人はどこまで合理的か 上

著者 : スティーブン・ピンカー 橘明美

• 草思社 (2022年7月12日発売)

感想・レビュー・書評

[Lyoさんの感想 · 2023年4月2日]

どこまで合理的か
人生はマシュマロクイズの繰り返し。近視眼的な考え方は未来の事象の価値を割引きすぎている。近視眼的なことに騙されないようにあえて耳をふさぐことが合理的なこともある。人の考え方は指数関数よりも双曲割引に近く、近いものに大きな価値を与えてしまう。
確率を無視して、例えば報道されて目立つ事件に注意が向いてしまう。その結果政策の誤りが起きることもある。それを利用して国民の感情を煽り動かすこともできる。サメに食べられる、学校での銃乱射などに目が向きがちだが、普通に殺人で殺される人の方が圧倒的に多い。
利用可能性バイアス。
条件付き確率の重要性。妻に暴力を振るったことのある夫が妻を殺した確率と、妻に暴力を振るったことのある夫がいて、その妻が誰かに殺された時に犯人が夫である確率は大きく異なる。
死亡事故の1/3が家で起こる、といった場合に、そもそも家にいる時間が長いことが考慮されていない。つまり家にいる時間の1/3で事故が起きているように誤った解釈をされてしまう。
確証バイアスによる誤解。そもそも当てはまる事例を探しに行っているため確率を過大に評価してしまう。
部屋に23人いたらそのうち誰か2人が同じ誕生日である確率は50%を超える。
ベイズの確率計算。bのように見える時にbが起こる確率÷(bのように見える時にbが起こる確率+bのように見える時にaが起こる確率)。基準率が事後確率に大きく作用する。そもそものa,bがそれぞれ占める割合のこと。
ただし、実際の世界において正確な基準率が分かることはない。どのような事前確率がふさわしいか、人種か性別か年齢か。絞れば絞るほど確率のたしからしさが減る可能性。また年と共に基準率が変化していることもある。女性の医学生。

[dai-aiさんの感想 · 2023年3月13日]

●自分1人で考えている限り、一貫して健全な結論を導き出しうるほど合理的にはなり得ない。合理性は互いの誤謬を指摘し合う論者のグループが生まれる。
●カラハリ砂漠サン族の狩猟。持久狩猟。10万年以上砂漠で生き延びてきた。
●アメリカ人の4分の3は、科学の法則に反する現象を少なくとも1つ信じている。
●人間の直感は指数関数的成長をうまく把握できない。
●

[mmさんの感想 · 2023年3月8日]

たいへん良書です。わかりやすく面白い。話に人を引き込む力がある。
認知バイアスに関する一般書を何冊か読みましたが、こちらの方がずっと分かりやすい。
タイトルや装丁が難解そうに見えるので忌避している人もいるかもしれないが、とても読みやすいです。
多くの人がこの内容を知ってほしい。

[aya00226さんの感想 · 2023年2月16日]

オーテピア

[y-mitsuさんの感想 · 2022年12月18日]

（下巻に記載）

[神戸国際大学情報センター（図書館）さんの感想 · 2022年11月28日]

https://act-02.kobe-kiu.ac.jp/opac/volume/384957

[帝塚山大学図書館 学生選書会さんの感想 · 2022年11月25日]

https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/945029

[神大学生選書ツアーさんの感想 · 2022年11月21日]

OPACへのリンク：https://op.lib.kobe-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2002306776【推薦コメント：最近の注目本】

[女子栄養大学短期大学部・香川調理製菓専門学校 図書館さんの感想 · 2022年11月15日]

OPACはコチラ！▼
https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000059354

[tabutakaさんの感想 · 2022年11月12日]

レビューはブログにて
https://ameblo.jp/w92-3/entry-12774116636.html

著者プロフィール

スティーブン・ピンカー(Steven Pinker)
ハーバード大学心理学教授。スタンフォード大学とマサチューセッツ工科大学でも教鞭をとっている。認知科学者、実験心理学者として視覚認知、心理言語学、人間関係について研究している。進化心理学の第一人者。主著に『言語を生みだす本能』、『心の仕組み』、『人間の本性を考える』、『思考する言語』（以上NHKブックス）、『暴力の人類史』（青土社）、『人はどこまで合理的か』（草思社）などがある。その研究と教育の業績、ならびに著書により、数々の受賞歴がある。米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」、フォーリンポリシー誌の「知識人トップ100人」、ヒューマニスト・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた。米国科学アカデミー会員。

「2023年 『文庫　21世紀の啓蒙　下』 で使われていた紹介文から引用しています。」