ガザ通信

  • 青土社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791764754

作品紹介・あらすじ

死がガザを覆い尽くしている…血と大量の死体の匂いがする。毎分のように悪い知らせが新たに届く…破壊の跡がいたるところに。死体、千切れた四肢、泣き叫ぶ子ども、幼子や夫を探し求める母親。どこに行けばいいのか、どこに隠れればいいのか、誰にもわからない。占領下パレスチナの真実。

感想・レビュー・書評

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  • ガザの現状。偏った報道だけを信じないで欲しい。ほんの数年前に現実に起きていたことなのだ。

  • 人間は人間として生まれた以上、人間らしく生きなきゃならないのだ。底辺を這わされながら、与えられた「最低限」のもので辛うじて命を繋ぐのは、人間らしい生ではない。

  • 091207 by "peace community" lecture 講演会
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    2008/12/27―攻撃
    2008/12/27―クリスマス・ニュース
    2008/12/27―27日午後6時
    2008/12/27―27日午後8時
    2008/12/27―空襲下、冷たい暗闇のなかで
    2008/12/27―27日午後11時
    2008/12/27―イスラエルのガザ攻撃を止めるための行動を!
    2008/12/27―イスラエルから脅迫電話が!!
    2008/12/28―今のところ無事だが…
    2008/12/28―破壊〔ほか〕
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    死がガザを覆い尽くしている…血と大量の死体の匂いがする。毎分のように悪い知らせが新たに届く…破壊の跡がいたるところに。死体、千切れた四肢、泣き叫ぶ子ども、幼子や夫を探し求める母親。どこに行けばいいのか、どこに隠れればいいのか、誰にもわからない。占領下パレスチナの真実。

    アブデルワーヘド,サイード
    ガザのアル=アズハル大学、教養・人文学部英語学科教授。1952年、ガザ市生まれ。父はガザ出身、母はビール・サブア出身の難民。ガザのUNRWAの学校で教育を受ける。カイロのアル=アズハル大学言語・翻訳学部で英語英文学を専攻、学士号取得(1979年)。英国バース大学で言語学・翻訳学の修士号取得(1982年)。米国ペンシルバニア州のデュケイン大学で英文学の博士号取得(1992年)。博士号取得後、米国デューク大学で研究。2002年より現職

    岡 真理
    1960年東京都生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。専門は現代アラブ文学。東京外国語大学外国語学部アラビア語学科卒業後、同大学大学院修士課程修了。エジプト・カイロ大学に留学、在モロッコ日本大使館専門調査員、大阪女子大学人文社会学部講師等を経て、現職

    志葉 玲
    1975年東京都生まれ。大学卒業後、番組制作会社を経て、2002年春から環境、平和、人権をテーマにフリーランスジャーナリストとしての活動を開始する。雑誌・新聞に寄稿し、現地で撮影した写真・映像をテレビ局や通信局に提供している他、コメンテーターとして各メディアで発言、全国各地で講演を行っている。ガザ地区には、2000年1月、2003年10月に訪れ、今年1月から2月頭にも、停戦直後から現地入り、取材を行った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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    『たたかう! ジャーナリスト宣言―ボクの観た本当の戦争』
    『川田龍平…』

  • ここで扱われている戦争の生々しさは50年前でも100年前でもなく、まさにこの同時代に起きていることなので。世界が平和になりますように。

  • (2009.07.08読了)
    2008年の暮れから2009年の新年にかけてイスラエル軍がパレスチナの人たちが住んでいる(閉じ込められている)ガザ地区に攻撃を加えました。ハマスに対する報復ということだったのですが。
    この本は、ガザに住んでいる著者が、イスラエル軍からの戦闘機やヘリコプター、戦車、地上からのロケット弾、等の攻撃の合間を縫って送信されてきたメールが収録されています。(横組みです)
    2009年の停戦後にガザ地区に入って撮影された志葉玲さんの写真も多数収録されています。

    電気も止まり、外出もできず、外部(ガザ地区の外)との交通も遮断され、安全な場所はどこにもない状態です。著者の入っているマンションも攻撃されています。
    病院も攻撃され、医者も何人が殺されています(13人の救急医が勤務中に命を落とした)。攻撃されけがをしても救急車は簡単には来ることができません。外にいれば狙い撃ちされます。男女、老人子供、攻撃は区別なく行われます。携帯電話もイスラエル軍の妨害電波によって使用できません。
    イスラエルからの脅迫電話がかかってきたりもするそうです。恐怖の中で、さらなる恐怖を加えてきます。
    放送局、政府施設、モスク、警察、大学校舎、避難先の学校、国連施設、どこも攻撃されないところは、ありません。
    イスラエル軍の武器は、アメリカ製です。他の国なら、アメリカは、人道問題ということで、制裁措置を取るのですが、イスラエルに対してだけは、そのようなことはありません。なぜなのでしょうか。
    著者のメールだけでは、背景がよくわからないので、岡真理さんによる解説が付いています。
    ガザ地区の広さは、長いほうの辺が40キロ、短いほうの辺が6キロから10キロの長方形で、360平方キロメートルです。ここに140万人の人々が閉じ込められているのです。
    イスラエルに行くことも、エジプトに行くこともできないのです。
    イスラエルが建国した1948年には、ガザの人口は8万人、中東戦争の結果20万人の難民が流れ込み、現在は、140万人のパレスチナ人がいるのです。自立した生活ができないのです。
    1990年代初頭、ガザから一人の画家が来日した。その画家は次のように言っています。「自分は日本に来て初めて、人間が人間らしく生きるとはどのようなことなのかを知った。日本で日本人が生きているこの暮らし、これが、人間が生きるということであるなら、ガザにおける生、それは決して、人間の生などではありえない。自分はこれまで人たびも人間として生きてなど来なかった。」(125頁)
    1993年のオスロ合意以後、ガザはフェンスで囲われ、国境は封鎖、住民がガザの外に出ることは規制された。(126頁)
    パレスチナの人たちが、自立して人間らしい生活ができる日が早く来てほしい。少なくとも、その日が来そうな道筋が何とか見つけられないものかと思う。
    頭のいいユダヤ人がたくさんいるはずなので、ぜひ、そちらの方向に頭を使ってほしい。
    (2009年7月12日・記)

  • 2009年7月18日購入

  • 回送先:町田市立図書館そよかぜ号(移動図書館)

    とにかく圧倒される。これと同時に読んだ作品(南原兼『花嫁は男子校の帝王』もえぎ文庫)の存在が全くと言っていいほどかき消される。もちろん、純然たる日本文学や社会科学など「おとといきやがれ」なのは言うまでもないだろう(村上春樹が「エルサレム賞」を受賞したが、それは村上が特異なだけなのか?)
    新年のお年賀が「みさいる」で、年賀状・クリスマスレターが「きょうはくでんわ」というのではたまらない。

    こうした光景を見るにつけ旧態依然の反戦運動も(当然イスラエルの好戦論者も)、善悪二元論の無自覚な全肯定からものがいえていないのだなと実感させられる。それはもう死んでしまうかも知れぬ人々には何の感想も抱かせない。

    そう、もうこの世には「正義・悪」という安直かつ盲目になりやすい発想などとうの昔に―ホロコーストやジェノサイドがコストパフォーマンスの判断基準に乗っかったそのときから―死に果てていただけかも知れまい。そして、それを否定し続けることでさらにガザ住民は死んでいく。

    私たちがつむぐ言葉にも、殺傷能力があることをただただ自覚しながら。

  • 20090501 浦安中央図書館 【借入】

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