東大の先生! 超わかりやすくビジネスに効くアートを教えてください!
- かんき出版 (2020年4月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784761274894
作品紹介・あらすじ
【警告! 常識人は決して読まないでください!】
常識を壊すから、アタマに効く!
「刺激と裏切りの本」ついに発刊。
「最近、行き詰まっていて……」
「いつものやり方だとうまくいかない……」
そんな人にはアートが特効薬になります。
AIの到来で社会に大きな変化があり、
さらに今年に入ってからはオリンピックの中止や世界的なウイルスの蔓延など
「答えの見えない難題」が次々に出てくる現代。
いままでのやり方で正解を積み重ね、
効率アップを目指してきただけの凝り固まったアタマでは、
必要な答えを導き出せません。
いま必要なのは、
これまでの常識を壊し、入れ替える「パラダイムシフト」の考えです。
アタマに刺激を与え、常識にくさびを打つ「アート思考」は
これからの時代、大いに役立つでしょう。
本書では、「そもそも、アートって何?」「アートって人生の役に立つの?」といった
「ふつうのビジネスパーソン」が抱く素朴な疑問を「アートの哲人」にぶつけ、
「アートの謎」を明らかにしていきます!!
感想・レビュー・書評
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アートとデザインの違いはとてもわかりやすかったです。
世の中の「実用本位」「能率本位」ということはとてもよくわかります。
自分は常に時間に追われながら、手段と目的の連鎖でゴールが見えない能率第一で生きている感じがしていますが、目的自体の「アート」に触れて「人生の本番」を経験することを意識していきたいです。
先生と聞き手の対話形式の中にイラストも多くわかりやすいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
正直現代アートって、あまり興味なくて、面白いとも感じられない人間です。もっと昔の絵画やら彫刻やら遺跡やら世界遺産の街並みやらが好き。ですが、パートナーは現代アート好き。それって何がいいの?と思っている中で、出会ったのがこの本。見方が変わると、視点が変わると、面白い。
現代アート自体を楽しいと思うかは別ですが、現代アートに対する考え方が面白い。 -
現代アートを説明する本ってそれぞれの作品や歴史を語るやつが多いけど、根本的なアートや現代アートとは何かが非常にわかりやすく書かれていてよかった。
・アートとは常識をブチ壊す工夫。美は関係ない。不快なものでもいい。アートは高尚であるべきとか社会的価値があるべきとかは嘘。有害なものでもアート多様性の受け皿であり、未来の価値観の芽になるかもしれないもの。大半はゴミだけど、未来に役に立つかもしれないから価値を出して
・アートや哲学は何の役に立つのか?まだよくわからないものに対して考えていくのがアートや哲学。そこから役に立つものが誕生すると、別名のジャンルが与えられ別れていく。哲学から数学・物理学・天文学が誕生して別れていったように、アートからもデザイン・建築・漫画のようなものが誕生していった。いまのアートにはまたよくわからないものしか残っていない。何か役立つものが出たらアートから卒業してく。
・ハイアート/ローアート
エンタメやPR要素が少ないものほどハイアート。世に求められていること・受ける要素を減らし、表現したいことを純粋に出せば出すほどハイ
・純粋芸術/総合芸術文字なら文字だけで、音なら音だけで表現するほうがより純粋芸術としてアートのヒエラルキーが高い。歌とピアノならピアノ。歌は歌詞も入ってくるから。ラノベは挿絵も入ってくるから。
・アートの価値は批評家が決める。純然たるロジックの世界。論理的に、美術史の歴史に対して何が新しいか、現代のどんな課題に対応しているか、など専門的な項目をたくさんクリアするほど評価が高くなっていく。何も知らない人が見て感動するか、ということは一切ない。知識がない人には一切分からない。その道の専門家たちの議論で決まる。批評的な価値の獲得・プロモーション・人脈がアートの価値を上げるために重要。
・アートもオスがモテるための本能。作るのは男が多いが観るのは女性が多い。
・感性というが、自分の体験によって感動にバイアスがかかる。若いうちはとくにかかりやすい。 -
字も余白も大きく、イラストもたくさん入っていてとっても読みやすい本です。
読んでよかったと思えるような、いい言葉もあります。
ポップな感じでアートを知りたい方、アートに触れたい方におすすめします。 -
自分には難しかったかな、アートは現実を打ち破るもの。
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アートをいらないものに値段がついてるものと思っている聞き手と
そこに下からごますりでアートを落として話する専門家の話。
初心者や一生アートに関わらない人はいいかもしれないが、アート好きや興味がある人からすると
ストレスでしかない。
聞き手の感想なんかどうでもいいのに
この本ではアートより聞き手がどう思うかにフォーカスされている -
ざっくりしていて分かり易かった。アートって思ったよりもハードル低く、自由に触れていいものなんだなあ。
今までは「アートに触れる自分」を演出したくて美術館の企画展に行くものの、どう楽しんだらいいのか分からなかったんだよね。 -
本当は同じシリーズの『高校の数学を〜』を買いに行ったんだが、こっちの方が気になって先に読み切ってしまった。来週、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展に行くしな。
アートとデザインの違い、アートの世界のパラダイム転換(『13歳からのアート思考』にも似たような話があった)も勉強になった。
しかし一番刺さったのは、何かゴールを求めて能率本位になるのではなく、「私はいまここにいる。私はこういう経験をしている」と意識を自分に向けてあげることが大事というメッセージ。これは禅や瞑想の姿勢に近い。スムーズにアウトプットを続けるだけの人生は果たして「生きた」と言えるのか…?
これが結果として、自分の知らない世界に趣味を向け、備えもった範囲から出て、新しい発想に繋がっていく…でも、これを目的としてしまうとまた能率本位に戻るという矛盾。。
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さらりと読める、アートの一側面。
◯アートは「常識をぶち壊す工夫」「違和感を内包するもの」「いまの時代ではまだ実用性が見えていない、それでも存在できるもの」
・現実から遠いか否か ※美しさは必須ではない
・思考の柔軟さ、視野の広さ、多面発現のきっかけ。
・アートはそれが目的、行き止まりであり、自分を見つめることになる。
◯視覚芸術、言語芸術、聴覚芸術
・触覚、嗅覚、味覚は解釈が入り込まず論理構造がはっきりしないため、アートにならない。
・現代アートは、心に響く理由をいかに「言語化して、説得できるか」「哲学が込められるか」
→批評家、投資家が「意味」を見出すか
→プロモーションスキルの一面も
・アートを育む「多様性への寛容の精神」
・アートを進化論で捉えると、生存の余裕の誇示、「子孫繁栄」という「これ以上ないくらい実用的」なところから始まった。 -
ライト。三浦さんの後書きが面白い。
現代アートに入るまでが、結構、新しい知見が得られた。
ざっくり説明できるって大事な能力だな。