現代思想 2020年3月臨時増刊号 総特集◎フェミニズムの現在 (現代思想3月臨時増刊号)

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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791713943

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  • 女性vs男性の二項対立ではなくトランスジェンダーや人種も含めより複雑な問題としてのフェミニズムについて考えさせられる

  • 『現代思想』2021年9月号
    「〈恋愛〉の現在」P19に本書が出てくる。
    高橋幸が宮台真司のいう「意識変性状態」を
    「相手に強くコミットし、
    相手がいま何をどう感じて考えているのかに
    意識を集中し、
    相手に憑依するようにして感覚を開いて
    いくことで、
    深いコミュニケーションに到達できるという
    考え方」
    と説明し、
    「それをナンパ師に指南するところまで
    行くとなると、
    彼の議論を支持することができなくな」る
    と語る。
    対談相手の永田夏来が
    「ジェンダー間の権力関係が気になるのでは」
    と指摘すると、それを肯定し
    「ナンパの問題性」
    「本人が望んでいる否かという意向に
    関わらず、突然、性的対象化される
    経験であり、強い不安感や不快感を
    もたら」す、
    「私はナンパに関してはかなり慎重
    にならざるをえ」ない
    とラディカルな発言をする。
    その後、ストリートハラスメントに
    ついては本書に詳しいと記される。

  • これからも勉強と行動が必要な私にとってはどんなに堅苦しい文章よりも、瀬戸夏子さんの『スタンダード・ナンバー』が頭から離れない

  • 知識として身につけたく読了

  • "フェミニズムの流行が寿がれる今だからこそ、「男性」として生きる人々のフェミニズムへの応答は、まずは「女性ならではの困難」に、自分が「男性としては」直面にしてこなかった意味を考えることから始まるのではないだろうか。"(川口遼/「(異性愛かつシスジェンダーの)男性がフェミニストであること」再々……考)という言葉をいだきつつ。様々な論点に触れ、考えるとっかかりとなり、またいくつかの本を手に取りたくなった。/自分の快楽を突き詰めることと、社会的公正のために何かをすることを一人の人間のなかで矛盾せず両立させることは可能なはずです。(田中東子)//「感じのいいフェミニズム」=メインストリームのメディアが「フェミニズム」は「攻撃的で」「男嫌い」であると意味付与し、「フェミニスト女性」たちを「公開処刑」的に罰し続けてきた日本社会との折衝の結果、自分たちを生き残らせるために編み出されたスタイルである。/2019年11月、介護保険制度そのものに問題があるとして、国会賠償訴訟が起きたこと/詩織さんの民事訴訟の判決文において、彼女が事件を公にしたことが「性犯罪の被害者を取り巻く法的または社会的状況の回以前につながる」ため、つまり公益を図る目的と認められたこと/「ケアすべき存在を抱えた人が日常の中で自由になる」ことを目指すのがリアルなフェミニズム/など

  • 本書に収録されている論稿をめぐって批判や議論がなされているが、全体としては興味深く読んだ。とくに哲学系の複数の論稿からは、哲学におけるフェミニズム研究が今後盛り上がっていくのだろうなという期待感が持てた。

  • 【総特集】フェミニズムの現在

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著者プロフィール

菊地 夏野(きくち・なつの)
名古屋市立大学人間文化研究科教員。専攻は社会学、ジェンダー/セクシュアリティ研究。単著に『ポストコロニアリズムとジェンダー』(青弓社)、『日本のポストフェミニズム』(大月書店)、共著に『戦争社会学――理論・大衆社会・表象文化』(明石書店)、『国境政策のパラドクス』(勁草書房)など。

「2020年 『99%のためのフェミニズム宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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