反ワクチン運動の真実: 死に至る選択

  • 地人書館
3.79
  • (8)
  • (2)
  • (6)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 126
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784805209219

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この人たちのせいでなくなった命があるかと思うと怒りに震える

  • 子供の時に予防注射をやったけれど、それでどうこう言うことは無かったと思います。
    いつの頃からか、予防注射をすることに疑問が持たれ、
     接種しない風潮になっているようですが、正しい選択なんでしょうか?
    予防接種・ワクチン接種をしたことでほとんど撲滅した病気の怖さを今の世代の人は知りません。
     本当に病気にかかるリスクと ワクチンの接種によるリスクが、多くの親に正しく認識されることは重要です。
    全然知らない内容なので、ぜひ知りたいと読み始めたのですが・・・、
    本書では、子供が病気で苦しむ話から始まったので、途中までしか読むことができませんでした。

    ・ ロタウィルスワクチン
    参考 http://www.miyacli.com/vaccine/aboutrv.html
    予防接種(ロタウィルスワクチン)について - 医療法人社団俊智会 みやたけ 』 : 

    2018/7/5 予約 7/15 借りて読み始める。最初の方だけ読んで中止。

  • 子供の時に予防注射をやったけれど、それでどうこう言うことは無かったと思います。
    いつの頃からか、予防注射をすることに疑問が持たれ、
     接種しない風潮になっているようですが、正しい選択なんでしょうか?
    予防接種・ワクチン接種をしたことでほとんど撲滅した病気の怖さを今の世代の人は知りません。
     本当に病気にかかるリスクと ワクチンの接種によるリスクが、多くの親に正しく認識されることは重要です。
    全然知らない内容なので、ぜひ知りたいと読み始めたのですが・・・、
    本書では、子供が病気で苦しむ話から始まったので、途中までしか読むことができませんでした。

    ・ ロタウィルスワクチン
    参考 予防接種(ロタウィルスワクチン)について - 医療法人社団俊智会 みやたけ
     http://www.miyacli.com/vaccine/aboutrv.html

    2018/7/5 予約 7/15 借りて読み始める。最初の方だけ読んで中止。

    反ワクチン運動の真実: 死に至る選択

    <i>内容と目次・著者は</i> → [more]

    <span style="color:#009900;">内容 :</span> 原タイトル:Deadly choices 原著2014年版の翻訳
    人々を救うはずのワクチンを、恐怖の対象にしてしまったのは誰なのか?
    反ワクチン運動は子どもたちが不必要に苦しむ原因をどのように作ってきたのか、そしてワクチンに対する意識を変えるためになにができるかを論じる。

    エビデンスなき薬害説、ワクチンも薬も否定する医師、訴訟、けいれん、偏向報道、知らなかった……今の日本と同じ過去。
    あなたの不安をやさしく包むフェイクニュースに一生モノの「免疫」をつける一冊!
    ― 村中璃子 (医師・ジャーナリスト、ジョン・マドックス賞受賞、近著『10万個の子宮』

    今も、静かな、命に関わる戦争が続いている。
    戦線の一方には、毎週のようにワクチンが危険だという話を聞かされている親たちがいる。
    もう一方には、ワクチンを打たない人々に毅然とした態度を取り始めた医師たちがいる。
    対立の真ん中にいるのは、免疫がないまま取り残された子どもたちだ。
    人々を救うはずのワクチンを恐怖の対象にしてしまったのは誰なのか?
    アメリカで最も成功した市民運動の歴史と真実。
    原著:Deadly Choices: How the Anti-Vaccine Movement Threatens Us All (Basic Books 2010/2014)

    <span style="color:#009900;">目次 :</span>
    日本語版へのまえがき
    2014年版へのまえがき

    はじめに
    プロローグ
    第一章 恐怖の誕生
    第二章 このイングランド
    第三章 粗雑な混合物
    第四章 ルーレット再び
    第五章 天使も絶望の涙を流す
    第六章 正義
    第七章 始まりは過去
    第八章 共有地の悲劇
    第九章 殺しの季節
    第一〇章 ボブ先生
    第一一章 信頼
    エピローグ

    訳者あとがき
    原注、参考文献、索引

    <span style="color:#009900;">著者 :</span> ポール オフィット
    1951年生まれ。医師、医学博士。フィラデルフィア小児病院ワクチン教育センター長。
    ロタウィルスワクチンの開発者の一人としても知られる。
     

  • 反ワクチン活動の影響を受けているのはイングランドとアメリカだけではない。複数の研究で百日咳にかかる確率は反ワクチン運動で予防接種を中断した国(スウェーデン、日本、ロシア連邦、アイルランド、イタリア、オーストラリアなど)では中断していない国(ハンガリーとポーランド)に較べて10倍から100倍高くなっているのが明らかになっている。

    反ワクチン運動が始まったのは1973年のロンドン、小児科医のウィルソンはDTPワクチンの副作用として50人の子供達の内22人が精神障害かてんかんを発症したと発表した。この結果79%あった接種率は77年には31%に急落し、10万人以上が百日咳にかかり、5000人が入院し200人が重症化し36人が死亡した。しかしこの死者数はワクチンを勧めなかった家庭医が死因を正確に報告しないことで歪められていた。ほとんどの場合呼吸器疾患として百日咳は言及されず、200例は乳幼児突然死症候群SIDSとされていた。実際の死亡数は600人だった。

    適切なコントロール群を用いてリスク評価を行ったというミラーの研究によればDTPワクチンを3回接種した子どもの1万人に1人が永久的な脳損傷を起こしたという。しかし驚くほど多くの訴訟を起こしたこの研究は追試の結果完全に否定された。ウィルソンの報告の内2人は問題となった百日咳ワクチンは打っておらず、ミラーの研究報告もすべてのデータが揃う前に発表されていた。脳損傷を受けたとされた7人の内3人は正常で、3人はウイルス感染が原因で残る1人はライ症候群だった。

    反ワクチン運動の拡がりはイギリスの研究に答えが出る前、1982年NBC系のドキュメンタリー「DPTーワクチン・ルーレット」から始まった。この番組を企画したリア・トンプソンはのちに様々な賞を受賞したが、この放送は不適切なあるいは誤った引用や畑違いの専門家を用い、ワクチンが原因でてんかんが発生するという印象操作を行い、百日咳のリスクを過少に見せるものだった。CDCの指摘に対しトンプソンは「この国では百日咳はほぼなくなりつつあります」と主張したがこの年3000人が入院し10人が亡くなっている。その後の結果は上に書いた通りだ。

    この本の主人公とも言えるバーバラ・ロー・フィッシャーはこの番組を見て息子が4回目のDTPワクチン接種を受けた夜に容態がおかしくなったことを思い出した。同じく番組を見たキャシー・ウィリアムズ達と共に立ち上げた「納得できない親の集い/DPT」は後に全米ワクチン情報センターと名を変え怒れるフィッシャーはこの後30年アメリカの親たちにワクチンは言われているよりもはるかに危険なものであると納得させるためにエネルギーを使いそれは成功した。

    ワクチンに副作用はつきものだ。例えばサビンのポリオワクチンはウイルスの培養を繰り返し弱毒化するものだが250万回に1回ウイルスが増殖しアメリカでは毎年6〜8人が罹患した。薬品で不活化するソークのワクチンを使えばこれは避けられた。卵で培養するインフルエンザワクチンは卵アレルギーがある人には打てない。反ワクチン運動がこれらの避けられるリスクを攻撃するのは正しいことだ、新しいワクチンに対し疑念を示すのもいいだろう。この本にも問題のあったワクチンの製造例が示されている。しかし個人的な体験をもとにワクチンが原因だと信じ込んだフィッシャーの運動はワクチンのリスクを課題評価する一方で感染症のリスクを過小評価している。

    例えばインフルエンザの致命率は0.1%以下であり避けられるワクチンのリスクを考えれば打たないという選択には合理性がある。しかし過去最悪のインフルエンザ、スペインかぜでは推定5千万人以上が命を落とした。こうなれば多少効果に疑問があっても普通はワクチンを打つだろう。ここで問題となるのが感染した場合の重篤化の割合と共に感染の規模だ。免疫を持つ人の割合が増えれば感染者が発生しても流行しにくくなる。フィッシャーの運動はこのは集団免疫を破壊した。例えばポリオは一部の国を除いてはほぼ根絶され日本でもほとんどの人が免疫を持っているので誰かがワクチンを打たない選択をしてもまずポリオにかかることはない。しかし、同じ考えを持つ人が主流になり集団免疫がなくなればどうなるか。海外からウイルスを持ち込まれた場合にポリオが流行する環境が整ってしまっている。

    著者のポール・オフィットは日本語版への前書きで厚生省がHPVワクチンの推奨を差し控えたことに言及している。毎年日本人女性1万人が子宮頚がんにかかり、3000人が亡くなっているが思春期の少女たちのワクチン接種率は1%以下だ。ワクチンはHPVによるガンの85%を防ぎ、認可後に100万人を対象にした調査でワクチンが原因とされたと主張される病気は起こっていないにも関わらず。HPV自体はありふれたウイルスで、通常は性交渉により感染し、ほとんどは自然治癒するが一部のウイルスが生き延び20年以上かけてガンを発生させる。ちなみにHPVウイルスが引き起こす代表的な他の症例はイボだ。

    フィッシャーは製薬会社がHPVワクチンのデータを捻じ曲げたと主張し「ふしだら注射」「浮気者のワクチン」と呼んだ。ワクチンが重篤な障害を起こすというフィッシャーの主張に対しCDCが1万件以上の報告を分析した結果ワクチンが原因と認められる症例はなかった。フィッシャーの主張で最も不誠実なものはワクチンが原因でガンになるというものだ。しかしHPVワクチンには遺伝子は含まれていないのでガンを引き起こすことは不可能だ。2009年までにHPVワクチンは3000万回以上摂取され深刻な影響は見られなかった。

    ワクチンの副作用は当然考えられるし、避けられるリスクだ。ワクチン接種後に身体に不調や障害が発生すればそれがワクチンが原因だと直感的に思うのも当然だろう。反対運動のエネルギーは個人的な体験とアメリカの場合では訴訟を持ちかける弁護士やメディアだ。それは理解できる。一方で副作用の程度が軽いワクチンを打つことで感染というリスクを避けられる。ワクチンの安全性の検証は対象となる数が多いので一般的には他の薬よりも広く行われている。こちらは副作用に対し他に原因がないか、ワクチンを打たない対照群との有意差を比較して判断する。HPVなどは集団免疫は獲得できないのでどちらのリスクを取るかは個人の判断でいいと思うが、20年後にガンになるリスクとメディアで報道される激しい痛みという副作用の可能性を見れば思春期以前にワクチンを打つと決断するのは難しいだろう。だいたいは感情に訴えた方が勝つ。それでも百日咳や麻疹など集団免疫の破壊は公共のリスクを増すという証拠がはっきりしており、集団予防接種を止めるべきではないというのが明らかだ。

全15件中 11 - 15件を表示

ポール・オフィットの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×