- Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
- / ISBN・EAN: 9784777710102
感想・レビュー・書評
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先に読んだ岩波文庫版よりも訳文が平易なのでわかりやすく感じます。
岩波文庫版を読んでいたからか、「なるほど、こういうことがいいたかったのか」と納得できるところも多かったように感じます。
カントの略歴も紹介されていますし、巻末の「解説」も中学生や高校生の読者でも十分に理解できるように気を配っているようにも思います。
ただ、巻頭にある、カントの言葉にあわせた写真グラビアの部分は個人的にはいらなかったかな、と思います。
この本の言葉を読み、それをどのように受け止めて何を考えるか、ということは読者自身の営みに任せるべきだと思いますし、そのことに対して「写真」という情報を提示することは読者の思考の方向性を決めつけることにつながってしまうようにも思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本はとことん読みやすい。
学生のときに『純粋理性批判』は挫折したが、ここまでわかりやすく書いてくれたらカントでも読めます。
そして内容はほんとすごくわかりやすい。そして確かにと納得させられる。
平和とは何ぞやと考えたときに一度は読むべき。
ただ、この本の解釈だとほんと戦争状態ですよね、日本って。 -
「二一〇年あまり前に書かれたとはとても思えない」(p107)とのことだが、平和に至る論理が時代ごとに変わってしまっていては、「永遠平和」など成り立ちようもないんじゃないか。そういう意味で、現代にも十分通じるのは当然であるともいえよう。ただ部分的に、やはり現代にあっては古くて通用しない考えというものもあって、そういう箇所にふれるたび、「ああ、人間ってやつは本当にどうしようもないんだな」と嘆息させられる。
ただ僕には、なぜカントがこのような順序で書いたのかがあまりピンとこなかった。それは時代背景を理解してないからなのか?ひとつひとついってることは納得できるんだけど、この論理の組み立てかたがベストなのか?まあ、僕の頭が足りてないだけなんだろうけど。
しかし訳書ってやっぱり読み慣れてないとそれだけで難しいね。高校生でもわかるように訳したらしいけど、まあ、そうなのかな。 -
冒頭からの断片的なアフォリズムと写真によるコラボはちょっと前に流行っていた、忌むべき「超訳」ものと近しいと誤解していた。後半本文の訳がようやく始まるが、これがとても分かりやすい。解説の思想的側面ではなく、地政学的、歴史的な部分をもっぱらとしているのも理解に大いに役立った。
国連の早くからの提唱と、国際法の現代の礎ともなる提示は有名だが、どうにも理解できなかった民主制への露骨な否定と嫌悪がプロシアという今でいうバルト三国当たりの歴史的な道筋とダメ押しのようなフランス革命後のわやくちゃな状態から見るとさもありなん。おそらくここでいう「民主制」は直接民主制や広い意味でのポピュリズムにちかい考え方を取れば腑に落ちた。また「共和制」推しも、今でいうコミュニタリアニズムに近いと解説を読むとわかる。決してアメリカの「民主党」「共和党」になぞらえてはいけないのだ。このへんの、現代の言葉遣いにもう少し気を配ってほしかったとは思うが、2022年現在という特殊な時代に読み返した価値は計り知れないものがあった。 -
薄い本
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平和という言葉をシンプルに考えさせられた。誰もが一度は目を通すべきだと思う。
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座右! ここが原点! これが基本!
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K9MP辻喬版より 2006版より新しく:引用サル
with 伊勢崎9条,武力、山室9条、080423
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カント,イマヌエル
1724年4月22日、革具職人の息子として東プロシアの首都ケーニヒスベルク(現ロシア領カリーニングラード)に生まれる。1755年(三十一歳)家庭教師などで生計を立てたあと、王立図書館司書。その後、ケーニヒスベルク大学の私講師となり、論理学や数学などを教える。1770年(四十六歳)ケーニヒスベルク大学哲学教授となる。哲学で生計を立てた最初の人である。1781年(五十七歳)『純粋理性批判』を出版。その後、88年に『実践理性批判』、90年に『判断力批判』を刊行し、批判哲学を確立。その思想は今日にいたるまで大きな影響を及ぼすことになる。1804年2月12日死去 -
世界の指導者が読めるように、とかなり薄い本。戦争をしないための示唆的な言葉と藤原新也の写真がなんだか詩集っぽい形態の本。哲学的な平和を維持するための、わかりやすくて良い本だと思う。随分昔書かれたものなのに、今の世界にもかなり当てはまっている。
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カントの凄さに触れる。
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