響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 (宝島社文庫)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800274892

感想・レビュー・書評

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  • キャラクターそれぞれが求めるものに葛藤を設定することで、ぶつかりあう人間関係をどう解消させていくか
    というドラマづくりはこれまでの作品同様。
    ここでは主人公が中間の二年生になるので、これまでにはなかった真ん中の視点から
    同じユーフォパートの「実力はまだそれほど高くないけれど、人間的にはよくできた先輩」夏紀と
    「優秀で、実力があるのにこれまではそれで人間関係で割りを食ってきた後輩」奏の間の葛藤が
    描かれている。こういう対立軸が作品の中にいくつかあって、それらが同時並行的に進むという作品。
    もう一つは、前作から引き続いての「友達に依存する性格だけど、努力と才能を兼ね備えた」みぞれと、「より自立的な性格で、相手を今まではひっぱってあげている立ち位置ではあったけれど、みぞれほどの才能はなかった」希美の葛藤。
    それぞれにとてもリアルに心情が描かれながら、その葛藤をとても良い所に落とし込んでいくので読んでいて熱い気持ちになれる。

  • 感想は1巻に

  • 主要キャストそれぞれの内面や関係性がエモい

  • 2年生になった久美子。今までとは違った苦労や成長があって、青春だな~と思う。あすか先輩不在は寂しいけれど、同じメンバーでコンクールに出られるのは一度きりというのも学生ならではで、これまた青春だな~と思う。

  • 映画「リズと青い鳥」と、劇場版「誓いのフィナーレ」の内容が合わさったお話。両方とも映画は視聴済み。
    ユーフォに入ってきた久石奏、なかなかの曲者なんだよなー。夏樹先輩の実力が自分より下だと思って馬鹿にしているのかと思いきや……。
    頑張って練習していて、しかも3年生なのに、先輩を差し置いて自分がAメンバーに選ばれたら周りからの声に出ない反感(?)を恐る。
    その気持ち、分かるけど、実力主義の滝先生の元で1年間学んできた2・3年生なら、そんな事思わないでしょ。それに、久美子が言っていたように、毎日パート練習で一緒にいる低音パートのメンバーは、奏の実力を認めているし。夏希先輩と本音でぶつかった結果、3人ともAメンバーに選ばれて良かった。

  • 久美子が2年生。
    複雑な人間関係をうまいことほどいていく。
    久美子ほんまに相談所やわ!

  • アニメから後追い。意外にも三人称叙述なのでアニメの軽さは控えめで、青春小説の趣が強い。長尺を弛まぬマクロな構成力と、フェティシュなまでのミクロな描写力のコントラストがおもしろい。

  • 久美子が2年生になったおはなし。あすか先輩も卒業し新3年生の執行部のもと全国金賞を目指す。新入生も癖のある面々で色々と波乱も。
    劇場版の内容の前半分という感じで安心してみ読めました。
    久美子を始めとする面々がそれぞれ成長している姿を見るのはやはり青春もんだなと。

  • 部活にかける青春。楽しいねぇ。今回は久美子の話は少なめで1年生メインだね。まぁ、気持ちはわかるよね。確かに、長時間練習してる方が頑張ってるように見えるもん。これが日本の長時間労働もおんなじ構造だよね。低音チームが収まってよかったね。先輩も入れたし。次はみぞれの話かな。のぞみも辛いよね。

  •  『2017年 9月 9日 第1刷 発行』版、読了。


     久美子、二年生編の前編です。

     このシリーズは短編集を除いて、本筋に当たる主人公の久美子一年生編を順当に読んできました。

     本作の前に刊行されている短編集は未読です。


     この前編は、主人公が二年生となり新入生が入学および吹奏楽部に入部して、サンフェスを経て、Aの選抜オーディションの結果までを描いております。

     ひとくせもふたくせもある新一年生に、二年生に進級した主人公たちの群像劇を中心に物語が展開しております。


     ……の割には、プロローグとエピローグではみぞれ&希美がクローズアップされておりまして、この本作で、この二人が(再び)どのようなキーパーソンになるのか、興味をもって読み進んでいたのですが……どうやら後編に持ち越される流れでした。

     ちなみに一年生編で在学していた三年生(本作では卒業生)の面々は登場せず。それぞれのキャラの中で、思い出したり、会話の中では登場したりする程度でした。


     それにしても新一年生ズが、キャラが濃い面々で目立ったり。あるいは加部ちゃん先輩のエピソードや中川先輩と奏との衝突など、読みどころエピソード満載でした☆

     そしていつの間にやら「黄前相談所」と呼ばれたりで久美子が大忙しとなっていました(^-^;;

     そんな中でも緑の人柄が際立って、ポジティブに輝いていたりで……とりあげるとキリがありませんww


     自分は本作を手にする前に、劇場版アニメを鑑賞しておりましたので、大方の展開は知っていたのですが、この原作小説の良いところを、ギュッと濃縮した劇場版アニメも大好きです♪

     ……とはいえ、上映時間の都合でカットされてたりアレンジされていたりしていたのを、本作を読了して、はじめて知りました☆

     特に、本作終盤の選抜メンバー発表の場面では、ほろりと涙がww

     引き続き、後編を読み進めていきます!

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著者プロフィール

1992年京都府生まれ。第8回日本ラブストーリー大賞最終候補作に選ばれた『今日、きみと息をする。』が2013年に出版されデビュー。『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』がテレビアニメ化され話題に。同シリーズは映画化、コミカライズなどもされ人気を博している。2020年に『愛されなくても別に』が第37回織田作之助賞の候補に、また2001年には同作で第42回吉川英治文学新人賞を受賞。その他の著作に、「君と漕ぐ」シリーズ、『石黒くんに春は来ない』『青い春を数えて』『その日、朱音は空を飛んだ』『どうぞ愛をお叫びください』『世界が青くなったら』『嘘つきなふたり』などがある。

「2023年 『愛されなくても別に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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