フェルメールのカメラ―光と空間の謎を解く

著者 : フィリップ・ステッドマン 鈴木光太郎

• 新曜社 (2010年10月1日発売)

作品紹介・あらすじ

みずみずしくも静謐な名画で知られる巨匠ヨハネス・フェルメール。その作品
制作において、カメラの前身となる光学装置が利用されていたことを確かめよ
うとする研究が１００年以上も続いてきました。使っていたのか、それはどん
な使用法だったのか。建築家ステッドマンは、画家の前に開けた17世紀の光学
の世界をめぐり、制作空間の精密な計測を重ね、ついには彼のアトリエを復元
することで、圧倒的な説得力をもってカメラ使用法を証拠付けます。天才は
「カメラ」のもとでいかなる美の可能性をつかんだのか。フェルメールの謎に
迫る最有力説の待望の邦訳。模型による名画の再現写真も必見です。

感想・レビュー・書評

[inu-no-mimiさんの感想 · 2018年10月18日]

フェルメールが、カメラ・オブスクラという装置を用いて作画していたという有名な仮説を、著者なりのアプローチで実に丹念に検証していく。文献から光学研究者との接点を探ったり固定資産税課税用の地図からスケールを割り出したり作品の”セット”を再現し検証していくくだり等、特にエキサイティング！

[広島大学図書館さんの感想 · 2013年9月9日]

科学技術×芸術！？
フェルメールは“カメラ・オブスクラ”という
光学装置を用いて絵を描いていた！？
本書では、フェルメールの絵の空間・アトリエを再現して、
それを実証的に解明している。
科学技術と芸術が出会ったとき、
どんな光と色彩が生まれるのだろうか。

手書きPOPより抜粋

[jisaiさんの感想 · 2011年9月7日]

フェルメールの絵の特徴は「カメラオブスクラ」によるところが多いと主張している本。
フェルメール当時のカメラオブスクラ、光学関連の話から、フェルメールの絵におけるカメラオブスクラ使用の特徴、実際に部屋を再現してのカメラの使用を検証したりと、フェルメールのカメラ使用説を裏付ける内容が多い。
また、反論意見の反論も掲載している。
フェルメールはカメラオブスクラを全面的ではないが、使用しているのは間違いないという、内容。

[blueno912さんの感想 · 2011年7月10日]

光学装置利用の方法がよくわかる

[eighton2011さんの感想 · 2011年3月28日]

カメラ・オブスクラと芸術。とても興味深い。

[Norio Sasadaさんの感想 · 2011年2月12日]

フェルメールの画法に秘められた仮説を検証するプロセス。建築の専門家の視点からの実証的な謎解きは、とても興味深いものがありました。

[H.Satoさんの感想 · 2010年11月14日]

フェルメールはオランダの17世紀の画家。懐かしいな。光を取り入れた絵画が美しい。
フェルメールは若いころから高く評価されていて、29才でデルフトの画家ギルド、聖ルカ組合の理事に選出されている。
カメラ・オブスクラの原理を用いた絵画。フェルメールは素晴らしい。
オランダはゴッホといい、フェルメールといい芸術家が多い。