- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797384369
感想・レビュー・書評
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難しくて一気に読めない
一気に読まないから内容がいまいち入ってこない。
テーマは面白かったし、この本を読んでいる間にいろいろ関連しているニュースにアクセスできて
「おお、このニュースってこの事じゃん」などあり、楽しい数ヶ月間でした。 -
ミクロの世界の量子力学を使って生命現象の不思議を解く。量子ゆらぎ、トンネル効果、などなど。量子コヒーレント状態を維持すると量子の働きが現れる。生物の体内では分子の衝突によってデコヒーレント状態になると思われていたが、短い時間間隔でもコヒーレント状態を保たせる仕組みがあるようだ。不思議な世界。
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生命は量子力学に頼っていると考える2人の研究者が最新の量子生物学について素人向けに解説しています。
前半の150ページほどを費やして、量子力学の不思議な世界観を初心者向けに丁寧に説明しており、特に二重スリットのくだりが秀逸で分かりやすい。
以前から個人的にとても興味をそそられている量子もつれの説明も面白かった。
何度か登場する「作ることができないものは理解したことにならない」というファインマンさんの言葉が印象的です。
現時点でも我々の技術では未だに生命を作りだせていない。酵素すら作れていない。
従ってどんな説も推論の域を出ないのだが、呼吸、光合成、嗅覚、渡り鳥の地磁気感知などに量子の振る舞いを利用しているという説は説得力がある。
遺伝子のコピーミス?である突然変異は何らかの量子ジャンプかも知れないという、シュレーディンガーの考察もすごいと思う。
植物は量子コンピュータ?人間の心は量子コンピュータ?といった話も出て来て興味がつきません。
科学の3大謎と言われる、宇宙の始まり、生命の始まり、意識の始まり。これらは、どのような仕組みか誰も知りません。
少し解ると、解っていないことが沢山出てくるので好奇心が膨らむばかりです。
量子力学のお勉強には、佐藤勝彦氏の"「量子論」を楽しむ本"がとても分かり易かったので、本書より先にこちらに目を通しておくと良いかも知れません。 -
生命、意識の起源を量子力学的なアプローチで説明しようとする試みは、自己言及のパラドックスを解決出来ずに終わっているAI感が否めない。
生命の機能を要素として説明しているが、結局全体を説明しきれず、細かなところは要素自体の説明も推論の域を出ない感じ。
量子の振る舞いに時間という次元がどのように関わっているのか知りたくなった。
喉に小骨が刺さったような読後感です。 -
量子力学が未解明なオカルト現象を説明してくれるのか?などと期待して読み始めましたが、そういう期待は文中できっちりと否定されます。でもこのタイトルの付け方は、素人がそんな勘違いをして本書を手に取るであろうことを計算してませんかね?新谷誠氏が帯で宣伝してるし……。
文章は少々冗長でクソ丁寧というか。読み通すのにかなり時間がかかった。それでも、生命現象の振る舞いで従来の生命科学では「不可解」な現象があったこと(鳥が地磁気を感知して渡りをする等)を本書で知ることができて、更にそれが量子力学を導入することによって解明できたというのはなかなかに面白いし知的感動を覚えた。とはいうものの、生命と非生命の違いは?意識とは何か?という革新的な問いに対する量子力学での解明はまだ成されていない、という終わり方で、スッキリはしなかった。 -
(途中メモ、雑記。)
↓超勝手な感想。なんの根拠もなーし。オカルトのつもりもなし。
修復するDNAやボディの話やら読んでるうちに、あるべき姿のバックアップのような、たい焼きの金型のようなものが置いてある次元が思い浮かぶ。
すると、ペンローズでもでてきたイデア論がしっくりくる。
Googleの人工ニューラルネットワークが見た夢が悪夢のようだったのは、計算処理上でイデアに接続する量子のもつれやらが介在していないことによるんじゃないか、と。イデアを背景にもたない機械処理は、あのGoogle"Deep Dream"やギーガの絵のような世界をもたらし、ホーキングやらが警告する人工知能が人間を脅かす存在となりえる可能性はこの欠落にあるんじゃないだろうか。(善や美のイデアとの未接続。)
Deep Dreamは統合失調のイメージを想起させたが、この疾病も脳のニューラルネットワークの調律具合、チューンの状態によるイデアとの断絶もしくはdisharmonyがみせるものだったり。
意識の還流するところはイデアである。
私程度でも読めて誤読の少なさそうな意識の発生についての本も、ちょっと読んでみよー。 -
最初のところすごいいんだよね。引き込まれる。定義として、生命と非生命を分けるのって何?量子力学的な見地を取り入れられているのかどうか?ってことなんだよ。ってところ。「福岡伸一、西田哲学を読む」と同時に読むと、ああ、動的平衡で話していることってつまり、量子的な効果の見えるコヒーレントな状況を作り出すということが先回りなんだろうなとか合点できて、読書の楽しみを満喫しているところ。読者は検証しなくて想像だけしてればいいからね。
ニック・レーンの生命、エネルギー、進化のほうが深みがあるし、しかも検証の程度も進んでいる。こちらは比較的量子力学と生命に関していろいろな話があるんですよということをまとめている。そんな本なので、例えば「皇帝の新しい心」にも触れなければならなくなって、でもサイエンスライターではないのでなかなか立ち位置が難しくなる。
量子力学、特に有名なスリットの実験の内容は、とても簡潔にわかりやすく語られている。この量子の特質の文章は後世に残していいレベル。
死んだ細胞>生きている細胞
っていう条件を作り出すことが、このアプローチの先にある気がする。鋼の錬金術師的なレベルですな。 -
書いてあること全て理解できる人というのは多いとは思えない。けっこう難しいというか、そもそも量子論なので直観的に理解できないので、そういうものか、と思える人向けか。
チョウやコマドリの渡りから、嗅覚、遺伝子、人間の意識から生命の誕生まで、初めて触れる量子生物学の世界は奥深く「これから」感が半端ない。
ほぼ事実として、 -
生命とは突き詰めれば複雑な化学反応で、化学反応を支配するのは量子力学だから、粒子の非局在化、トンネル効果、量子もつれなどが起きること自体は不思議ではないのかもしれないが、それが例えばヨーロッパコマドリの磁気受容のような生物の感覚に直結しているとは驚きだった。物理学に関係する部分はお馴染みのものなので読んですんなり理解できたが、生化学に関係する部分はよく分からない。科学の3つの謎は、宇宙の起源、生命の起源、意識の起源か。なるほど。2015年11月22日付け読売新聞書評欄。