- Amazon.co.jp ・本 (39ページ)
- / ISBN・EAN: 9784790254331
作品紹介・あらすじ
毎月最初の日曜日、マイロはお姉ちゃんと地下鉄に乗って出かけます。いつも期待と不安で緊張してしまうので、気を紛らわすために、まわりの人の見た目からその人の生活を想像して、スケッチブックに絵を描きます。でも、その想像は正しいのかな?
既刊『おばあちゃんとバスにのって』がアメリカではコールデコット賞オナー賞とニューベリー賞を獲得、日本では産経児童出版文化賞翻訳作品賞に輝いた作家、画家ペアによる第3弾です。原書「Milo Imagines the World」は発売後すぐにニューヨクタイムズベストセラーリストに登場。外見で人を判断することはできないことをテーマにした絵本であり、後半の思いがけない展開に、大人も子どももきっと心を動かされるでしょう。
感想・レビュー・書評
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毎月、さいしょの日曜日。
マイロはおねえちゃんと地下鉄に乗ってお出かけ。
いつも期待と不安で緊張するのを紛らわすため、マイロは回りの人をみる。
地下鉄にはいろんな人が乗ってくる。
マイロは彼、彼女がその後どうするかを想像するけれど。
髭の濃いおじさん、ウェディングドレスの女性、ジャケットをきた男の子、ブレイクダンサー。
いろいろ想像するマイロだけど、目的地で見かけた彼に、マイロは。
後半の展開にびっくり。
そしてほんわかとした読後。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『おばあちゃんとバスにのって』『カルメラのねがい』に続く〝夢の国アメリカ〟に暮らす移民の子どもたちを見つめる絵本の第三作。 毎月最初の日曜日になると<少年マイロ>は<お姉ちゃん>と地下鉄で出かけます。お姉ちゃんはいつもゲ-ムに夢中、マイロは周りの乗客を眺めては、その人の生活を想像しながらスケッチブックに絵を描きます・・・クルスワ-ドパズルに熱中する人、ウェディングドレスの人、ジャケットの男の子とお父さん・・・地下鉄を降りた二人は、刑務所に留置中のお母さんと面会。「母さんの為に描いたんだよ」
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2022年ケイト・グリーナウェイ賞ショートリスト。まいつき、さいしょのにちようびに、マイロはおねえちゃんとふたりでおでかけする。きんちょうしているマイロは、でんしゃのなかにいる人のことをよく見ながら、スケッチブックにえをかく。いろんなことをそうぞうして……。
最後の最後のページまでよくよく読んで、「そうだったの!?」と驚かされた。よくよく見ればわかるのかもしれないけれど、私は気づかなかった。
ウェディングドレス着て電車で移動とか、電車の中でパフォーマンスをしてお金をもらうなんてこと日本では考えられないかも。
電車の中で出会った人について想像をめぐらすマイロ。それはとても楽しそうで想像の自由さを感じさせる。でも、マイロは途中で「みかけだけじゃ、そのひとのほんとうのことなんてわからない」ということに気づく。この気づきがまた良い。私たち読者も、本を読みながらいろんなことを、想像しているけれど、最後の最後に、マイロのことについていろいろ気づかされる。思っていたよりずっと深い内容で、作品の評価が高いのもうなずける。 -
マイロは毎月、お姉ちゃんと地下鉄に乗ってでかける。緊張してしまうから、自分を落ち着かせるために、スケッチブックを持っていく。地下鉄に乗っている人たちの顔を見て、いつもどんな暮らしをしているのか想像して絵を書くのだ。ふと、窓に映る自分の顔を見てマイロは考えた。他の人から、ぼくはどんなふうに見えるんだろう?
カラフルな情景と個性的な乗客たちにまず目を引かれた。ウエディングドレス姿の花嫁さんや電車内でのストリートダンスなんて、日本では中々お目にかかれない。そしてマイロのスケッチが絶妙に上手で可愛らしい。けれども、マイロの気づきにハッとさせられ、目的地の場面では、自分自身がマイロのイメージを決めつけていたことに気付かされる。ひとりひとり、色んな思いや背景を抱えて暮らしているのだと、深く考えさせてくれる作品だった。