- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800314451
感想・レビュー・書評
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受検をするためのHowTo本というよりも、子どもの教育について考えるための面白い本だった。
中学受検や教育に関わる5人の専門家と、著者が対談する。
前半の小川さん、齋藤さん、安浪さんは塾の先生、受験界の達人として、きれいごとではない受験の実態が聞ける。
かなり赤裸々に塾事情や、受験についての知識をシビアに語っている。きれいごとでもないところが面白い。
ビジネスとしての塾。子供との向き合い方だとか。
中学受検への向き合い方がそれぞれの人によって考え方が違う。ただ、皆腹が据わっていることが共通している。それは大変なことを子供にさせるという意味では意見が一致している。
後半の宝槻さん、竹内さんは、中学受検への議論というよりも、本質的な学習。自主的な自分で考えられる子供を育てるのにはどうするか。どちらかというとかなりハイスペックな人材を育てるための話だと思った。
宝槻さんは、お父さんの方針で、高校にいかずにに京大に受かった3兄弟の次男ということからして、
「公立だろうが、私立だろうが、中高一貫校だろうが、どの学校に行っていたかという事はあまり関係ないですし、大学受験の結果を左右するものではないというのが僕の立場です」
という、実力主義、自信がすごいなと感嘆。
でも、こういう意見を聞くと、よくわからない受験界のルールだとか状勢に振り回されることがあほらしくなってくるから、いわば受験している人達の頭を冷やすことができのではないかと思う。
受検としての割り切った勉強と、本来の意味での楽しい自分のための勉強が両立するといいのにね。
「勉強する」ということが、
嫌なことに耐えられること=将来、嫌な仕事にも耐えられる
というロジックで、就職するための修行のよなもの。
と理解してしまっていることがあほらしくなる。
本来、自分の中の知的好奇心がうまく引き出されてやるものが「勉強」なんだろうな。と思わされる。
いい本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いろいろと、矛盾を突きつけられる内容でした。
たしかに、子供自身の「主体性」でもって志望校を決める(あるいは中学受験をするかどうかを決める)ということが理想である一方、まだ小学校4年生の児童にはそこまで情報を精査して判断する能力も経験もなく、結果として親の意向が強く反映されてしまうこと。
画一的な詰め込みの教育システムに疑問を持ち、公立中学校ではなく私立の一貫校に受験させようとするときに、画一的なシステムによる教育が行われる大手の受験塾に通わせなければ合格が難しい、という事実。
それぞれの子どもの数だけ個性もあり、小学生の段階で「受験」というハードルを経験させることが、その子にとってプラスになるのかどうか。
蓋を開けてみなければ(実際に受験をし、入学してみなければ)中学受験が子どもにとって必要な機会だったかどうかはわかりません。
子どもに親のエゴを押し付けるのではなく、塾任せにするのでもなく、コミュニケーションをとりながら結論を出すことが必要である、ということはわかりますが、そのためのシステムやハウツーはありませんから、結局悩みながら当たって行くしかないのかな、と思います。
まずは身近にいる中学受験生のパパ、ママとの情報交換や、塾の教室見学に志望校の文化祭見学など、前向きな努力ができる(子どもも大人も)環境作りも、そのうち考えてみたいですね。 -
非常に参考になった。
迷っていたけど、中学受験はやめようと思った。
メリットよりデメリットの方が大きい。 -
非常に参考になった。
まあ読んでも読まなくても突き進んでしまったわけだが。 -
5人の教育界の著名人(知らない人もいましたが)の対談形式。
塾の裏側とか、探求学習への世の中の流れとか、いろいろ。
うちは中学受験するかわからないけれど、探求学習はさせたい。
以外覚書
中受のメリット
学力や精神の成長
中受のデメリット
成熟度が低いのに受けて
親子関係崩れる
トラウマになる
親も子も「この程度」と思い込む
21世紀型入試
基本的な知識技能と、論理的な思考と表現が、必要
焦点を絞ったテーマについて積極的に対話
読み書きを日常的に行う環境
家族以外と話す 正確に話さなくても意味が伝わるから -
学校選び、塾選び。他の習い事はどうするか。決めなければいけないことは多い。
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内容はかなりのボリューム。中学受験のプロ、幼児教育のプロが様々な確度から意見を述べている。私見だが、いいとこ取りが理想だけど、ハイブリッドな教育法を思案するばかりに子供に負荷をかけてしまうのが一番ナンセンスであると思う。
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読了。中学受験を考えている親は、このような本を読んでいるのかなと思った。貧困とははるか遠くの世界のように感じた。