ブレードランナー証言録 (インターナショナル新書)

  • 集英社インターナショナル
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797680393

作品紹介・あらすじ

『ブレードランナー証言録』Amazon

映画『ブレードランナー』の舞台となった2019年に緊急発売!

SF映画の概念を変えた『ブレードランナー』シリーズの製作に深く関わった、
脚本家、アニメーション監督、批評家の四人への独占インタビューを収録。
映画誕生秘話や製作裏話など、知られざるエピソードが満載。
「デッカードはレプリカントか人間か?」「フィリップ・K・ディックの原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の影響」など、疑問、定説、伝説を徹底的に追究する。

【内容】
第一章 『ブレードランナー』を生み出した俳優・脚本家 ハンプトン・ファンチャー
ブレードランナーとノワール/デッカードはレプリカントか?/ドィニ・ヴィルヌーヴは天才だ/フィリップ・K・ディックを探して/映画は原作とはまったくの別ものだetc.

第二章 続編『ブレードランナー2049』の脚本家 マイケル・グリーン
『2049』のエンディングは脚本通りだ/SFの悪党がロール・モデルになるとき/レプリカントの人間性/ブレードランナーは進化する作品だ/Kのキャラクターはライアン・ゴズリングしかいない/リドリー・スコットと『2049』etc.

第三章 短編アニメ『ブレードランナー ブラックアウト2022』の監督 渡辺信一郎
『ブレードランナー』は現実に感じられた/詩から発展する映画/『2049』製作現場で目にした光景/『ブラックアウト 2022』が生まれるまで/ハリウッドの洗礼etc.

第四章 『メイキング・オブ・ブレードランナー』の著者 ポール・M・サモン
『2049』は綱渡り的な作品だ/スピンオフは素晴らしいマーケティング戦略だ/売り上げの数字は嘘っぱちだ/時代を先取りしすぎた『ブレードランナー』/ハリソン・フォードはハリウッドでも最高に知的な人物だ/バンド・デシネの影響/AIは人類にとって危険なものになりうる/グローバリゼーションへの警告etc.

解説 中条省平(フランス文学者、学習院大学文学部教授)

編・訳者プロフィール
大野 和基(おおの かずもと)
国際ジャーナリスト。1955年、兵庫県生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学ぶ。現在、医療問題から経済まで幅広い分野に関して世界中で取材を行う。『英語の品格』(ロッシェル・カップとの共著/インターナショナル新書)、『代理出産―生殖ビジネスと命の尊厳』(集英社新書)などの著書、『お金の流れで読む 日本と世界の未来』(ジム・ロジャーズ/PHP新書)などの訳書がある。

感想・レビュー・書評

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  • 2049は観ていないけれど、ブレードランナーは好きな映画だ。原作の電気羊も好き。人間性について考えるのがいいんだと思う。
    揺れ動く多様な解釈を聞くのも楽しいので、デッカードのレプリカント問題は常に宙ぶらりんでいてほしい。

  • 証言録のタイトルの通り、インタビューの記録が記されている。インタビューされている人も、話の中で名前が挙がる人も全然知らなかった。もっとSF周辺の映画の知識つけて、ブレードランナーを再視聴したら再挑戦したい。

  • ブレードランナー、およびその続編に関わった人々の証言集。ブレードランナーがいかに異形な作品であったかがわかる。個人的には、ファンチャーの脚本作成術(最初は詩?)と、ブラッドベリからディックを紹介してもらった話がツボでした。私はディックが苦手だけど(読み通せない数少ない作家)ブレードランナー製作陣も苦手な人が多かったようで、安心?した。

  • ブレードランナー及び2049の創造に関わった人たちらのインタビュー録。知らない人が多かった。インタビュアーの力量と愛を感じた。
    2作とも(ブレードランナーは複数バージョンがあるが)気に入っており原作も好きなので、それぞれのそれぞれに対する感じ方に嬉しかったりショックだったりした。
    ブレードランナーに造詣がある人は物足りなさを感じるかもしれないが、普通のファンとしてはさらに愛が深まる証言録。

  • それほどの内容じゃなかった。

  • ブレードランナー証言録

    ハンプトン・ファンチャー
    マイケル・グリーン
    渡辺信一郎
    ポール・M・サモン:著
    大野和基:編集・翻訳
    2019年6月12日発行
    インターナショナル新書(集英社)

    ブレードランナーの映画化権取得費用は、わずか2000ドルだった。
    ブレードランナーは公開後10年間酷評され、赤字だったので回収のため左右カットした画像でテレビ放映した。公開版を見なかった若者がその映像に魅了された。
    デッカードが人かレプリカントか?リドリー・スコットは何度も考えを変えた。撮影中ですら変えたかもしれない。

    「ブレードランナー」及び「ブレードランナー2049」について、国際ジャーナリストの大野和基がインタビューしたもの。4人とは、
    ①「ブレードランナー」の製作総指揮と脚本、「2049」の原案と脚本を担当したパンプトン・ファンチャー、
    ②「2049」共同脚本のマイケル・グリーン
    ③「ブレードランナーの後日談を描く短編アニメ「ブレードランナーブラックアウト2022」監督の渡辺信一郎
    ④「ブレードランナー」研究所の最高峰「メイキング・オブ・ブレードランナー ファイナル・カット」著者のポール・M・サモン
    最後のポール・サモンへのインタビューが最も面白かった。


    (以下、メモ)

    ①ファンチャー
    ・原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」は気に入らなかったが、映画にすると面白くなるだろう
    ・近未来のLAで様々な言語が飛び交う様子は脚本アイデアではなく、ガフを演じたエドワード・ジェイムズ・オルモスのアイデア。「シティ・トーク」と呼んだ。
    ・P・K・ディックがフランスの会社に与えていた映画化優先権の期限が切れて、運良く友人のブライアン・ケリーが2000ドルで取得
    ・ディックはパラノイアに見えたが、薬物の影響か、元々の性格かは不明
    ②グリーン
    ・リドリー・スコットは、デッガードはレプリカントだと自分の考えを明らかにしている
    ・「2049」を共同脚本したファンチャーに初めて会ったのは、映画の撮影がすべて終わったあとだった
    ・「2049」では、リドリー・スコットは最後までアドバイス役に回った。監督のドゥニ・ヴィルヌーヴと話し合い、とても気に入っていると言っていた。いわば作品全体の教授でもあり、ゴッドファーザーでもあった

    ③渡辺信一郎
    美術畑のリドリー・スコットはセットにすごくうるさく、いくらスタッフが作り込んでもOKしない。予算もなくなり、困ったスタッフがLA近郊のジャンク屋をまわって鉄くずを買ってきて片っ端からセットにくっつけまくっていったらOKが出た

    ④サモン
    ・「2049」のオリジナルカットは4時間近くあったが、3時間近くまで縮めた
    ・映画の編集は、昔は何ヶ月もかけていたが、今は数週間。「2049」ももう少し、あと2,3ヶ月はかけて完成版の尺を短縮してほしかった。最終版はちょっと長すぎる
    ・「2049」はタルコフシキーがフィリップ・K・ディックと共演する映画
    ・「ブレードランナー」は公開から10年もの間、批評面では荒野の中にいた。その10年間にビデオの最初期のソフトとして世に出た。あまりに赤字だったので、少しでも投資を回収するために、CBSテレビや初期の頃のケーブルテレビでも放映。映画館で見ることができなかった世代が、左右を切ったブラウン管サイズの質の悪い「ブレードランナー」を見て魅了された
    ・リドリー・スコットは、ブレードランナーが大人のためのヘヴィ・メタル・コミックであることをみんな理解してほしいと何回か言っている
    ・デッカードがレプリカントか人間か、リドリー・スコットは何年にもわたって考えを変えてきた。撮影中ですら変えたかもしれない。ハリソン・フォードは、「人間であるはずだ、私は観客と映画を感情的につなぐ存在であるはずだ」と言っている

  • 2049が語られているけれど『別冊映画秘宝ブレードランナー究極読本&近未来SF映画の世界』より薄い

  • 当方、マニア的立ち位置にいないので、この本はそれなりに楽しめたかと。
    結論を明示せず、混沌さを残した前作の方が優れているということだと思う。そしてアメリカってある意味、見切られた、まさに「マーケット」なんやね、アーティスティックな映像関係者にとっては。
    分かっていたこととは言え、再確認できました。

  • ブレードランナーとブレードランナー2049の両脚本家のインタビュー

  • ブレードランナーに携わった主要人物へのインタビュー集。新書サイズで、あっという間に読み終わってしまう。
    『メイキング・オブ・ブレードランナー』も読まなくては。
    夏休みの宿題のつもりで、分厚い本も読み始めた。

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