ユリイカ 2017年1月臨時増刊号 総特集◎みうらじゅん SINCE1958

  • 青土社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791703203

感想・レビュー・書評

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  • 読了 20221012

  • 彼の実家近くに住んでいたし、そのまた近くには島田紳助の家もあった筈だが、両者に遭遇した記憶はない。かたや東山高校、そして大谷高校。そして私は…

  • 200ページ以上が全部みうらじゅん(以下MJ)。本人が語るのはもちろん、周囲の人や評論家っぽい人がMJを語っている。MJの人となりを書いた章と、MJ評論の章に分かれている。

    媒体でMJについてここまで深く語られたことは、あまりなかった気がする。語られまくりである。さすがに濃いというか、おなかいっぱいになった。特に関係者へのインタビュー等で語られたMJの人となりが大変おもしろかった。意外にも体育会系気質であったりする。思ってたよりも暑苦しい人のようだ。朝まで飲みに付き合うのはシンドイなあ。そういう意味でオーケンには共感する。しかしそうしないと、MJの親友にはなれない。"飲-める賞"はもらえない。とにかく「親友」になる親友業が先で、そこから飲み屋で話したことを仕事に繋げてゆく。親友をプレゼンし、プロデュースする。親友なのでガチでケンカもする。怒ったり拗ねたりもする。それと同時に努力家であったり、多いやりがあったり。当たり前だけど、人として多様な側面が描かれている。

    おもしろいこと言う人だけどそれは氷山の一角で、言葉の上っ面のおもしろさの下には、もっと大きな埋蔵され、蓄積された裏付けがあるのだろう。いや、ない場合もあるだろうけど。

    それにしても安斎さんの「本当はみうらくん、ぼくとか苦手なんだと思うよ」という言葉には驚いた。あれだけ長年一緒にいろいろやってるのに!親友業の成せる業なのだろうか。

    「アイデン&ティティ」読んでも観てもないので、チェックしてみたい。とにかく、ファンなら必読の一冊だ。

    ■「ゆるキャラの意味論」メモ
    普通か変か、という二元論ではなく「ゆるい」という第三極にカテゴライズすることで、ゆるキャラは生まれた。そこでは、コワイ着ぐるみも、キモい着ぐるみも「ゆるい」にカテゴライズされる。普通の人は「変」なものを愛せない。近寄れない。しかし「ゆるい」ものにすることで愛されるようになる。ここで「ゆるい」の反意語は「かわいい」かもしれない。MJは「かわいい」ものより「こわいもの、かわいくないもの」を評価する。

    ■引用メモ
    ■MJインタビュー
    ・見てはいけないっていうのが俺の仕事だから、それは努めてそうしているけど。興味ないように持っていく。
    ・今、気が付かないようにするって、意外と一番難しいことかもしれない

    ■オーケン
    ・みうらさんも反体制でいたいから、自分がゆるキャラの権威、サブカルの権威になってしまうのを突き崩すためのある種の"揺さぶり"としてゴムヘビをもってくる

    ■安斎さん
    ・みうらくんがあえて苦手な人に会いにいくのは「修行」という名の営業なんですよ。

    ■田口トモロヲ
    ・僕も中流出身でワイルドになれる下地がないからこそ下降願望があって、ハングリーなところを自分のなかに見つけていくために無理をする"不自然主義"的なところは、みうらさんと共通していたかも
    ・中流の人は自分の環境のなかに湧き上がってくるものがないから、外から持ってきたものをガソリンにしないと、ハングリーな生活をしている人とかに対抗できない。
    ・本人は努力という言葉は好きじゃないかもしれないけれども、「好きなことならできるはずだ」っていうことですよね。
    ・みうらさんは、僕なんかは言うのも恥ずかしいような言葉をガンガン使ってくる。「だって親友だもん」って。

  • さくっと読了。

  • 2017/7/23購入

  • みうらじゅんを多角的に評論。

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著者プロフィール

作家・イラストレーター

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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