明していくと、人はどうやって立体を認識しているかに行き着く。そしてその過程で、こうした不可能な立体の作り方も分かってくる。
早い話、本書は種明かしの本である。この本に従えば、あなたも私も不可能立体をいくらでも作ることができるようになる、ということである。
写真から立体を再現するプログラムまで作れるようになるということである。
しかしあなたも私も、そして本書に従って書かれたプログラムも、やはりだまし絵には騙される。これはある意味しかたがない。どちらも本当の立体を見ているわけではなく、二次元という一次元低い情報から三次元を再現しようとしているのだから。そう。我々には二次元しか見えない。本当に三次元が見えるのであれば、五臓六腑まで見えていなければならないのだが幸か不幸かそれはない。
そういったことが、すべて頭でわかっても、いやむしろわかればなおのこと、その凄さがより強く感じられる。それが学問というものなのだろうか…
眼福にして脳福な一作。ぜひご一読を。