自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術 (ディスカヴァー携書)

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
3.40
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784799327753

感想・レビュー・書評

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  • とある本屋の、本棚の角に積まれていて。
    なんとなく、これは呼ばれたなーと思って手に取った本だった。

    学生ならレポートや論文、社会人なら企画書なんかを書く以前に、自分が自分の〈ことば〉で書くことに、違和感を覚えた人にはオススメかも。

    小学生の時の作文から年齢を重ねて、客観性とか批判性、エビデンスが大事と言われてきたし、そう思っていた。
    でも、筆者の言う、書きたいように書くことに立ち戻る意味は、よく分かる。
    書く以上、他者を想定するわけだけど、伝えたいという表現の根本には「自分」がいるわけだから。
    まぁ、伝えたいだけでもダメなのだけど……。

    ただ、この本のもっとも推したい所は、末尾に掲載された、千葉くんという高校生の変容だ。
    学校に対する不信感、書くことに対する苦手意識を持つ千葉くんが、「一人でいることと私」というテーマと悪戦苦闘?する。
    回を重ねるごとに、一人でいること、への視野が広がり深まっていく様子は、なかなか、読んでいて感動を覚えた。

  • 伝えたいことをうまく表現できないもどかしさから手に取った。
    思考と表現することはサイクルが必要、というのは、自身の思考しては書くを繰り返すことで文書が洗練されていく経験からも、強く共感できた。
    また、他者から質問を受けたり、逆に考えを聞くことで自分にはない視点に気づき、より具体的に表現することに繋がるのは、試してみたいと思った。

  • 伝えたいことは理解できる。
    「表現をする」とは「言葉にならぬ何か?」を他人に語りを試みて、再び自身に映し出すことで、次第に形にしていく作業。言葉を創る作業。

    しかし、それが非常に読みにくい。観念先行。
    ほぼ日で連載されている山田ズーニーさんの文章の方が伝わってくる。なんなのだろう。この違い。

  • オーディブルで拝聴。オリジナリティや自分にしか伝えられないことは自分の中から湧いて出てくるのではなく、他人とのやり取りの中から見えてくるものである。ラリーをする相手がいないとそれは磨かれていかない。あるいは、多数のコメントか。
    ところで「真剣に語り合う」みたいな機会はどこにあるんだろうか。それが見つかるまでいろんな組織に首を突っ込んでみることが必要だろうか。

  • 自分のことばをつくる

    そのために大切だと思ったのは2つ。
    まずはなぜ?と自分のことを掘り下げること。
    これは意識していないとできないことだ。

    なぜ自分はこのことに興味があるのか。
    なぜ好きなのか。なぜ嫌なのか。
    日常で感じる自分の心はなぜこのことに反応するのか。
    そうやって深掘りしていくことで
    自分への納得感が高まり、経験がさらに
    自分ごととして昇華していくのだと思う。

    次に、やはり対話だ。
    表現、というからには相手の存在が欠かせない。
    表現する力とは伝える力でもあり、
    相手を見る力でもあるのだなと思った。

  • 田中泰延氏の「読みたいことを、書けばいい」と「会って、話すこと」、阿部広太郎氏の「心をつかむ超言葉塾」などの自己表現術の本と、岸見一郎氏の「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」で紐解かれたアドラー心理学を読んでいたことで、本著の内容がスッと入ってきたというのが、個人的な読後感である。

    おそらく、自分の想いを形にして表現するという作業の本質的な部分には、通底する哲学があるということなのだろう。
    そして、そういうもの求めている分、そういう哲学に会う機会も増えているのだと思う。

    そしてもっと「表現したい」自分がいることにも気付かされるのだった。

  • 言葉で表現するには、自分の考えていることを明確にすること(思考)と、他者に分かりやすく伝えること(表現)の、二つのプロセスがあるそうだ。アウトプットして他者とやりとりすることで、自分のオリジナリティが出来上がっていくという。自分の深い考えにたどり着くのも、他者に的確に誤解なく伝えるのも、つきつめていくとなかなか出来ていないことに気付く。失敗を恐れず、アウトプットを重ねていきたい。

  • 「あなたは何がしたいの?」作品制作で求められるオリジナリティだったり、独自性。
    体系的に考えられる要になる本です。
    しかし、方法の本なので、何をするかは「自分の次第」ではあります、、、、。
    写真学科2年

  • 23/9/18-23/9/18
    自分の〈ことば〉をつくる
    P46問題意識を中心にさていろいろなことを考えるようになる このことがすなわちあなたにとってのテーマ
    P52経験のポートフォリオ化
    P66なぜを問う
    P88思考と表現による往還が問題意識を持ち、テーマを発見していくための唯一の方法
    →いまいち掴めず

  • 自分自身の考えていることを自分のことばによって自分のテーマとして相手に伝えるための表現という活動をはじめるための本。

    自分が「考えていること」をそのまま「ことば」にするために必要な事項について書かれた本。

    <まえがき>
    何かを表現するときにもっとも重要なこと。
    =「自分の”ことば”をつくる」ということ。
    ➡自分でなければできないことを表現するということ。

    自分の”ことば”を発見する。
    ➡それぞれの社会で相手とのやり取りの中で、表現すべき内容と自分との関係にしっかり向き合うこと。

    自分の”ことば”をつくるためのポイント)
    ・自分の中にあることば(考えていること)をどのようにしてじかくするか。
    ・ことばをどのようにして他者に伝えることば(表現)にするのか。

    自分にしか語れないこと。
    =「自分のテーマ」

    自分のことばで語るために大切なこと。
    =とにかく「ことば」にすること。

    難しいこと)
    ・「考えていること」を「ことば」にするプロセス。
    ・自分のテーマを持つという実際の感覚。

    <第1章 自分のテーマを発見する>
    何かを表現する。
    ➡自分のテーマを自分のことばで語ることがもっとも大切。

    表現する。
    =自分自身を表すこと。
    ➡自分にしかできないこと。

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著者プロフィール

早稲田大学大学院文学研究科課程修了(博士(教育学))。信州大学、金沢大学等を経て、早稲田大学大学院日本語教育研究科教授、2013年退職。現在、早稲田大学名誉教授、言語文化教育研究所八ヶ岳アカデメイア主宰。専門は、言語文化教育学、日本語教育。
[主な著書]
『日本語教育と日本事情――異文化を超えて』(明石書店、1999年)
『日本語教育は何をめざすか――言語文化活動の理論と実践』(明石書店、2002年)
『「ことばの市民」になる――言語文化教育学の思想と実践』(ココ出版、2012年)
『対話をデザインする――伝わるとはどういうことか』(ちくま新書、2019年)
『自分の〈ことば〉をつくる――あなたにしか語れないことを表現する技術』(ディスカヴァー21、2021年)
『「活動型」日本語クラスの実践――教える・教わる関係からの解放』(監修・共著、スリーエーネットワーク、2022年)

「2022年 『共生社会のためのことばの教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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