パンデミック下の書店と教室―考える場所のために

  • 新泉社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787720009

作品紹介・あらすじ

パンデミックは現在進行中であり、何をもってその「終わり」とすることができるのかまったく定かではない現状では、その終わりを予測したり期待したりすることに対しては、冷静な思考の「遠近感」を保たねばならない。この遠近法の習得のためのコーチングこそ、人文知ができることではないだろうか。
——本書より

「決して心地よいものでない共生」。このメタファーを、大事にしたいと思います。これはウイルスとの対峙の仕方にとどまらないものだからです。
――小笠原博毅

リスクをおかして外出し、代価を支払って書籍や雑誌を購入してくれる来店客一人ひとりを見ていると、どんな本でも「不要不急」のものとは思えないのです。
――福嶋聡

いまもなお人文知は必要だ! 新型コロナウイルス感染症の世界的流行によってあらわになった民主主義の問題、分断や格差の問題……。コロナの時代に本を読み、学び、社会について批評的に考えることの意味を書店や教室の現場から問い直す。カルチュラル・スタディーズの研究者である小笠原博毅と、ジュンク堂書店難波店店長の福嶋聡による往復書簡、エッセイ、対談を収録した評論集。巻末にブックガイドも掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 書店というメディアには様々な言説が並んでいる。書店のバイアスを見極める力が書店のメディアリテラシー。
    自らの欲望に気づき、いわば欲望をインプットされるためには、莫大な言葉の中に浸ることが必要。インプットされるのは情報だけではない。人間の感覚は自分が思っている以上に優れ、感情が捕まえる世界は思いがけずに豊穣。思うためには言語を媒介しなければならず、こと欲望に関してはほとんどが言語化されていない。

  • 無学問のすすめという本を読んだあとに、読んだので特に強く思うだけかもしれないがなるほどこれが専門家病なんだなと強く思う。
    コロナ禍で本屋で何があったかを知りたくて手にとって読んでみたが・・・根本的に専門用語が多すぎてわいには理解が難しい。これはわいが無知なだけかもしれないが、もう少しわかりやすく書いてほしい。

    コロナ初期の対応にも疑問が非常につきない。あの時点では何もわかってないに等しい状態。確かに需要あったのだろう。
    結果問題もなかったのだろう。
    でも、それはたまたま。

    たまたまである。

  • 立ち止まって考えることの重要性。

  • ライバル企業ではあるんやけど、広い意味で同業者、尊敬してる先輩。ヘイト本にせよ緊急事態宣言下での営業にせよモヤモヤしてたところに、すべて同意ではないにせよ言葉にしてもらえて考えるヒントもらえたかな。あと、小笠原先生は初めて読んだんやけど、吉村知事から宇野常寛、吉見俊哉、内田樹と人気ありそうなもころをスパーンと斬ってくれて爽快感。

  • 今何を考え、いかに生きるか。
    書店に身を置く者として。
    福嶋さんの本はいくつか読んでいるけれど、読むたびに進むべき道を示ししてくれる。
    考えるきっかけをもらえる。
    お会いしたことはないけれど、勝手ながら仰ぎ見る先輩として尊敬している。

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著者プロフィール

【緒言】小笠原 博毅(おがさわら・ひろき)
1968年東京都生まれ。神戶大学教授。専門は文化研究、社会学。主な著書に『サッカーの詩学と政治学』(編著、人文書院、2005年)、『黑い大西洋と知識人の現在』(編著、松籟社、2009年)、『セルティック・ファンダム─ グラスゴーにおけるサッカー文化と人種』(せり か書房、2017年)、『真実を語れ、そのまったき複雑性において─ スチュアート・ホールの思考』(新泉社、2019年)、『東京オリンピック始末記』(編著、岩波ブックレット、2022年)など。

「2023年 『レイシャル・キャピタリズムを再考する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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