音読で外国語が話せるようになる科学 科学的に正しい音読トレーニングの理論と実践 (サイエンス・アイ新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815600747

作品紹介・あらすじ

外国語習得の効果的な学習法として再注目されている「音読」。語学力の向上を目指すにあたり、誰もが一度は実践したことのあるトレーニングだと思いますが、この「音読」のどこがそんなにも優れているのでしょうか?
そもそも「音読」とは、書かれた単語や文、文章などの「書き言葉」を、音声言語すなわち「話し言葉」に置き換えて発音するタスクです。実は、この音読の一連の動作の中には、外国語習得を成功に導く4つのキーポイント、つまり①インプット処理、②プラクティス、③アウトプット、④モニタリングのすべてが含まれているのです。
本書では、「音読」の有効性を科学的な視点から明らかにしていくとともに、外国語を流暢かつ正確に話せるようになるための音読トレーニングとして、どのような点に留意する必要があるかについて、そのノウハウについても詳しく解説していきます。言語習得を目指すなら、まずは本書で「本当に有効な」音読トレーニングについて学んでいきましょう。

感想・レビュー・書評

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  • ◇音読の際に重要なこと
    耳で聞いた音(CDから聞こえてくる発音)と目で見ている音(自分で読む発音)が一致していることが不可欠。この双方向性を保ちつつ、音読トレーニングを重ねることが必要。あるならモデル音声必須→パラレルリーディング(音声を聞きながら音読すること)★音声と音読のタイミングをずらす(2秒以内が目安)。リッスン&リピート形式にして、音声インプットに十分な数と量のポーズを入れることが重要。常にチャンクを意識!
    ★言語音声を記憶にとどめておける長さは2秒がMAXという研究結果アリ。つまり、「2秒以内にリピートできるかどうか」が文をそのまま記憶できるかどうか(長期記憶できるかどうか)にかかわってくる。…この「2秒以内にリピートできるか」(すらすら読めるか)を鍛えるのが音読のプラクティス効果。読めるようになれば長期記憶として頭に残り、その文法や構造、単語を無意識にでも使えるってこと!
    ◎音声ってやっぱり大事。でも高3でリッスン&リピートはお互い辛い。そんなメンタルない。。中学ではやる。テキスト全部バーって流して読ませる効果はあまりなかったかもと反省。段落ピックアップして、ちょっと速度落としてそこだけ重点的にやるか。ポーズはいれられないけどゆっくり&短ければチャンクごとの意味取りやすいと思う。

    ◇音読(パラレルリーディング)の効果
    ①読めるのに聞けない!の解消
    ②リーディング力強化(インプット効果)…これだけだと十分な第二言語の習得には至らないので、アウトプットが必要
    ③新たな語彙・構文の定着(プラクティス効果)…アウトプットのためには、「アウトプットのためにインプットした知識を自動で使える(自動化)手続き」が必要。流暢性を目指すってこと。それが音読とかシャドゥイング。繰り返し音読することで、いつの間にか英語の語彙・構文を自然に習得している、ってのが音読のプラクティス効果。
    ④スピーキング力を伸ばす(アウトプット効果)…②③ができれば使いこなせてアウトプットできる!つまり英文の構造や意味を十分に理解しながら音読することが不可欠!
    ⑤自分の学習状況を見る目を養う(モニタリング効果)…自分の勉強合ってるかなーてフィードバックもらったりとかがこれ。


    ◇リッスン&リピート形式の際、ポーズはどのようにちりばめるか
    ・句/節などのチャンク。そうすることで、意味理解に必要な、まとまりごとの意味が取れる。パラレルリーディングにおいては、これに加え、音声と文字の両インプットに注意を集中できる。
    ◎つまり、チャンクごとにポーズを入れて、そこまでで音声聞く→音読する、を繰り返すことが大事。チャンクの目安は2秒のようだ

    ◇シャドウィングと音読
    ・音読は文字インプットに基づいて言語処理する能力を鍛える→リーディング力強化
    ・シャドウィングは、音声インプットに基づいて言語処理する能力を鍛える→リスニング力強化
    上記③④⑤についてはどちらでも鍛えられる。

    シャドウィングは即時復唱だから自分のレベルよりもかなり低いものを。対して音読は未知の構文とか入ってるのをターゲットにすることも可能。
    ◎つまり、音読→シャドウィング、の流れ!!!1級のリスニングもまずは意味が頭に浮かびながらすらすら読めるように音読してから、シャドウィングしよう。それからディクテーション。

    ◇その他伝えたいこと
    声に出して音読することで、意識的に自分の既知語彙・文法情報を検索しながら読むことができるので、早く効率的に英文を処理できる(返り読みしなくなる)

    音読は音読でも、形式音読(和訳とか確認せずにとりあえず読む)だと効果ないけど、大量音読(パラレルリーディング)はめっちゃ効果ある
    ◎横向きふせんのとこ。次の高3はここをうまく使って音読の効果の説明がしたい。3月中に自分が納得できる音読の効果(高3編)をまとめておく!!

    ◇音読の頻度
    音読は集中学習より分散学習の方がより効果的(音読のスピードに関しては集中の方が効果高いけど、発音の正確さやポーズの入れ方などの認知的な面で見ると分散の方が効果的)

    ◎つまり、「何で音読が大事なの?」って言われたら。
    ・音読することで、新たに覚えた単語・構文・文法などを実際に使いこなすための自動性を身に着けることができるから。
    →なぜ自動性を身に着けられるの?…音読により、言語音声を長期記憶にとどめておくことができる。長期記憶とは、無意識に使える記憶のこと。自転車乗るのにいちいち頭の中で乗り方を復習したり、テニスの試合中にフォームを頭の中で言語化したりしていないはず。全て無意識にできているよね。音読を繰り返すことで、その読んだ文章の中の単語とか構文とかを無意識に使えるようになるってこと。
    ただ、1度に定着するのは2秒までの記憶。つまり、チャンク分けして、そのチャンクを2秒内で読めるようにトレーニングしていくことが大事。
    そうすることで、そのチャンク内の事項を無意識に使えるようになる!

  • 外国語の音読とシャドーイングの大切さが分かった。
    けっこう専門的なことが書かれていた。気軽に読んだので完全には理解できてない...。本にそこまでの知識は要求していなかった。

    大量に音読することが大事。

    スピーキングテストのTSSTとVersantがあることをはじめて知った。

    読んでいて時々、被験者になった気分になる。

    日本と英語との言語間距離はかなり遠い。日本人が英語を習得すれば、認知症になりにくいという。お隣の中国人や韓国人も同様。みんなでお受験戦争頑張ろう。

    音読においても、当事者意識は大事だそう。

    赤さんには対面レッスンが効果的らしい。

    とりあえず、心を込めて楽しく音読しようと思った。

  • 音読で外国語が話せるようになる方法を理論的な観点からまとめている(タイトルどおり)。外国語のインテイクとスピーキング力の両方を向上させる。文字言語インプットを読んで、音韻符号化して、音韻表象を形成して発音する。一方、シャドーイングは入力が音声言語インプットであることが異なる。

    理論的な話がほとんどなので、全体的には教育者向けの内容。学習者向けには第6章の学習法だけ読めば十分だと思う。学習法については、学生・生徒向けなのか、盛り沢山な内容になっているので、社会人など十分な時間を取れない人に向けては、もっと絞り込んだものを参照した方が良いと思う。

  • すぐに実践に移せる。正しい知識を持って音読指導をしよう

  • 語学学習ではシャドーイング(音声を聞き取り
    つつそれを発音する)がよく知られているが
    本書はそれよりも「音読」が効果的だとして
    音読をお勧めしている。

    とはいってもコツが必要。音読は多重処理
    (①インプット処理、②プラクティス、
    ③アウトプット、④モニタリング)なので
    学習者のレベルよりやさしい教材、音声を
    聞いてから音読(聞くことと読むことは
    同時にしない)、音声モデルは句、節の切れ目で
    ポーズが入ったものを聞くこと、など。

    冒頭~真ん中あたりまでは理論が書かれていて
    難解だったのでそこはサラッと目を通す程度
    で読み切りました。

  • 音読の効果を科学的に説明している。


  • 読了。メイロマが、英語の勉強のやり方をツィートしてたので、本屋で同じことかな?と思い買った。少しちがうように感じた。とりあえず、英語の勉強をしてみよう。


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著者プロフィール

関西学院大学教授

「2017年 『決定版 英語シャドーイング 改訂新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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