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- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784761100858
感想・レビュー・書評
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高橋箒庵の生涯を中心に起き、その他にも益田鈍翁、原三渓といった近代数奇者の茶の湯がいかなるものであったかを概観する。
明治維新後の茶の湯がどのような経緯を辿って今の茶道文化に至ったか、金沢や護国寺と茶の湯の関係など、いろいろ改めて学ぶところ大であった。結びに紹介したおらが茶の湯の趣味至上主義、茶は茶の趣味を楽しめばその他これより生ずる副産物を勘定に入れる必要はない、はなるほど同意。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高橋箒庵という茶人の名前はよく知らなかったけれど、『大正名器鑑』の著者と知って、おお、と思った。
その高橋箒庵を主役に、明治、大正、昭和の時代を彩った個性的な近代茶人たちを紹介した一冊だ。
現代では美術館に収蔵されているような茶器、茶碗の数々が一時は価格も暴落していたこと、その価格が近代茶人たちの登場により一気に高騰したこと、などをはじめて知り、驚いた。
そして茶器や茶室に熱意を注ぐ茶人たちのいっそ滑稽とも言えるエピソードに、呆れるような、ほとほと感心するような気持ちになる。
なんというか、おおらかな時代だったんだなあ。
紹介される高橋箒庵自身が「ものの値段を明確に書き記すこと」を良しとした人だからか、本作でも「レコード破りの高値がついた」など茶道具の値段の高下について言及していたり、やや俗っぽい内容でもあるけれど、その俗っぽさが近代茶人らしさでもあるのかな、と思う。
茶の湯に狂奔した短い時代の雰囲気が伝わってくる内容だった。
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