- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784795810228
作品紹介・あらすじ
『いのち、が見えない。…しぬことも見えない。…街にも家にもテレビにも新聞にも机のうえにもポケットの中にもニセモノの生死がいっぱいだ。…』
感想・レビュー・書評
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今までで一番の衝撃の写真集.
自分が何者であるのか,分からずに焦っていた日々に突然に出会った.この本に出会った時,死が身近にあったので,素直に心に沁みた.
もし同じ写真とことばを好きな人がいたら,自分はその人と心を通わせたい. -
19歳のときに読んで、
自分の人生観に大きな影響を与えてくれた一冊。
Mement-Mori
死を想え
この言葉は鼓動のようにいつも胸の奥で響いている。
“ニンゲンは犬に食われるほど自由だ。”
このページを初めて開いたときの衝撃。
生と死について真剣に考えるきっかけをくれた。
ものすごいパワーを持った本だと思う。
高校時代に何度も聴き、
書道の時間には歌詞を選んで作品にしたミスチルの『花』。
そのサブタイトルですでに“Mement-Mori”という言葉には出会っていたのだけれど。
10代で出会えて良かった。 -
「ちょっとそこのあんた、顔がないですよ」
その言葉を見ると
時々はっとしてしまいます。
そうだ。いつの間にどこかに忘れてしまったんだろう。 -
30年近く前の学生時代に読んだ本が、今でも本棚に数冊並んでいます。度重なる引越し(おそらく8回)にも処分せず、ブックオフに持ち込むこともせず、未だに残っているのは、手離せない何かがあるのでしょう。本に書いてある内容だけでなく、その時々の自分の置かれた状況と重ね合わせた思い出と一体になっているのだと思います。そういった本の一冊が本書「メメント・モリ」で、先日読んだ「コスモスの影にはいつも誰かが隠れている」と同じ藤原新也の作品です。
奥付を見ると「昭和58年2月12日第1刷 昭和58年2月23日第2刷」と記されているので、出版から比較的早い時期に読んでいると思います。なぜ、手に取ったかは憶えていませんが、本を読み、写真を見た衝撃は忘れません。前回も書きましたが、人の死体を犬が貪っている写真に「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ」といった警句が添えられていたのですから。「メメント・モリ」とはラテン語の宗教用語で「死を想え」という意味なのだそうです。本書は、人間の死に限らず、生物、自然、森羅万象の生と死がありのままに現されています。日常生活で死を意識することは、当時も、そして今も滅多にありません。しかし、今考えると、本書を読んだタイミングは、祖母が亡くなった時期(昭和58年3月)と重なります。そのため、当時の衝撃は、死を身近に感じ、その恐怖を感じた心境が表れたのかもしれません。
今、読み返して感じたのは、「死を想え」とは、本来、生きている意味を問う、前向きなものではないか、ということです。死があるからこそ、現在を精一杯生きていく、ことが大切なのでしょう。
一昨年、著者は「『メメント・モリ』が旧版のまま生き続けていることに違和感を憶えた。そう5分の1ぐらいが、今の空気を反映していなかった」と語り、新たな出版社から新版を出しています。でも、生と死というものは時代の空気で変化するとは思いません。本書のあとがきには、「この本は汚れれば汚れるほど良い」と書かれています。今後も、この旧版を時々読み返そうと思います。 -
ベタだと思われそうだし、あんまり言いたくなかったけど、影響を受けた本。写真を撮り出したのも、やはりこの本に出会ったからだと思う。
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「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ。」という言葉だけ知っていた。
図書館で何気なく開いたら丁度そのページ。真ん中でもないのに折り目がついているのは私の前に読んだ人達もこのページで立ち止まった証拠なんだろう。
「死の瞬間が、生命の標準時。」
「遠くから見ると、ニンゲンが燃えて出すひかりは、せいぜい60ワット三時間。」が胸にきた。
写真と言葉の組み合わせによる力強さ。命の広告文みたい。たまにはこういう本に触れなければ。 -
MEMENTO-MORI「死を想え」 死を意識することなどほとんどない生温い社会、生活の中に生きている自分には眩暈がするほど強烈。
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インドに傾倒するとか、してる人に出会うとか、人生のうち一度くらいそういう時期ってあるとおもうんです。インドが近くなる時というのが。私は高3のときでした。予備校の先生、といっても美大の4年生だったけど、この本をすごく勧められて読みました。衝撃はやはり、犬に食われる、の写真でしょうか。祖父がその前の年にICUで薬漬け、管だらけになり最期を迎えたので、病院で死ぬ、死んで犬に食われて土に還る、という両極端が妙にしっくりきたのを覚えています。本屋でみかけたら一度手に取って見てもいいと思います。
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人間は、自由だ。信じることもできるし、信じないこともできる。それを忘れたら、この本を開けば良いと思う。
20歳の頃に出会ったのですが、ほんとうに大きな衝撃でした.
20歳の頃に出会ったのですが、ほんとうに大きな衝撃でした.