悪魔のマーケティング タバコ産業が語った真実

制作 : ASH (ACTION ON SMOKE AND HEALTH) 
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822243425

作品紹介・あらすじ

欧米タバコ産業の内部文書が明らかにしたタバコ・ビジネスのすべて。世界保健機関WHOも公式に取り上げた驚愕のドキュメント、ついに邦訳。

感想・レビュー・書評

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  • (過度の煽り文句が気になるが)嫌煙派の一撃。しかし決定打にはなりにくい。

    【書誌情報】
    発行元:日経BP社
    発行日:2005年1月24日
    ISBN:4822243427
    ページ数:278
    サイズ:A5並製判
    編者:ASH(Action on Smoking and Health)
    切明義孝/津田敏秀/上野陽子 [翻訳・解説・編集]

     タバコは健康に悪く、発ガン性がある。タバコに含まれるニコチンは依存性が高く、タバコとは麻薬の一種に他ならない--欧米のタバコ産業は1960年代からこの事実を知っていた。そのうえで事実を隠蔽し、ニコチンの依存性を利用して、子供と女性と途上国の人々をターゲットにマーケティングと宣伝とPRをし、商品開発を行い、彼らをタバコ中毒に陥れ、巨万の富を築いてきた--。マルボロマンやオールドジョーのCMは実は子供向けだった! F1にスポンサーをしていたのも子供たちの間でブランド認知度を上げるためだった! 女性向けの「ライトタバコ」は健康に良くないどころか、タバコ消費量を上げる格好の発明だった! -- 一連の欧米タバコ産業の「悪魔のマーケティング」の真実が、タバコ訴訟の過程で公開されたタバコ産業自身の内部文書によって、いま明らかにされる。英国のNGOがインターネットで配信し、世界保健機関WHOも公式に取り上げた衝撃のドキュメント、はじめての邦訳!
    https://shop.nikkeibp.co.jp/front/commodity/0000/P43420/

  • タバコ依存症の人必読。タバコ会社をヤクザとすれば堂々と合法的にシャブを打たれてるのと同じですよ。大麻より習慣性が強く病気を引き起こす。しかも側にいる大切な人も犠牲に。もうやめません?
    タバコを止めた私が書いたよ♪こちら↓
    「悪魔のマーケティング〜売れれば何でもいいのさ」
    http://zazamusi.blog103.fc2.com/blog-entry-839.html

  • チェック項目10箇所。通常、人間が煙を吸って気持ちよくなることはありません、焚き火やどんど焼きの煙でむせた経験はだれにでもあるはずです、ところが、ことタバコ(それから大麻も)の煙となると、好んで吸うひとがたくさんいます、なぜでしょうか、それはタバコや大麻の煙のなかには人間に快感をもたらす薬物が含まれているからです。喫煙者は「好きでタバコを吸っている」つもりが、いつのまにか「タバコなしでは生きていけない」状態に陥ります、これはタバコを製造販売するタバコ産業にとって実に都合がよい、なぜならば、タバコに強い依存性があるせいで、喫煙者は毎日タバコを買って吸い続けずにはいられません、結果、タバコ産業には苦もなく莫大な利益がもたらされます。喫煙者はいつのまにかニコチンの依存性に支配され、発癌物質であるタールの吸入を余儀なくされます、「喫煙の自由」「喫煙の権利」という言葉がありますが、タバコの依存性を考えるとこの表現は正確ではありません、喫煙者の大半は本人の意志ではなくニコチンの依存性のせいで、タバコを「吸わされている」のですから。欧米のタバコ産業は、これまで驚くほど計画的に、しかも組織ぐるみで”ウソ”をついてきました、それが明らかになったのは、訴訟や内部告発によって、1950年代以降から現在に至る数千ものタバコ産業の内部文書が公になったからです。「人がタバコを吸う目的は、ニコチンによる薬理学的作用を得るためである。以前、R&Dの担当者が説明したとおり、われわれの仕事はタバコを売ることではなく、タバコの煙を売ることなのだ。タバコは煙を発生し、その煙はニコチンを人体に供給する道具となる。そしてニコチンが人間に快感をもたらしてくれるのだ」(フィリップモリス 1969年)。「なぜ、ひとびとはタバコを吸うのか? リラックスしたいのか、タバコの味を楽しみたいのか。あるいは暇つぶしや手持ちぶさたを解消するためか……喫煙者がタバコをやめられない何よりも大きな理由は、タバコをやめると不快感に襲われるからである」(フィリップモリス 1984年)。実際には、大人向けの宣伝活動が確実に子供やティーンエイジャーの心を捉えているのです、なぜなら、大人向けの広告を見て子供たちは、「タバコを吸うこと=大人になること」と考えるようになるからです、そして喫煙したいと熱望し、喫煙の誘惑にかられてしまうのです。「若者が喫煙に求めるのは、『味』や『満足感』よりもむしろ、(タバコを吸っていることで)一人前の大人として周囲に認められることである。そんな若者たちが、喫煙でニコチン依存症に陥るまで、『タバコの味』というのはたいした問題ではないのだ」(インペリアルタバコ 1977年)。1977年10月18日付けの「プロジェクト16」報告書には、「10代の若者がタバコを吸い始めるきっかけの最も大きな要因は、『仲間意識』だ。11歳から13歳ごろにかけて、すでにタバコを吸っている子供がまだ吸っていない子供に対し、タバコを吸えとプレッシャーをかけてけしかけるケースが多い」と述べられています。経済成長とともに喫煙人口は増加します、タバコ産業はここに目をつけます、かつて日本で起こった現象、つまり喫煙の広がりが経済発展の象徴であるかのような共同幻想が多くの国で生まれているのです、その膨大な健康被害に対して、どのような形で集団訴訟が行なわれるかもわかりません。

  • 「タバコ」「ニコチン」がゲシュタルト崩壊を起こすほど出てくるが、非喫煙者なら自明のことがきちんと提示されるので首肯しやすい。
    タバコは麻薬であり、喫煙者は中毒・依存者であること。本人はわからない様だから周りがそういう扱いにしてあげよう。
    巨大組織が自己保存のために反社会的な行為を行う、というのは、もう、資本主義社会の公理なんだろうなぁ。

  • たばこ産業が長年にわたってつき続けてきた嘘を、
    対外的な情報と対内的な情報のふたつの側面から、
    事実を丹念に積み重ねることで、断罪している。

    出版年が古いので、たばこが衰退の一途を辿る現代と照らして読むと、
    多少の違和感と既視感を感じるが、それでも丁寧に書かれている。

    そして、少なくともマーケティングを生業とする私自身にとって、
    必ずしも一笑に付すことのできない作品でもある。

    たばこに限らず、日本におけるマーケティングの現状は、
    形式や効用、程度の差はあれど、大なり小なり、
    顧客を商品に中毒化させようという営みであることは事実なのだから。

    殊、良い意味でも悪い意味でも、「自己責任」という大義名分を手に入れた産業界は、
    法律の網の目をかいくぐって、あらんかぎりの「優良誤認」を引き起こすことを、
    作為的に仕掛けている。

    繰り返して書くが、マーケティングの世界に身を置くものとして、
    一笑に付すことのできない内容である。

  • タバコ産業がタバコの有害性を認識しつつ如何にマーケティング、販売網の拡大を広げてきたかという内容。

    各章「概要」「引用」「解説」の構成で、引用部分がタバコ産業の関係者、従業員(含役員)、科学者、弁護士が語った内容の訳。
    引用されている言葉には引用文献へのリファレンスと年数が記述されている。故に引用されている文・言葉は真実であろう。

    但し、引用は断片的であり、機械翻訳ではないと思うが、訳が分かりにくい。時々つながりが分からない部分もある。

    タバコ産業のマーケティング手法に問題があるという事に対して同意出来る部分も多いのだが、いかんせん全体的に読者に対してタバコ産業がとにかく悪であることを印象付けようと思っているのでは?と感じられる文体となっているのが気になる。

    例えば1章には1995年のイギリスにおいてタバコが原因による死者が12万人、それ以外の死因(交通事故・殺人・自殺など)による死亡者数は約2万人弱となっているが、この部分を読むと癌、心臓血管系疾患、呼吸器疾患の原因は全てタバコのように受け止められる。タバコが原因でそれらの病気になることはあるだろうが、それらの病気になる原因全てがタバコとは考え難い。

    他にも気になる点はあるが、どうにも読んだ後の後味がすっきりしない本。

  • 主流煙にも副流煙にも、そして、衣類などに染みついた臭いにも有毒物質が含まれるタバコ。その有害性と依存性の高さは1960年代からわかっていました。なぜ麻薬ともいえるタバコが相も変わらず野放しなのでしょう。この本を読むと、タバコ業界がいかにしてその有害性を隠蔽して新たな「顧客」を生み出す戦略をとっているか裏がわかります。日本は欧米やアジアと比べて規制が甘いまま、街中に自販機があふれ、マスコミはCMを、出版社は広告を載せ放題です。タバコ業界の洗脳に操られたまま、世界から取り残された汚染国でいいと思いますか?

  • タバコ業界がいかにして人々にタバコを買ってもらうかについてモラルも何もお金が全てで進めてきたことを極秘?文書やインタビューなんかから炙り出した告発文。

    帯が非常に刺激的なんで興味を持った本。
    怖いねぇ・・・。

  • 三葛館一般 589.8||AC

    禁煙・喫煙の図書はよく見かけますが、これは「タバコ産業」の表裏を赤裸々にあらわした異色の本。
    欧米のタバコ産業が隠していた“真実”が・・・。
    “煙幕”が張られていた部分がつまびらかにされています。
    これを読めばあなたも「禁煙」できるかも。

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=57836

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