- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797674262
作品紹介・あらすじ
イタリアにわたり40年余り。
ミラノ、ヴェネツィア、リグリア州の港町、船で巡った島々……。
暮らしながら観てきた、イタリアの日常の情景。
コロナ禍でも人への思いやりを大切にし、いつもの暮らしを守ろうとしてきた。
それは、中世から疫病と戦い公衆衛生の礎を築いてきた、半島に生きる人々の品格なのかもしれない。
近寄って、離れて。
普通の生活には、たくさんの物語がある。ひとつずつ丹念に観て、淡々と伝えるエッセイ集。
常に、新たな切り口でイタリアに対峙してきた内田洋子が2016~2022年、新聞・雑誌・ウェブに寄稿した文章から厳選。
ふだん着姿のイタリアが、ここにある。
(目次より抜粋)
1. 海の向こうで見つけたもの
おかあさん
モッツァレッラ
誕生日
オリーブ
下宿
ピノッキオ
紙
郵便配達人
2. 独りにつき添うラジオ
イタリアの品格
コロナ in イタリア
二月の立ち話
冬のサングラス
消えたコイン
二十八平米の南イタリア
3. 思いもかけないヴェネツィアが
深夜の散歩
干潟を横歩き
緑の海を渡る
間違いのない味
トリエステの北風
ミラノの椰子の木陰で
イタリアの島、瀬戸内海の島
あえてジョーカーを引く
沈むヴェネツィア
聖なる眺め
1959年、兵庫県神戸市生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒業。通信社ウーノアソシエイツ代表。欧州と日本間でマスメディア向けの情報を発信。2011年、『ジーノの家 イタリア10景』(文藝春秋)で日本エッセイスト・クラブ賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞。他の著書に、『カテリーナの旅支度』『どうしようもないのに、好き イタリア15の恋愛物語』『対岸のヴェネツィア』(集英社文庫)、『ミラノの太陽、シチリアの月』『ボローニャの吐息』『海をゆくイタリア』(小学館文庫)、『皿の中に、イタリア』(講談社文庫)、『イタリア発イタリア着』(朝日文庫)、『ロベルトからの手紙』、『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』(文春文庫)、『十二章のイタリア』(創元ライブラリ)、『デカメロン2020』(方丈社)など多数。訳書に『パパの電話を待ちながら』『緑の髪のパオリーノ』『キーウの月』(ジャンニ・ロダーリ著 講談社文庫)など。2019年、ウンベルト・アニェッリ記念最優秀ジャーナリスト賞を、2020年、イタリアの書店員が選ぶ文学賞 第68回露天商賞授賞式にて、外国人として初めて〈金の龍賞〉を受賞。
感想・レビュー・書評
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「あえてジョーカーを選ぶ」の話がとても良かった。転職活動に行き詰まっている自分に刺さる内容であった。
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一枚の美しい絵葉書のような
ショートエッセイ
イタリアだけは行ってみたいな
ブックオフにて購入 -
タイトルも内容も似たような本ばかりだからどれを買ったのかわからなくなる…。
最近の本の中ではちょっと長めの話が多くて良かった。古い連載を後に持ってくる構成だったのは一編一編の長さのためかな。でも「WEBでも考える人」の連載だと日本で買ったインクの話があったような覚えがあるんだけど、収録されてないな…? -
内田洋子さんの本は、上質な絵画を観ているかのよう。
物語かと思うほど情景や人が美しく、読みながらうっとりする。
通勤電車ではなく、新宿御苑でレジャーシート引いて、美味しいカフェラテを飲みながら、ゴロゴロしながら読んだらさぞ素敵だったはず。
秋にぴったり。夏に読んだら夏にぴったり。
電車のアナウンスやベルでハッと気づいて現実世界に戻ってくると、自分の生活のガヤガヤやセカセカが際立ち、本当に同じ世界の生活の話?と信じがたくなる。
あとがきにある通り、イタリアの「音や匂い、木陰や日向の温もり」を感じ、「とびきりの眺め」に出会える、良質な一冊。 -
筆者のスッキリとした書き味が好み。
文章も長くはなく、少しづつ読み進めることができる。
よく出てくる土地や場所馬あるが、バールや知り合いの伝手を活かし色々な話が出てくるのが面白い。 -
「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」の著者であり、それから読み始めた内田洋子さんの最新作。以前読んだ「カテリーナの旅支度」の方が、人間描写が生き生きと陰影が濃かった分、イタリアという国の空気感が伝わってきて、個人的には興味深く読みました。
本作はコロナ禍で人との直の交流が絶たれた時期に書かれたせいか、人の体温まではなかなか伝わらず、著者自身も現場に行けない想いをあとがきで触れていらっしゃいました。 -
東2法経図・6F開架:293.7A/U14i//K
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内田洋子の最新作。装丁の色が鮮やか。
日本経済新聞等の新聞に書かれたもの、および、「Webでも考える人」という新潮社のサイトに書かれていたものが1冊にまとめられたもの。
日本経済新聞に書かれていたものは、2021年7月から12月まで連載させていたもの。時期的には、コロナ禍が始まってから1.5年くらいが経過した時点のものであるが、まだまだ警戒が続いていた頃である。イタリアでのコロナ禍の様子がよく分かる。
本書に書かれたエッセイは、1編1編が短いものである。日本経済新聞に連載されていたもので言えば、余白が多く字も小さくない本書でも、3ページ程度のもの。内田洋子のエッセイは、けっこう沢山読んでいて、とても好きな作家なのであるが、これくらい短いエッセイでは、彼女の良さがあまり出ない気がする。ある程度、起承転結のあるストーリーが語れる長さがあると、とても面白いエッセイを書かれるのであるが、本書のエッセイでは、残念ながら彼女の持ち味が出ていない。 -
ほぼイタリア人といっても
過言ではなさそうな著者がみた
コロナ禍のイタリアの姿
海があって 歴史があって
魅力的な人々で 料理までうまい
正直かけてるものが なさそうに思える
ぼーっとしてるだけで満足してしまいそう
そう思うのは 私が年いったからかなぁ なんて