ルーンの子供たち 冬の剣6 (Next novels)

  • 宙出版
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本棚登録 : 21
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776795872

作品紹介・あらすじ

シルバースカル大会で優勝を手にし、"月の島"へ戻ったボリスは、栄誉ある爵位を与えられる。周囲から注がれる期待と嫉妬に苦悩するボリス。-「今度はどこへ行けばいいのか」。そんな時、ボリスは、伝説の"いにしえの王国"と"月の島"を繋ぐ隠された真実を知ることとなり-。

感想・レビュー・書評

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  • 人が死ぬシーンはいつも心情含め生々しいなぁと思っていたけれど、裁判のシーンは特に生々しい。少年たちの罪のなすりつけ合いと、見物人が少年たちに対してなんとも思っていないのがリアル。
    呪いの言葉はなるほどな、と思った。

    ダフネンは本当に成長した。

  •  「目の前が曇った。耐えることのできない感情があふれ出てきて、大声で叫びたい気分になった。それでいながら誰もいないところに隠れて自分だけの感情にひたりたかった。」

     「冬の剣」クライマックス突入巻です。
     大陸へ渡って栄誉を手にし、島へ戻ってきたあとの短いひととき。
     島を安住の地と定めて、その風習に従おうとするボリスに対し、狭く閉ざされた島は一向にその努力を受け入れようとはせずに、とうとうボリスを撥ねつけてしまします。
     もとから、いつかは大陸に戻ることは多くの口から語られていたことだし、結末が分かってはいましたが、その最後のきっかけとなるリリオペとの一幕がわたしにとっては劇的でした。
     島で生きるために誰も幸せになれない結末を選ぶか、全てを捨てて自由に生きる道を選ぶか。
     それでも、こうして生きる道を選び取ることができることは幸いなこととも思えたり。形式的とは言え、自由を選び取る自由があることが、そこはかとなく希望を感じさせます。

     月の島での思い出も大切な人も、島の外へ持ち出すことはできない。手に入れかけたすべてを手放して、ボリスは再びウィンタラーを巡る孤独な旅に戻ることになります。

     最後にいくつもの嘘を重ねてボリスを送り出したナウプリオンが本当に不憫で泣きました。

  • 大きな流れの方は進まずオイジス暴行事件と蔵書館焼失事件が主。ここに来てヘクトルが良いキャラに育ってきましたね。かつてボリスを妬んで殺そうとした少年はもういない。シルバースカル大会で決闘できなかったことに対しても執着を見せず、心も穏やかにどこか悟ったようなその姿はボリスに先じて大人への成長を見せた気がします。ボリスは未だ考え方に狭量なところがあるので、早く彼に追いついて貰いたいものです。島に別れを告げて大陸へと戻って終わる今巻。残りあと1冊、このペースで本当に終わるのかどうかが心配になってきました。そしてボリスに幸福な結末が訪れる気配がまったく感じられない。

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