- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800300195
感想・レビュー・書評
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一般書。
著者は日本中世史専攻の若手研究者だけど、面白い。
「一味神水」について、「そもそも起請文は、神罰への恐怖という精神的呪縛によって誓約内容を遵守させるための文書である」。
「なぜ起請文を燃やして灰にして、それを神水に混ぜて飲むという儀式が必要なのか、という点が問題になる」など、一般書であるが我々の興味を引き出してくれる。
我々は起請文を通じて、及び起請文の使われ方から日本人の精神史を窺い知ることができる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ネットワーク分析っぽい帯に惹かれて。
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日本史の教科書で習った一揆のイメージが変った。
農民だけでなく僧侶も武士も一揆をしてたとはねぇ。おもしれぇ!
中世一揆の事例を参照しつつ一揆の本質は「人のつながり」という現代のSNSに通じる仮説を考察した内容。
何よりおもしろい点が2つ。
一揆は革命でも階級闘争でも反権力でもなく体制内改革(待遇改善や管理者の罷免)の要望だったという点。
もう1つは契約の視点から一揆を読み解いた視点。
これは斬新だった。結社の方法が中世の時代に広くあったとは驚きだった。 -
中世の日本と現代の日本に同じ「縁の希薄さ」の空気感があり、方や一揆を結ぶことで、方やSNSでつながることで新たな「絆」を創り心の安寧を得る。このことが示唆することは多い。
一揆に対する全く新しい視点を得ることができた。こういうことがあるから、本を読むことは辞められない。