adlibさんの感想
2022年1月23日
── L・デ・クレシェンツォ/G・ピアッザ&谷口 伊兵衛・訳 《ヘラクレイトス言行録 20111215 近代文藝社》 http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4773378034 Herakleitos BC-540‥‥ Greek BC-480‥‥ 60 / Creschenzo, Luciano De 1928‥‥ Italy / Piazza, Giovanni 1942‥‥ Italy / ── ルチャーノ・デクレシェンツォ/ジョバンニ・ピアッザ 《森羅万象が流転する パンタ・レイ ~ …… ギリシャ思想、孤高の哲学者ヘラクレイトスは事物の深奥に、絶 えず生成消滅を繰り返す火を見た。それは「森羅万象が流転する(パン タ・レイ)」ことであり「対立する物どうしの絶えざる葛藤と生成」の 運動そのものだ。本書は「ヘラクレイトス言行録」という副題のとおり、 一二九篇の断片と八二個の証言の言葉を用いることにより、ヘラクレイ トス本人が「考えているすべてのことを述べるような物語」である。 しかし、本書は伝記や歴史物語ではない。著者クレシェンツォはヘラ クレイトスを小説に組み込むことにより、彼にありうべからざる邂逅を 課す。「現代」に降りたったヘラクレイトスが驚き、共感、違和をもっ て世界を見るようすや、作中に多く採用された対話はどこかユーモラス でさえあり、読者は気負うことなくヘラクレイトスの言葉、思想の稀有 なすがたと対峙することができる。なかでも万物の根原理に数を見た ピュタゴラス、無限なる不可視の元素を根源に求めたアナクシマンドロス 等のギリシャ哲学者や著者自身等との対話は、おのおのの思想の差異を 浮き彫りにし、まさに火をおもわせるヘラクレイトスの人となり、言葉 の力が迫ってくる。(抜粋)20120211 図書新聞 ISBN:978-4-7733-7803-0 http://www.kindaibungeisha.com/topics.php?topicID=65 http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BF%B9%CD%E5%CB%FC%BE%DD 森羅万象 http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%D8%A5%E9%A5%AF%A5%EC (20220123)