免疫の意味論

著者 :
  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791752430

感想・レビュー・書評

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  • 知っているようで知らない免疫について専門的でありながらわかりやすく書かれています。
    ニワトリとウズラの"キメラ"実験は、子供の頃テレビで見て驚いた記憶があります。
    どうやって「自己」と「非自己」を見分けるのか、実は曖昧で不思議なシステムです。自分とはなんだろう、という心理学や哲学で取り上げられるような命題を、免疫学から考えるというのは面白く、自他の境界線が外的環境によって変わるというのは心理学などでも同じように言える気もして興味深いです。

  • こちらは著者本業の免疫学について。免疫が「自己」の範囲を規定しているというコンセプトで考察していく。まだまだ発展途上の学問でもあり明確な結論どころか、仮説らしきものさえハッキリしない。かなり複雑なシステムを構成していることだけよく分かる。2010年現在での見取り図はどうなのだろう。あまり変わってはいないのだろうか。

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  • 難しい免疫の世界を堪能させてくれる。まだまだ解明されていない分野が多いのだなあと感じた。

  • とっても有名な本。初めて知ったのは確か福岡先生の本で言及されていたから、なきがする。
    自己と非自己を区別し、個体のアイデンティティを決定するのは、免疫である。脳じゃなくて免疫だとは!でまずびっくり。でも私の単純な文系アタマだと「自己と非自己」とか「自己に寛容」とかいうキーワードのひとつひとつを文系的に受け止めてしまって、著者が語りたいことと自分の理解がどんどん乖離していっていく自分に気づく。
    内容は、とっても難しくて、とくに中盤はほとんど理解できなかった。

  • 20代前半に読み、物事の見方・考え方が変わるきっかけとなった本。
    1990年代に流行していた脳科学のイメージ(NHKスペシャル「脳と心」など)のイメージから、自己とは脳によって決まると思っていたところに、P18『身体的に「自己」を規定しているのは免疫系であって脳ではないのである。』の一文は衝撃でした。
    免疫についてだけでなく、自己とは何か、生命について、病気について書かれていて、世の中にはまだわからないことがたくさんあること、わかっていることにも様々な見方があることを実感しました。

  • 1995年版。

  • 古典的名著

    哲学的視点

    血液型は免疫系と関係
    血液型と性格(性質)と無関係だと本当に言い切れるのだろうか

    壮大な無駄と冗長性

    「非自己」は常に「自己」というコンテキストの上で認識

    人間一人の免疫細胞はほぼ1kg
    脳細胞の総数より多い

    「自己」は本質的に曖昧

    変容し続ける自己を参照しながら自己組織化していく動的なシステム

    腸内に常在する細菌の数は1グラムの糞中に約1兆個

  • 1時間ちょっとで読むには難し過ぎた。
    でも面白かったし知りたいことがいっぱいあったので、きちんと勉強してみたい。
    あとがきに「もっと一般に分かりやすく書く機会があれば」というような一文があったので期待していたのだけれど、著者は故人なのですね。残念です。

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著者プロフィール

多田富雄(ただ・とみお、1934-2010) 
1934年、茨城県結城市生まれ。東京大学名誉教授。専攻・免疫学。元・国際免疫学会連合会長。1959年千葉大学医学部卒業。同大学医学部教授、東京大学医学部教授を歴任。71年、免疫応答を調整するサプレッサー(抑制)T細胞を発見、野口英世記念医学賞、エミール・フォン・ベーリング賞、朝日賞など多数受賞。84年文化功労者。
2001年5月2日、出張先の金沢で脳梗塞に倒れ、右半身麻痺と仮性球麻痺の後遺症で構音障害、嚥下障害となる。2010年4月21日死去。
著書に『免疫の意味論』(大佛次郎賞)『生命へのまなざし』『落葉隻語 ことばのかたみ』(以上、青土社)『生命の意味論』『脳の中の能舞台』『残夢整理』(以上、新潮社)『独酌余滴』(日本エッセイストクラブ賞)『懐かしい日々の想い』(以上、朝日新聞出版)『全詩集 歌占』『能の見える風景』『花供養』『詩集 寛容』『多田富雄 新作能全集』(以上、藤原書店)『寡黙なる巨人』(小林秀雄賞)『春楡の木陰で』(以上、集英社)など多数。


「2016年 『多田富雄のコスモロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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