- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784811807256
感想・レビュー・書評
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この本を読んで初めに思ったのは「その気になってささっとカミングアウトしたら痛い目みるで」だった。 素敵なことがこの本では起きている。とっても。だけれどしかし、現実でそう行くのは本当に稀で大変な事だと思うのです。 また、差別や偏見に対して異議を唱えていく中で「オタクみたいに」という表現に強い違和感を覚えもしました。 ただ、セクシャルマイノリティの問題に興味を持った人(又は本人)が一人で悩んでいる時にこの本は巻末のコミュニティ情報を含め、とても良い一冊になるのではないかなと思います。
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もうだいぶ前に読んだ本だが、訳あって再読。
カミングアウトする側の気持ち、された側(特に親)の気持ちがよく分かる本。 -
涙で文字が見えない。
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涙せずにはいられない一冊でした。
子どもから親へ、子どもから教師へ
様々なカミングアウト。
私達の周りにはマイノリティを抱えている人が多くいることを
知らなければならないと思った。 -
同性愛者とその周囲の人との往復文書。まだまだ理解されず窮屈な思いしてる人がいるんだなぁ。周囲の友達にカミングアウトされたら素のまま受け入れられるようにしていたい。
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まじで泣いちゃう。とりあえず読んで損はない。
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同性愛をめぐる葛藤と共感。「手紙」にして書くというわざとらしさがあるにもかかわらず、手紙にしなければ伝わらない「想い」が圧倒的に押し寄せる。電車の中で読んでいたが、何度か嗚咽をこらえた。感動したなどの薄っぺらな言葉でなく、心が震えて仕方なかったのだ。これからの私の生き様が問われているのであり、この本はその重要なきっかけをもたらしてくれた。
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図書館で借りて読んだ。
ありのままの自分を認めてほしいと思う。それが当然に出来る社会になってほしいと願う。 -
p183「ゲイが人口の数パーセントいるとすると、親はその二倍やん。人口の一割以上がゲイの家族やねんな(後略)」
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同性愛者とその周囲の人の手紙のやりとり。
同性愛者であることをカミングアウトする人、された人達の心の葛藤。
手紙だからこその言葉であり、手紙だからそば見えるものもある。
文体も文章も書き方もみんな違うし内容だって違う。けど、みんな普通に読めるのだから、違いなんてないのです。
この本の内容はそういうことと似ていると思いました。
p61「約四十年前に買った『家庭の医学』には、同性愛は頭・脳の病に分類されている(中略)四十年もの歳月が経過したいま、一般の先入観も、知識も理解も、さほど進歩したとは私には思えないのだ。」(letter3)
このletter3のお母さんの文章が好きでした。次第に文体がお母さんになっていく感じがなんとも。
p139『そしてぼくはそんなクローゼットのなかで、表通りを、五月のような陽光に祝福を受けて外を歩く人びとを、ひっそりと見つめ、ため息をつき、あるいは妬んで、憎みさえして、そこで生きていたいわけじゃないんだ、ということです』(letter7)
葛藤しなからも彼らが受け入れていった現実。強い文章ばかりでした。
読んだ私は、同性愛者でもなければカミングアウトされた人間でもない、全くの第三者です。
でもそういった第三者・もしくは、自分とは全くの無関係だと思っている方にも、読みやすい本ではないかと思います。 -
特別な人たちではない「生活者」の人々の手紙。
たくさんの葛藤、困惑、痛み…の先にあるのは、誠実で真摯な思いだった。
セクシャルマイノリティが「特別」と括られている訳じゃなく、当たり前にそこに存在している人であった。同じ目線の高さで当事者と家族や先生が話していて、これこそ「社会の多様性」だ、と感動した。
一方、最後の対談で、どこか理解したくない部分を持つ一人のお母さんがでてきたが、全てを理解をすることは単純じゃないな、と感じた。でもそれを否定することは違う。
理解しようとしてくれる、そうまでいかなくても否定しない。それだけでも多分良いんだと思う。
現代は「多様性」がキーワードとなっている。
この問題に興味がある人以外の人にもぜひ読んでもらいたい。「多様性」とそれへの向き合い方がわかるはず。
若いうちに読めてよかった一冊だ。