大空のサムライ かえらざる零戦隊 (光人社ノンフィクション文庫 1)
- 潮書房光人新社 (2003年5月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (661ページ)
- / ISBN・EAN: 9784769820017
感想・レビュー・書評
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2000年に没した元・日本海軍のパイロット坂井三郎が戦後記した手記。
南太平洋の最前線、ラバウル、さらにその前衛ラエ基地で生き抜く若者たちの姿。
私たち、“戦争を知らない”世代は必読の一冊!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
太平洋戦争時のゼロ戦のエースパイロットの自伝です。
歩兵や戦争時の平民の人たちとはまた違う戦争観、命の価値観が興味深いです。
あとそれ以上に空戦時のエピソードに胸が熱くなります。
こればっかりは一読の価値ありです。 -
同郷の海軍大尉の飛行艇が故郷の低空を旋回するのを農作業をしつつ仰ぎ、航空機搭乗員に憧れた少年は、日華事変、そして太平洋戦争へと突き進む時代の中で零式艦上戦闘機(零戦)と出会い、やがて撃墜王と呼ばれるようになった。
ガダルカナルや硫黄島上空でのグラマンF4FワイルドキャットやダグラスSBDドーントレスとの空中戦。
その最中、“敵”として銃口を突きつけている、その相手は正しく“人間”なのだと思い知る瞬間がある。
紺碧の海に、密林の深遠に、雲の彼方に、目の前で散ってゆく多くの戦友たち。
去っていったものたちと、今こうして生きている自分との運命の開きの大きさを、どう考えたらよいのだろう――?
「戦争とはいいながら、君を殺してすまなかった」
第二次世界大戦中に日本海軍戦闘機パイロットであり、九六式艦戦、零戦で出撃200余回・撃墜64機を記録した坂井三郎氏の自伝。昭和28年に出版協同社より刊行された坂井三郎空戦記録 (英題SAMURAI)に加筆修正を行い昭和47年7月12日に光人社より刊行されたもの。 -
エースパイロットの自伝。
不注意で撃墜寸前に追い詰められたりと非常にリアルです。
こういうのを見ると戦争って嫌だなあと思えます。
反戦教育においては生半可な反戦小説よりも効果的かもしれません。
様々な逸話が目白押しで面白いので、グイグイ引き込まれます。 -
2009.10.12
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数多くの撃墜を記録し、キャリアの中で一つの僚機も落とさず、度重なる死の淵から生還した戦闘機乗りの記録。
現代においては、競合他社と戦いこれに勝利し、仲間や部下を育て、複雑な迷路を前に進まなくてはいけない。
現代ではこれのいずれに失敗しても命を失う事はない。
ただ、坂井三郎はいずれに失敗しても命を失う状況にあった。
常に命を賭した状態で、信念を貫き生き抜き続けたサムライ。
そんな人物の記録に触れてみたい人はすぐにAmazonから注文するといい。
多くの場合、戦争はポジショントークやその意義について語られる。
だが戦勝国であれ、戦敗国であれ、そこにはそれぞれ個人の姿が在る。
ロマンチシズムに浸るわけでない、ただ一人の人間の実際的な記録からは、
多くの事を学ぶ機会を提供してくれるだろう。
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実にためになった。
感動した。
凡人の努力による身体性の拡張について、これほど精緻に書かれた本は知らない。 -
講談社からも文庫版が上下巻で出ています。私が軍隊物を読むようになったのは、氏の著作を読んでからです。もちろんお薦め。
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詳しい感想は<a href="http://zero.s79.xrea.com/zero/archives/2004/12/post_49.php">こちら</a>