- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766002225
作品紹介・あらすじ
『暮しの手帖』の大人気連載、待望の第2巻!
みらいめがねは、世界の見方を広げるツールです。
生きづらさを感じ、「私なんて」と思わされてはいませんか。
それは、今までに出会ったもののせいかもしれません。
ちょっと違う考えを覗いてみれば、きっと心もほぐれるはず。
今をときめく評論家・荻上チキの暮らしを巡るエッセイと、
大人気絵本作家・ヨシタケシンスケのイラストが、
あなたの視野をぐんと広げます。
感想・レビュー・書評
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エッセイの一文を副題にした「苦手科目は「人生」です」に、共感した人、多いのではないだろうか。
チキさんの繊細さ、正直さ、真面目さ、優しさに、こちらもいろいろと気づかされ、襟を正され、ホッとした。
「自虐」はしたくてたまらないときがあるが、そうすると、自分と一緒に傷つく他者がいるかもしれない、と最近思っていた。
優しい人、同じ傷を負っている人、私より恵まれてないと自分で感じている人が静かに傷つくような気がする。
「笑い」に関するエッセイは、思うことが多く、私では辿り着けなかった思考の先をみせてくれた感じです。
ひとは見えないものは見えないし、見ようとしないものはそこににあることすら知覚できない。じぶんひとりでは限界がある。
だから私は違うめがねをかけるために今日も本をせっせと読むのです。
本当は人と話したいんだけれど、会話、苦手なんですよね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
みらいめがねの第二弾。副題として、苦手科目は「人生」です、と。
ご本人がうつ病である事を正面から捉え付き合い方を告白。抑うvつ感と不安感の高まり。不眠の悪化とパニック症状の頻発。そこである医者に出会って、その主治医の傾聴態度が自分にとてもマッチしていて救われたと・・・と。
簡素だけど、こちらの「症状」だけではなく「つらさ」に対応しようとし、一緒に困ってみせた上で、改善策を提示してくれる。上から目線でなく、「困りごとの解決同盟」という感じがして、大変に居心地がが良いと・・・。
なぜこんなところが気になると言えば、この頃なぜかイライラしている自分に気付く、妻の何気ない一言についムッとしたりする。「なぜそんなことを言うのか」「幸せを提供できてないことを非難されてるのか」「抗議に感じる」、まだ自覚症状と感じているのは軽症だが・・要注意、この本の中「つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ療法をやってみた」伊藤絵美さんの本が推薦されているので、一度目を通してみようと・・・。
早速、図書館で探してみよう・・・でおます。 -
ハンマー釘問題、子供の頃はまさにそれだった。
著者と同様いじめっ子に飛びかかったことも。刃物は持ってないけど、負けようとも後先考えず。。
噂話も同感。
昔は好きだったけど暴力性を感じて会話に加わるのも嫌になり、人のいい噂もしくは自分の失敗談しか話せずほぼ聞く専になった。
あとがきのヨシタケさんの内容にも共感!
見えているものだけの世界で生きてたけど、新たなめがねをかけて視野を広げていきたいと思った。Twitterはその一例となりそう。
255冊目読了。
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重い話題からちょっとコミカルなお話まで、振れ幅が大きいのが面白い。いつも暮しの手帖で読んでいるのだが、まとめて読むとまた改めて、発見があったり、あの頃はこんなことが世の中を賑わしていたなぁわとかと思い出したりする。
ヨシタケシンスケさんの絵も、テーマは同じなのにチキさんとはこんなにも捉え方は違うのかと、一人一人の個性の輝きを見ることができて面白い。 -
荻上チキさんの文章エッセイと、ヨシタケシンスケさんのイラストエッセイ。
2人の視点の違いもたのしみつつ、章が終わるたびに「むむむっ」と考え込んでしまう1冊。
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「心の歯磨き」という章が、いまの自分・いまの世の中だからこそ本当に心に染み入った。
ヨシタケさんの2ページエッセイでは、傾聴だけで病を治したり地球侵略を止めさせたりする「1番強いヒーロー」が出てくる。
もし今後「強さとはなにか」を問われたら、わたしほきっと、傾聴だけで世界を平和に導いてくれるこのヒーローのことを思い出すだろう。
国を率いるには自分の考えをもち主張することも、もちろん必要なのだろう。
けれどそれと同時に、自分の主張だけでなく相手の話を傾聴できる人でなければ、世界の平和を保つことなどできないのだと思う。
自分の主張が通らないからといってすぐ暴力に走るのは、精神的に成長していない人ですと言っているようなものだ。
そんな人に権力を握らせてはいけないのだけれど、平穏持の少ない情報のなかで、それを見抜くこともまた難しく、頭を抱える。
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「心理的な安全が確保され、適切な相づちが提供される場所がある。そのことが、自分にとって大きかったのだと思っている。」(52ページ、荻上チキ)
うつを患われたことのある荻上さんは、自分に合う傾聴態度をもつ主治医に出会うことができたため、症状が改善していかれたという。
その肝となったのは、上に引用したように“心理的な安全の確保”と、その上でなされる“適切な相づち”の力が大きかったと述べられている。
これはうつに限らず、生きている上で不安を乗り越えるために必要な要素だと思う。
本音を安心してさらけ出せる時間と空間と相手がいる、そしてその相手が自分の話を「聴いてくれる」、そのことだけで、不安は激減していくのだ。
「そんな話を聴いてくれる人なんて、まわりにいないよ」という人はきっと、人に話を聴いてもらうことばかり求めていて、自分は相手の話を聴くことをしていないからではないだろうか。
友だちがいないのは、自分の話ばかりして、相手の話を聴いていないからなのかもしれない。
相手にしてもらうことばかりを考えていても、モノゴトは何も、改善していかない。
考えるならば、相手にしてもらう事ではなく、自分が何をしていくかなんだなと思いながら、本書を閉じたのであった。 -
初めのおばあちゃんの話が印象的だ。僕の父方の祖母はもう亡くなって10年ほどたった。母方の祖母はまだ生きている。92歳かな。父方の祖母は就職したてで、なかなか会いに行けず、最後に会った時はそのまま棺桶に入っていてもおかしくないような状態だった。その時にもうお別れをした気持ちだった。だから葬儀もそんなに悲しくなかった。泣けなかった。モヤモヤが残った。
母方の祖母がいつそうなるかわからない。今はとにかく元気だけど。ちゃんとお別れするために、なるべくたくさん会いたいと思う。 -
失礼ながら、荻上チキさんのことも、著書も知りませんでした。
『みらいめがね』となにやら「ドラえもんの道具的」な響きに惹かれて購入。しかも『2』から。
結果すごい良かった。共感できる部分が多く、ひとり電車のなかでブンブンうなづきながら読んでました。
とくに響いたのは『自虐の落とし穴』『「フレーミング」に気をつけろ』のところ。
自分ひとりの視点では見えない、あるいは見えづらかったもの、気づけなかったものを本を通して見せてくれる『めがね』でした。
読んでよかった。 -
買って(と言うか届いて)即読了。3時間くらい。早すぎかも。まあ、何回か読み直すし。
ちチキさん、似てるんだよなあ、自分と。ほとんどの読者の人に言われているような気もするけど。 -
チキさん優しいなぁ。
ラジオではわからない内面が少しだけわかったようで安心した。
とても参考になった。
番組が長く続きますように。