- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766002225
感想・レビュー・書評
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秀逸なエッセイとマンガのコラボ。
日常に埋もれる色んな差別っぽさや暴力性や怖いもの。どれもこれも無自覚に自然に社会に溶け込んでいて意識すらしないもの。でもそれらは本当にそれで良くて正しくはなかったりする。それがヨシタケさんが後書きで書いてる自分にとっての「見えにくい世界」。それにチキくんのエッセイがたくさん気づかせてくれ、自分にとっての「メガネで補正しないと見えない世界」に気づかせてくれた。同じテーマで違う角度のヨシタケさんのマンガも楽しい。
角度を変えてみると、メガネをかけてみると、自分の色眼鏡を取って見ないと、見えない世界ってたくさんあるよな。それに気づいていくことって大切。
何回も読もうと思えました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どのエッセイも考えさせられるものばかりで
とてもよかった。
あとがきのヨシタケシンスケさんの
「誰にでも見えにくい場所はある。」
「めがねで補正しないと正しく認知できないことがらがある。」
という言葉がこの本の内容を端的に表しているなと思いました。
自分はまだまだ知らないことばかりで、自分の発する言葉で誰かをもしかすると傷つけているかもしれない。
そういったことを少しでも減らすために学び続け、言葉を溜め、場に応じて言葉を吟味することができるようになりたい。 -
チキさんの、他者、特にマイノリティへの思いやりを感じる。
自分が理不尽に傷つけられて痛かったから、それに慣れるのではなく、復習するのでもなく、人と人が傷つけあわない社会に変革したいと思っている。カッコイイなと思う。 -
「暮しの手帖」連載の単行本化その2。
2018年末〜2021年初までの14編。まえがきは荻上チキ、あとがきはヨシタケシンスケ。 -
きっと最後は世の中を、どう解釈するなのかな。好きなものは手放してはいけない。時に自分を子どもに還してみる。いま、必要なのは。
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荻上チキさんの著作を読むと、理論的に話す(書く)にはやはり知識が必要だということを痛感します。言葉を知ると概念が明確になるということです。私もあの「やってTry」という番組の中のコーナーが20年前から大嫌いだった。そうだそうだと首肯しながら読みました。俯瞰して見ると日曜の昼にあれを見て面白がっている視聴者層が恐ろしい。○○ヘイトとか●●フォビアとか、言葉を知るとそれを見る目の焦点が明確になって、客観的になってくる。だから読書は大切だと思う。もちろん最初はヨシタケさんの絵が目当てで手に取った本です。
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第一弾を何となくスルーしていたから、本作発売を受けて、慌ててまずはそっちから読んだもの。で、その第一弾が素敵内容だったから、当然その流れで、本第二弾に手が伸びる訳で。ここでも二人の作者の相乗効果が起こっていて、相変わらずの高品質。お笑い論とか、かなり首肯される部分が多くて、かつては自分も無邪気に笑っていた立場として、身につまされることしきり。何なら、具体的な放送場面まで思い浮かぶくらい。今はめっきりというか、全くテレビを見なくなったけど、その一因は間違いなく、鑑賞時の居心地の悪さだと思う。単純に飽きただけとか、集中力が落ちたせいとか思ってたけど、なるほど、こういう理由が実はあったんだな。そういう気付きにも満ちた一冊。
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・道具の魔力
・心の歯磨き
が好きでした。
「ハンマーしか持っていないと、すべてのものが釘に見える」言葉もハンマーになりうる。お粗末なハンマーだったら。振りかざす側の心地よさしかないものだったら。力には責任が伴う。道具を上手に使える人でありたい。
心の歯磨きは著者のうつ病治療と、心のケア、物事の捉え方について。コーピングがなるほど、だった。
各短編の間にヨシタケシンスケさんのゆるイラスト漫画があって、癒される。 -
「この制約はなぜあるの?」「相手も落とす、自虐は禁止」「好きなもので心を守ろう」…。生きにくさをはじき飛ばす、荻上チキとヨシタケシンスケのエッセイ集。『暮しの手帖』連載を書籍化。
本当に生きにくい。