先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!: 鳥取環境大学の森の人間動物行動学

著者 :
  • 築地書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806715146

作品紹介・あらすじ

大人気、先生!シリーズ10冊め、いよいよ刊行。

学生がヤギ部のヤギの髭で筆をつくり、
メジナはルリスズメダイに追いかけられ、
母モモンガはヘビを見て足踏みする。

自然豊かな大学を舞台に起こる
動物と人間をめぐる事件の数々を
人間動物行動学の視点で描く。

感想・レビュー・書評

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  • 本シリーズの第10弾。
    とはいえ、まだ半分だ。

    パラパラと捲って感じたこと。「カラー写真が増えて、グレードアップしている」
    表紙をよく見たら、カラー写真満載!!と控えめに書いてあった。
    写真をモノクロからカラーにすると、伝わって来る現実感と情報量が圧倒的に増えますね。

    今回は、グレ(魚)、ハエ、イヌ、コウモリ、モモンガ、ヤギ
    前回に続いて、コウモリ、モモンガ、ヤギが登場。

    ハエにしてもコウモリの体毛の中で暮らしているのを見つけたもので半分はコウモリの話題。
    遺伝子的にハエの仲間なのだろうが、翅と頭部がほとんど無くなっていて、もはやハエには見えずクモみたいな虫になっていた。

    イヌも大学での研究の話よりも、小林先生の家や隣の家の飼いイヌの話がメインだったので、目新しい生き物の話題はイソギンチャクの飼育の様子でした。

    イヌが散歩していると、いたる所の匂いを嗅ぎまわっている姿をよく見るが、コウモリやモモンガも嗅覚が生きるための重要な要素になっているようだ。
    コウモリは自分と他の個体の匂いを嗅ぎ分けているらしい。
    コウモリは暗い洞窟内で群れて暮らしているので、多数の中に混在する自分の子どもは匂いで識別している可能性が高いようだ。(自分の匂いが子どもに付いている)
    そう言われてみてコウモリの鼻を見ると、確かに発達している。

  • 面白かった。先生!シリーズ第10巻、外れないわぁ。
    SNSが研究のスタイルに及ぼす影響!そうなんですよねぇ。
    タイトルのとおり、イソギンチャクで始まり。ケブカクモバエ、良い!
    犬、コウモリ、ヤギ、モモンガのラインナップ。

  • ■書名

    書名:先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!: 鳥取環境大学の森の人間動物行動学
    著者:小林 朋道

    ■概要

    大人気、先生!シリーズ10冊め、いよいよ刊行。

    学生がヤギ部のヤギの髭で筆をつくり、
    メジナはルリスズメダイに追いかけられ、
    母モモンガはヘビを見て足踏みする。

    自然豊かな大学を舞台に起こる
    動物と人間をめぐる事件の数々を
    人間動物行動学の視点で描く。
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    とうとうシリーズ10冊目です!!!
    10冊もリリースされるという事は、私以外にもこの本を楽しみに
    読んでいる方が一定数おられるという事なんですね。
    実際に、この本を読んでいるという方にお会いした事はありませ
    んが、素晴らしい事です。

    本作も研究として面白い中にも、ヤギの死という悲しい別れも
    ありながら、楽しく読ませて頂きました。

    昆虫や動物の行動というのは、基本的には、以下のどれかを根本と
    していると思います。

    ・敵から逃げる事、敵を攻撃する事、共存する事
    ・子孫を残す事
    ・食べる事
    ・子育て
    ・その他生きる事
    (その他生きる事はざっくりしていますが、冬眠とか巣篭りとかが
    それにあたるのかな?と思います。)

    行動の根本理由をしっかり検証していく様は、研究の一環として
    思しろいですし興味があります。

    特定のコウモリに寄生する昆虫とか、もう面白すぎです。
    なんでそのコウモリだったのか?というのは一生分からないのだと
    思います。
    でもそれを分かろうとする努力が研究であり、その副産物として、
    思いがけない事が分かったりするのでしょう。

    行動学を主としながら、こういう本で動物行動学を広めていけている
    この先生の功績は、この業界にとって非常に素晴らしく有意義な事
    なんだと思います。

    この先生、いずれ、大きな表彰をされるかもしれませんね。

    今後も、年に一冊のペースで頑張って刊行して頂きたいです。
    期待しています。

  • イヌが自分の行動に 罪の意識を感じるのか というのが 面白かった これが本当ならやつらは確信犯なのですね!

  • 先生、シリーズなんと10冊目!読了です。

    毎回毎回、本当にネタが尽きないのが凄いと思います。

    特定の種類の蝙蝠を好んで寄生するハエが出てきました。
    寄生されるコウモリとそうでないコウモリの毛の電顕写真が出てきてましたが、違いはよくわからなかったです。
    でもなんらかの方法で見分けてるんだろうな。
    こういうのは本当に面白いです。

    ハエ類は特有の手摺り足擦りをするんですが、色々な説はあるものの、この行動の意味もまだよくわかっていないそうです。

    また、今回ヤギが一頭、ヤギ牧場を去りました。
    別れはいつも突然で、悲しいものです。
    生物学系の実習では、生き物の体の構造を知るために、命を奪うこともありました。
    特に、それまで温かかった生き物が冷たくなっていくのは、仕方がないとはいえ、とても心苦しいものでした。
    それもあって、生涯の伴侶として長生きでかつ温かくない生き物(リクガメ)を選びました。
    うちに来た時から甲長が10センチ近くあり、一緒に暮らし始めてもう20年以上になります。
    一体何歳なのかはわかりませんが、一日でも長く生きていてくれるといいなと思います。

    先生、シリーズはまだまだ続いてます。
    次作も楽しみです。

  • 先生の本に出会って、10年経ちました。
    初めて読んだ時からのワクワク、本当に動物が好きな方であるのが伝わってくるので、このシリーズ、先生が書く本が好きです。本当に読んでいて楽しいです。

    生物相手だからこそ実験がうまくいかなかったり、学生時代の実験するワクワク感があって好きです!

    また、新しいシリーズ読みます!

  • コウモリの毛皮の中に住んでいるクモみたいなハエ
    ニホンモモンガの知られざる生態
    YouTubeに見る犬達の犯行後様子
    などなどいつものごとくでシリーズ第10弾。

    尻ポケットに手帳入れてるのを忘れて水の溜まった洞窟に挑み、水没させてしまった写真には笑いました。
    赤ペンが水性だったせいでまぁひどいこと。
    てかこんな小さい欄にどんだけメモしてるねん。
    多分ポケットに入れられる大きさで、とかのこだわりがあるんだろうなぁ。

    装丁 / 山本 京子+阿部 芳春

  • 先生!シリーズの第10弾。この本を読んでイソギンチャクの生態を初めて知った。

  • 生物学の教授が動物の生態を解き明かし、読みやすい文章で書いた本。シリーズで出版されており、この本は10冊目となっている。

    オススメ度:
    ★★★★★

    かきつばた(海洋生物資源学科)

    所蔵情報:
    品川図書館 481.7/Ko12

  • 図書館が再開したのでこのシリーズもやっと再開!( ;∀;)

  • シリーズ第10弾。
    相変わらず安定した面白さ。

    仮説を検証するための実験の難しさ。
    ビッグデータ(YouTubeに投稿される豊富な事例)が
    研究に与える影響にも言及されており、
    単純なほっこり話だけではないのが本シリーズの好きな点。

    もちろんほっこり話も好きですが。
    特に今回はカラーの写真が多かったような気がする。
    やはり自然の写真はカラーがいい。

  • シリーズ10作目。
    イソギンチャク、メジナ、ケブカクモバエ、コウモリ、イヌ、モモンガ、ヤギ。
    いつも通り、面白い、可愛い、優しい。
    ヤギが登場すると、いつも良い話になるイメージ。

  • いまいち。学術的な話とは程遠いし。

  • 軽い読み物としても楽しめ、行動動物学も学べる、ちょっとした隙間時間を埋めるにはいい本。

  • 先生シリーズもとうとう第10弾、小林先生お疲れさまでした。生徒さんたちのお世話、大変だろうなぁと思いつつ読むと、学生さん達もそれなりにお世話し返してるようなので安心した。これからも無理のないペースで執筆お願い致します^_^

  • ゆるっと読める本として以前から目をつけていたこのシリーズ。著者は鳥取環境大学の動物行動学研究室の教授。子供向けの図鑑などとは異なる、実際の研究過程なんかも書いてあって、動物に興味のある子供にも向いてる、という印象。

    どのエピソードもほほえましかったりほっこりしたり、動物の興味深い観察記録だったりするけれど、生き物を扱う研究は本当に大変だろうと思う。万人に面白く分かりやすく書いていただいている背景にあるはずの、小林教授や研究室の学生さんたちの多大なる苦労に敬意を表したい。

    ちょっと疲れてる時期に読んだので、ヤギとのお別れは何だかほろっと来てしまった。表紙のモモンガかわいすぎるけど、コウモリもよく見るとかわいいんだな、と写真を見て思った。

  • <目次>
    はじめに
    第1章  グレという魚の話
    第2章  そのハエは、コウモリの体毛のなかで暮らしていた
    第3章  イヌは、自分の行動に罪の意識を感じることがあるのか?
    第4章  コウモリは結構ニオイに敏感だ!
    第5章  モモンガの天敵たち
    第6章  トチノキとヤギの物語

    <内容>
    ご存知、鳥取環境大学小林朋道先生の痛快研究室日記(?)。今回もモモンガやヤギなんか大活躍。学生も多分個性的。安心して読めます!

    逗子市立図書館

  • シリーズ初読なんだけど、どれから読んでも大丈夫って聞いたから一番気になったタイトルの本作を。腹痛話はちょっとシャレにならないところもあったけど、犬とか蝙蝠とかの話は面白かったなあ。モモンガも。

  • 先生シリーズも、もう10作目かぁ(*´-`)今回はカラー写真が満載で楽しかった!イソギンチャク腹痛ってか、お亡くなりになってるし(゜゜;)グレ大活躍だ(^^;)

  • 図書館で。
    表紙のモモンガがものすごく可愛い。そして写真が綺麗になった。やっぱり印刷技術って進んでいるんだなぁ~なんて変な所に感心しました。

    ヤギ部も元気に活動しているみたいで何より。
    草原に白いヤギって絵になるなぁ… 一度行ってみたいな、鳥取大学。出不精だから腰を上げる事は無いかもしれないけどモモンガ風呂にも入ってみたい。

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著者プロフィール

1958年岡山県生まれ。
岡山大学理学部生物学科卒業。京都大学で理学博士取得。
岡山県で高等学校に勤務後、2001年鳥取環境大学講師、2005 年教授。
2015年より公立鳥取環境大学に名称変更。
専門は動物行動学、進化心理学。
これまで、ヒトも含めた哺乳類、鳥類、両生類などの行動を、動物の生存や繁殖にどのように役立つかという視点から調べてきた。
現在は、ヒトと自然の精神的なつながりについての研究や、水辺や森の絶滅危惧動物の保全活動に取り組んでいる。
中国山地の山あいで、幼いころから野生生物たちとふれあいながら育ち、気がつくとそのまま大人になっていた。
1日のうち少しでも野生生物との"交流"をもたないと体調が悪くなる。
自分では虚弱体質の理論派だと思っているが、学生たちからは体力だのみの現場派だと言われている。

「2023年 『先生、ヒキガエルが目移りしてダンゴムシを食べられません!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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