セルフケアの道具箱

著者 :
  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794971814

作品紹介・あらすじ

ストレス、不安、不眠などメンタルの不調を訴える人が「回復する」とは、 「セルフケア(自分で自分を上手に助ける)」ができるようになること。 「洗足ストレスコーピング・サポートオフィス」の所長であり、30 年にわたってカウンセラーとして多くのクライアントと接してきた著者が、 その知識と経験に基づいたセルフケアの具体的な手法を100 個のワークの形で紹介。裏付けとなるのは、「ストレスマネジメント」「認知行動療法」 「マインドフルネス」「コーピング」「スキーマ療法」といった理論や手法。それらを、一般の方がわかりやすいように、可能なかぎり専門用語を使わずに紹介します。イラストは漫画家の細川貂々さん。コロナ禍で不安を抱える人にも!

感想・レビュー・書評

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  • セルフコーピング(あくまで自分の解釈ですが…自分で自分のことをなだめる、なぐさめる方法というような意味。)のことを学びたくて、図書館で借りました。作者は、その世界では有明なカウンセラーのようで、著作多数。
    セルフコーピングのやり方が具体的、かつ わかりやすく書かれていて、たぶん中高校生なら理解できると思います。

  • T図書館本

    ストレスをかき出すことも外在化効果。ストレス日記つけると、外在化が習慣に。ストレスにざっくり名前をつけると、マインドフルネスやコーピングしやすくなり、効果アップ。
    自動思考を壺に。波の大きさに。、そのままを受け止めるマインドフルネス。あー、ネガティブになったな。以上、と、きっぱり受け止める練習。
    コーピングリスト。
    自動思考などは呪いのことば。書いてくしゃくしゃに丸めて捨てる。もしくは、それおかしくない?と反論したり、健全な誰かに聞いてもらう。
    希望のことば=のびのび生きよう、もっと楽しんで良い、幸せになる権利がある等々を作り出し、持ち歩く。
    いくつになってもインナーチャイルドはいる。名前つけ、話しかけて存在を感じ、なぐさめ、ケアする。励まし応援する。
    インナーチャイルドと、希望のことばととともに生きていく。

  • 認知行動療法やスキーマ療法に関して、多くの良著を書かれているカウンセラー伊藤絵美さんの直近著書。
    「カウンセラー」は玉石混合だが、伊藤さんは筋金入り。信頼できる専門家。

    難しいことを難しく、簡単なことを難しそうに表現して、大きく見せがちだが、抽象度の高い、難解な事柄を極めて易しい表現で、それも温かく説いてくれる素晴らしい1冊だ。

    「ストレス」「生きづらさ」等の言葉が独り歩きして、実はそれが何を具体的に指しているかを認識する前に、心の重しが肥大化していく。

    「天気予報が晴れだったのに、いまひとつの曇り空で、洗濯物が乾いていない」
    「上の部屋の子どもが走り回って五月蠅い。気になる」
    「夫と情緒的なつながりを持てない。家族に関する重要な問題を共有している実感が持てない」
    「買い物にいくと、ついつい買いすぎてしまう」

    実は、こんなことでもストレスなのだ。
    日々、私たちはストレスを抱えている。
    自分にも家族にも、周囲の人々にも感染症の状況にも、メディアの報道にも…。

    どきどきしたり、気がふさいだり、ある時はイライラしたり、落ち込んだり。

    そしてよく観察すると身体にも変化が起きている。
    唾が出ていない。呼吸が浅い。手足が冷たい。おなかが緩い。便秘。頭が痛い。肩がこる。

    ストレスの原因に対して、心も身体も変化の症状を示し、警告を発している。
    だから警告を受け止め、自分でケアし、毎日を過ごしていかなければいつか壊れる。

    だが、自分でのケアとは一人で解決することではなく、依存先・対処方法をいくつも増やして手札として持っておくことだ。本著の題名『セルフケアの道具箱』の由来だ。

    メディアもSNSも、皆元気で生き生きしていて、優しくて思いやりに満ちていて、充実した人のストーリーを盛りながら創り上げる。

    だから、自分だけが惨めで欠陥があって、できていない。
    こうした自責の念でお先真っ暗になることがよくある私だ。

    人生も人も、そもそも不確かで、不完全なもの。
    自分が困っていることを、誰でもそうだから、或いは自分が過敏だから感じすぎる、我慢は必要などと頭の中でやり過ごさず、著作にあるよう、しっかり言葉に書き出すこと【外在化】を継続していこうと思う。

    自分の痛みに気づかずに、他人に道を譲ってばかりいては、この人はそれぐらいの扱いでいいんだ!と、周囲に誤ったメッセージを送ってしまう。
    本当は、自分も大切にしたいし、あなたも大切にしたい。

    「私が悪いから、相手がこういう態度を取るんだ…」と、何でも自分の所為にして自責の念と疎外感に苦しんできたが、それも養育環境由来の思い込みのようなもの【スキーマ】があるからだ。
    真実とは異なる、自分の思い込み。

    これ以上、自分を責めず、「あ、スキーマが出てきているな。これは現実と一致していないぞ」と一線を引く。

    自分の感覚や感情、身体の変化にしっかりと心配りと観察をして、これ以上、私の心を独りぼっちにしない。

    細川貂々さんのイラストも温かい。
    頼れる一冊。

  • 産後、2人の育児のワンオペも多く、なかなかストレスフルな毎日を送っている。そこで手に取った本書。
    とてもよかった。

    以前は心身の悲鳴にフタをして過ごし、鬱を発症して入院までしたことのある私。
    自分を大切にすることや人を頼ることを意識して再発することなく暮らせている。本書で紹介されている認知行動療法やコーピングをはじめとした理論を読んで、すごく腹に落ちた。

    幸いにも今は大きな生きづらさや苦しみの中にいない。
    けれど、いつ対処しきれないような大きな出来事に直面するかわからない。そんな時、紹介されているこれらのワークは私を助けてくれるように思う。予防的に今のタイミングで読むことができてよかった。

    そして紹介されているワークの中で特に今私が取り組みたいと思ったのが、“「希望のことば」を持ち歩く”、そして“コーピングレパートリーを外在化し、増やし続ける”の2つ。
    なんとなく自分の中にあるものだけれど、きちんと形にして整理したことがなかった。これはきっとお守りのように私を助けてくれる予感がしている。そして作る過程もきっとわくわくして楽しいものになると思う。

    そして「内なるチャイルド」について、実は私は産後自身の中にいるのを感じるようになった。自分が小さいときにしてほしかったことをすることで、私の中の小さな子どもが癒されているのを感じたりする。現実では子育て中は子どもを第一優先にすることが多いけれど、時には自分の中の子どもの声にも耳を傾けてあげたいと感じた。

    細川貂々さんのゆるかわなイラストがまたいいですよね。本書を読んだ後では、より意識的に心身の声に耳を傾けられる自分になれた気がします。

    ※「コーピング」とは、ストレッサーやストレス反応に対して、自分を助けるために、何らかの対処をしたり工夫をしたりすることを言います。

  • 「生き延びてください」カウンセラー歴30年の著者の言葉 『セルフケアの道具箱』 | J-CAST BOOKウォッチ
    https://books.j-cast.com/2020/08/13012654.html

    自分なりのストレス対処法を100個書き出し、常に持ち歩こう | THE21オンライン
    https://shuchi.php.co.jp/the21/detail/7312

    セルフケアの道具箱 | 晶文社
    https://www.shobunsha.co.jp/?p=5792

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      話題のストレスコーピングとは | WACOAL BODY BOOK(2018.06.13)
      https://www.bodybook.jp...
      話題のストレスコーピングとは | WACOAL BODY BOOK(2018.06.13)
      https://www.bodybook.jp/article/162394.html
      2023/06/30
  • 図書館で借りて読んだのですが、書かれていることを繰り返し読んだり実践したりしたいと思い、購入しました。
    ヤングアダルトのコーナーにあっただけあって、とてもわかりやすく、実際にやってみようと思うものがたくさん紹介されています。私自身精神疾患を持っているので、必要に迫られてやるところもありますが、予防的に実践するのがベストだと思います。
    メンタルのセルフケアに関する本は専門的ではあるけれど、実践がわかりにくかったり、難しかったりするものや、なんだか怪しげなものまでありますが、これなら間違いないと思いました。

  • セルフケアの方法が、その理由や考え方とともに紹介されています。

    わかりやすい言葉と、かわいいイラスト、ほどよい余白で元気のないときにも手に取りやすいと感じました。

    ストレスマネジメント、認知行動療法、コーピング、スキーマ療法、マインドフルネスといった理論がとてもわかりやすく紹介されていることにも安心感がありました。

    「読んで終わり」ではなく、「手にとってやってみる」というコンセプトもいいなと思いました。
    私はまずマインドフルネスから始めようと思います。

  • パラパラと見たところ、気楽に始められるワークがたくさんあるのは良さげ。効かなかったら次へ、て試せるし(たぶん)。自分に合うかどうか試してみるというのは薬の種類でもセルフメンテでも同様やな〜

  • 読んでいて手元に置いておきたくなって購入した本。
    メンタルが豆腐の人がどのように自分をケアしながら生きていくのかのハウツー本。
    ざっと一度に読み切るのではなく、継続的に読み込んでいきたい実用本。

  • 図書館で借りたが非常に良かったので、自分で買おうと思う。
    しんどい思いをしている人、イライラをなんとかしたい人などに何か本を教えてくれと言われたら、胸を張って勧められる本。
    さすが伊藤絵美先生だ。
    一般向けではあるけど、支援者がクライエントに説明するのにヒントをもらえる本。

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著者プロフィール

公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士。洗足ストレスコーピング・サポートオフィス所長。専門は臨床心理学、ストレス心理学、認知行動療法、スキーマ療法。2004年より認知行動療法に基づくカウンセリングを提供する専門機関を開設。

「2023年 『攻略!きみのストレスを発見せよ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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