- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791775415
作品紹介・あらすじ
「生まれてこないほうが良かった」と言われたとき、 あなたは何を語ることができるだろうか
反出生主義はほんとうに自殺を導かないのか? 加害者であることは引き受けられるのか? 日本語で哲学することは可能か? 対話によって開かれる哲学とはどういうものか?――戸谷洋志、小松原織香、山口尚、永井玲衣とともに、生きることの深淵を覗き込む。現代における重要テーマをめぐって重ねてきた言葉たちを結晶化した対談集。
感想・レビュー・書評
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p.12
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加害の話と「ねそべる哲学」から出発してもう少しいろいろ読みたい気がする
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『現代思想』の対談記事+αをまとめたものだが、著者の志向性のようなものは分かる内容になってはいるので、他作を読む前の入門編としてはいいのかもしれない。
著者は「生命の哲学」を強調しているが、出生の肯定/否定という善悪というか価値観的な色彩は色濃く出てはいるので、世間一般的には倫理学的な内容であると言って差し支えないように思える。また、アカデミズムとの距離感についても興味深いものがあるが、個人的なスタンスとしては好きなようにすればいいとは思うものの、実際に大学教員として成績評価するときにはそれなりの客観性というか大げさに言えば学生のみならず、大学さらには文科省への説明責任が発生するわけで、その辺をどう考えているのだろうかという疑問はある。そんな面倒に巻き込まれるぐらいなら、在野の研究者として活動すればよいのではないかと思うが。
とは言え、そもそも「哲学とは何か」という哲学観が立場によって異なり、ある種乱立している現状は再認識させられる内容ではある。